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「パスを惑う次第」

最近、最近、旅行先のドロ沼にスマホを落としてしまった少女がいました。
新しくスマホを買い直しましたが、今まで使っていたアカウントとパスワードを忘れてしまいました。

まずは片っ端から脳死で適当な数字を打ち込んでみましたが、ヒットしませんでした。ゾロ目、連番、生年月日、名前のごろ合わせ、全部ダメでした。
よく考えたら、数字だけのパスワードは途中で使えなくなって変更した気がしてきました。

次に自力で心当たりを探って、文字の組み合わせも試してみました。
自分の名字や名前、キー配列の上から順にそのまま、単純にpasswordという文字、全部ダメでした。良く思い返したら、シンプルな文字列は危険とニュースで見てから変更した気がしてきました。

度重なるトライ&エラーで疲れて、夕日も沈みかけてきたので、機械に強い叔父に相談することにしました。叔父はちょっと取っ付きにくいところがあり、正直1対1の会話は苦手ですが、勇気を持って話しにいきました。

ところが叔父は少女が思っている程機械に強くはありませんでした。
人並みの知識が子供には物知りに見えただけです。

カスタマーセンターに問い合わせ、有識者のブログや動画を漁り、叔父は何とか期待に応えることが出来ました。噛み砕いた説明と今後同じようなことが起こった時に、1人で対処出来るように指南して、事前に出来る対策も講じました。

アカウントが復活して、少女は大変喜びました。そして、この経験を経て培った知恵、心、勇気は少女を一回りも二回りも大きく成長させました。
叔父も少し成長しました。

END

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