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「かぐやらせ」

最近、最近、とある番組が「竹林で光る竹を見つけたら」というドッキリ企画を行いました。ところが、標的となった芸能人のリアクションが薄く、撮り直しをすることにしました。事前に分かった上でのリアクションは最初より派手で自然な仕上がりになりました。

これに味をしめたスタッフは、「イマイチな時は撮り直せばよい」というスタンスで、ドッキリ企画を進行するようになっていきました。

その後、5人のアイドルに入手困難な品を取りに行かせる企画が行われましたが、全員が同様に失敗し、思うような画もパターンも取れなかったので、
緻密な台本を用意して撮り直しました。

リアルな実態よりリアル風を演出した映像の方が視聴者受けが良く、
成功が続いたこともあり、段々とヤラセは当たり前になっていきました。

とうとう、「大物役者が月に行く」というスケールの大きなドッキリまで行われましたが、この頃には演者もスタッフも初期の人達より劣った人々が駆り出され、その粗さが明るみになり、ヤラセ疑惑として糾弾されてしまいました。

事態を重く見た上層部は番組の打ち切りを決定し、関係者に一定の処分が下されました。とは言え、中心となった人達の能力が高かったことは確かだろうと判断して、一部メンバーを再起用して新しい番組が製作されました。

その新番組は一切の不祥事を起こすことなく、且つ誰の目に留まることも無く、ひっそりと打ち切られました。

END

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