失恋して、好きだった人の会社の株買う
ここ最近で一番の高い買い物は、好きだった人の会社の株を買ったことです。
自分でもどんな気持ちなん?と思いながらやるせなくて買ってしまいました。
株価の減少を、自分の気持ちが減少していると置き換えて考えたかったのか、彼と会っていた当時買っていたら今2倍に増えていたことに気付いただけで、単なる欲望の一つだったかも知れません。
もう連絡も取っていないので、どこで何をしているかもわかりません。
失恋したての頃は兎にも角にも辛くて、きちんと前に進めてるかわからず、「前がこちらの方で合ってますでしょうか?」と各位に確認したいぐらい迷走をしておりました。いい女だったら諦めが良く、すぐに前をむく明るさも兼ね備えてるんだろうなと思い何もかも嫌になりました。
日常に彼がいないこと、彼の日常に私が登場しないこと、当たり前の現実を見るより、失恋にすがっていたほうがよっぽど生きやすかったのかもしれません。忘れないでいる間は、過去を生きられる気がして楽だったんだと思います。
断捨離に明け暮れる日々、8年住んだ地を引っ越し、会社の部署異動願いも受理されました。失恋には新しい環境と聞いたのでがむしゃらでした。
あんなに忘れたかったはずなのに、本当に忘れてしまったら寂しくなってしまう面倒な人間なので、気づいたら100株クリックしてました。
偶然街ですれ違っても、彼は私に気づかないだろうな、覚えてもいないだろうなと絶望していましたが、私さえも怪しくなってきました。
私はきっと、あんなに好きだったことを忘れてしまったら、あの日々は消えてしまうと思っていました。私だけは覚えておかなきゃと自分を奮い立たせていたのかもしれません。
友達とお酒を飲みながら、「どういうつもりかはわからないけど限界すぎて、あの人の会社の株100買ったわ」と話したら、「文学かよ」と返答がきたことだけが救いでした。「それな」と言ったところでその日の記憶は無くなりました。
この失恋で得たものは、今もやや増え続けている株と、辛すぎてご飯を食べるのをやめていたので減った7キロの体重です。
『ダイエットしてないのに痩せるとかラッキーかよ』と上記の友達に言われたのでこれは全然文学ではなかったようでした。
そしてもう一つ得たものとして、自分の中で今となっては面白くて尊いその記憶をあらゆるものに投下してきた日々だと思います。
思い出だけじゃ生きていけない、時の流れに身を任せていこうと思います。
興味がありましたら見てみてください。
https://suzuri.jp/Thisaki
#買ってよかったもの
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