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「構文じいさん」

最近、最近、自身のメッセージやり取りに悩んでいるおじいさんが居ました。自分では楽しそうな雰囲気を演出しているつもりですが、「おじさん構文」と呼ばれ、若者からは敬遠されがちであることを知りました。

部下や子供達とのコミュニケーションを何とか円滑にしたいと思い、
山奥のお堂にお願いをしに行きました。

お堂では、ダンス好きな若者達が集っており、様々なダンスの練習をしていました。おじいさんが来たので、お堂への通路を空けましたが、若者達は普段見かけない年代に興味津々です。1人がおじいさんに話しかけ一緒に踊らないかと誘いました。

おじいさんは密かに練習していたTikTok用のダンスを披露して見せたところ、若者達にハマり、一気に距離が縮みました。おじいさんの悩みを聞いた若者達は、現在流行っているやり取りをおじいさんに教えました。

「でも、これはあくまで一例に過ぎないし、流行りはどんどん変わるよ。
 「おじさん構文」だってあなたらしさの1つなんだから無理に変える必要は無いよ。」

若者に諭されておじいさんは自分らしさも大切にしようと思いました。
せっかく教わったので、若者らしい構文も時々使っており、皆との距離は少し縮まりました。

一方その話を聞いた意地悪じいさんもお堂に向かい、若者達に割って入ってダンスを披露しますが、特に練習をしていたわけでもない、残念な踊りを見せられたので、場は白けてしまいました。

「あなたは、そもそも同じ世代と仲良く出来ているかも怪しい。
 この前のおじいさんと仲良くするところからは始めてみるといい。」

若者は真面目に対応しましたが、あまり響いていないようでした。
どんな構文を書くにしてもまずは、相手を思いやることが大切です。
意地悪じいさんが早くそのことに気づけるように、おじいさんと若者達はもう少し頑張ることにしました。

END

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