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2年間毎日絵を描いた話


こんにちは。絵が上手くなりたくて2年間毎日絵を描いた者です。
備忘のために記録に残しておこうと思いました。

描いた人:
好きなキャラのために祈りながら描くのが趣味のオタク。
好きなキャラの絵やマンガを見よう見まねで描いてきたが、1枚描くのに何週間も何か月もかかる上に「ちがう、推しはこうじゃない」になるのが辛すぎて最近絵を描くのが苦しい。絵を描くのが好きになりたい。

画力の変化


やったこと

模写 と ジェスチャードローイング  をやりました。
期間は、毎日描いていない時期も合わせると2年半です。
(2020.12~2023.06)

①模写
ポーズ集、写真などを見て模写をしました。
人間の形を覚えることが目的だったため、イラストではなく写真のポーズ集を選択。(参考書籍は記事の後半に記載しています)

②ジェスチャードローイング
砂糖ふくろう先生のセミナー動画「はじめてのジェスチャードロイング」を視聴し「か、描けねぇ~!!でも楽しい!」になりました。そこから1年半はジェスドロばかりやりました。

※ジェスチャードローイングとは?
と思われた方は、イラストレーターのふるり様が大変分かりやすくまとめてくださっているこちらの記事をご覧くださいませ
「ジェスチャードローイングのすすめ」

③試行錯誤
練習を始めた当初は何をしていいか分からなかったため
図書館からデッサンやイラストの教本を借りてきて、人体の形を模写したり、比率を調べたり、教本に描かれている通りに丸や線を描いてみたりしました。

毎日クロッキーをして変わったこと

・ラインクオリティが上がった
・絵を描くハードルが下がった
・自然に全身を描くようになった
・自分が好きな傾向(ジャンル)が分かってきた
・描くのが速くなった(ラフ1体:20分~数時間 → 2分)
・前よりも自分が好きになった



毎日クロッキー2年半の記録

「絵がうまくなりたい」と思い立つ

とりあえず最初に今の画力を把握しておこう。
いつもは写真やお手本を見て、なんとか形にしているけれど
何も見ないで描いたらどうなるんだろう?

よし描けた。
そして………………どうしたらいいんだ?


試行錯誤すること半年

① とりあえず描く
② 描いた絵を見て、課題を書き出す(不明な点や気になる所)
③ ②で出てきた課題を練習する(本やネットで調べる)

①~③を反復すればやがて絵ウマになるのでは?
出てきた課題を叩いていくところが「もぐら叩き」に似ています。
よしやってみよう


教本の模写
約1ヶ月 初日に描いた立ち姿をもう一度描いてみる


教本で比率を見ながら描く
丸や線の練習
30~60秒ドローイング
写真の模写
ポーズ集模写
約5ヶ月 教本の模写&初日に描いた立ち姿をもう一度描いてみる


もぐらは一度に来る

分からないところを叩く以前に「分かっていることが無い」
分からないことしかない、というか、分からないことだけがある。

あと、教本を読んで「なるほどね。すべて理解した」
と言った3日後に全て忘れるということも分かった。

どうにも行き詰まってきたので
「 絵(イラスト) 上手く なるには 」で検索。

絵の学校で勉強した方や、現役プロの方々が上達法を教えてくれている記事がたくさんある。ありがてぇ…ありがてぇ世の中だ…
どの記事でも共通して言われていたことを(たぶんですが)要約すると

①たくさん描くこと
②本気の絵を描くこと(作品として完成させる)

記事には他にもためになることが多く書かれていましたが
一度に1つずつしか実践できないので
非常に大事そうなこの2つを勘でチョイス

1日目 毎日描き始める

頭を使うのは私にはまだ時期尚早だった。
私は私の筋肉と細胞に期待する。
というわけでポーズ集の模写を始めました。

目的:人間の形を体で覚える

日数カウントもここからスタート。
この日から毎日、絵の練習をTwitterにアップ。

『新ポーズカタログ2男性の基本ポーズ編』(マール社)

1体描くだけで疲労困憊。

描けない日は何時間かけても描けない。

『瞬撮アクションポーズ02バディ・アクション編』(玄光社)


『作画のための 戦う和装男子ポーズ集』(廣済堂出版)

数冊のポーズ集をその日で気分でローテーション

『だらっとしたポーズカタログ4』(マール社)

久しぶりに清書まで描いてみて、上達を感じる
描く速度も速くなっている



苦しくなったら過去絵のリメイクをするといいって聞きました。






▲たぶん人生でもう二度と描かないであろうポーズ

時々ちゃんとイラストも描いた方がいいって聞きました。


絵の練習を始めて1年ほど経過。

1体描くのに~数時間かかっていたのが、
10分くらいで描ける日もある。(※練習絵の場合)
成長…!

しかし1体で体力が尽きる。
1体描いたら何時間も休まなければならない。
なぜ私は無限エネルギー体じゃないのか。
練習の絵を1体描くだけで息切れしていては、そのあと漫画を描くとか本番のイラストを描くとかとてもできない。

よく、1万体描くと良いと聞きますね。
私の場合、1万体描くには…………途中で計算するのやめたよ。たぶん人生が5回くらい必要だと思うね。

「たくさん描く」にはある程度の「速さ」が必要なのだ…

237日目 ジェスチャードローイングを始める

絵の練習を始めて約1年。
かねてより気になっていた砂糖ふくろう先生の
「はじめてのジェスチャードローイング」セミナー動画を視聴。
ジェスチャードローイングを始める(2022.1.27~)

ジャスチャードローイングは
「短時間(30秒~長くても2分程度)」で、
「全身」
「印象を描く」
というドローイング法です。

じぇすどろパーティさんの動画で描く日々。
11日ぶりにポーズ集も描いてみる。
描くのがすごく早くなっている。ジェスドロの魔法か

ジェスドロを始めて、1日に描く量が飛躍的に増えた。
1日1~5体くらいだったのが10体以上描くようになる。

365日目(1年経過)


一年でやめるつもりだったのですが
ジェスドロがあまりに楽しくて「もう少し描いていたい」となり継続することにしました。「もっと描いていたい」と思ったのは生まれて初めてです。

時々ちゃんとイラストも描くといいって(以下略)

596日目 100ドローイングを始める

イラストを描かないと、イラストはうまくならないんだよな…
「練習で終わらせず、最後まで描く」をやらないとな…
ということで着手。

目的:完成させることに慣れる

正直「10ドロくらいにしておけ」とこの頃の自分に言いたい
(なんとまだ終わっていません)

あたりを元にペンで清書


100ドロ8枚目
100ドロ13枚目
100ドロ34枚目
100ドロ45枚目
100ドロ48枚目

730日目(2年経過)

最終日(毎日クロッキー丸2年)





まとめ

730日(2年)でおおよそ7634体描きました。

模写とジェスドロは、スポーツで言うところの筋トレでした。

「見る」(対象をインプットする目と脳)
「描く」(アウトプットする手)

の2つの力が鍛えられました。その結果として、全体の画力の底上げになった…のかなという印象です。


絵が上手くなったか…と言うと正直イラストはあんまり上達していませんワハハ。そう、推しは推しを描かないとうまくならない。

ですが、線の質が上がり、1枚を描き上げる時間が段違いに早くなりました。絵を描く心の負担は確実に軽くなりました。ありがとう…
基礎の力は偉大だなぁと噛みしめています。

練習に加えて100ドロをやり始めてから、線の質がより良くなってきたように思うので、やはり基礎と並行して作品を描くのが1番上達するのかなと思いました。

1日の練習内容

模写をやっていた頃は「とにかく1体描く」が1日の目標でした。
描き上げる時間が安定せず、体調やメンタルによって、7分の日もあれば、数時間の日もありました。

ジェスドロを始めてからは、リファレンス動画の長さがそのまま練習時間になりました。例えば、「じぇすどろパーティ」さんの動画は約20分で10体、「まこさんクロッキー」さんは10分で5体です。

余力が残っている日はリファレンス動画をやった後に見直しやおさらいをしておおよそ30分~1時間です。

模写、ジェスドロ以外でやってよかったこと

①練習を公開する
練習アカウントを作り、Twitterに投稿しました。
公開することで生まれる適度な「後に引けない」感。
この衆人環視システム(?)が無ければ絶対に続かなかったと断言できます。また、同じように練習を続けている方が多くいることが分かり、これにも大きく励まされました。

②お手本を探す
「この人のように描けるようになりたい」というお手本を探しました。
素晴らしい描き手さんばかりで、今では心の師匠だらけです。
「憧れの人の絵を目の前に置いて、自分の絵を描く」これがものすごく勉強になりました。線の強弱、頭身のバランスや省略の仕方…お手本の線を目で撫でるような気持ちで見ると、数えきれない発見がありました。

ただ、美しい絵と自分の絵を並べるので心はバキバキに折れます。
負けないで!ヤーッ!

続けるために設けたマイルール

1.がんばらない
2.描けない日があってもよい
3.線1本、丸1個でも描いたことにカウントする
4.比べない(比べていいのは過去の自分とだけ)
5.楽しむ

苦しい時に唱える呪文

・焦らない
・腐らない
・比べない

道具

2年半、一緒に走ってくれた相棒たち

・A4コピー用紙
・鉛筆(MITUBISHI - uni/2B)
・水色鉛筆(STAEDTLER karat aquarell 125-302)※下書きに使用
・鉛筆削り
・消しゴム
・タイマー(あると便利)


参考書籍・動画

大変お世話になったおすすめの練習用リファレンスや書籍、講座です。
大大大感謝です。

はじめてのジェスチャードローイング
とりあえずジェスドロ30日 
3つのお絵かき勉強法 (3つ勉)
絵を描くのが楽しくなる8つの勉強法(8つ勉)

じぇすどろパーティ
まこさんクロッキー
チャタスケッチ
posemaniacs - ポーマニ(@posemaniacs)
The Pose Archives(@theposearchives)

【ジェスチャードローイング】
・『10%の力で描くはじめてのジェスチャードローイング』
 (砂糖ふくろう 著/ボーンデジタル/2022)

・『はじめてのジェスチャードローイング 着衣とビッグシェイプ』
 (砂糖ふくろう 著/ボーンデジタル/2023)

・『リズムとフォース 第3版』
 (マイケル・マテジ 著/ボーンデジタル/2021)

【ポーズ集】

・『新ポーズカタログ 男性の基本ポーズ編』(マール社/2011)

・『だらっとしたポーズカタログ4』(マール社/2019)

・『だらっとしたポーズカタログ5』(マール社/2020)

・『瞬撮アクションポーズ02バディ・アクション編』(玄光社/2016)

・『作画のための 戦う和装男子ポーズ集』(廣済堂出版/2016)

【教本・解剖学】
・『スカルプターのための美術解剖学』
 (アルディス・ザリンス ほか 著/ボーンデジタル/2016)

・『やさしい人物画』(A.ルーミス 著/マール社/2014)

・『人を描くのって楽しいね!』(中村成一 著/廣済堂出版/2019)

・『人を描くのって楽しいね!衣服編』(中村成一 著/廣済堂出版/2020)

【キャラクターデザイン・単純化】
・『The Silver Way』
 (スティーヴン・シルヴァー 著/ボーンデジタル/2021)



絵を描くとき、自分だけは自分の味方で


だいたいの時間を「なぜ私はこんなことを…?」「趣味なのに…?」「誰にもやれと言われていないのに…?」などと うめいて過ごしていましたが
全部ひっくるめて「やってよかったな~!」と思います。

いくつになっても人は成長できる…ということが分かっただけでも2年半を費やした意味はありました。

飽き性の自分が最後まで取り組み続けることができたのは
ジェスドロに出会うきっかけとなった砂糖ふくろう先生、
リファレンス動画の素晴らしいモデルの皆さま、
そして地味で孤独な日々の日課を見守って下さった方々のお陰です。

特大の感謝を込めて BIGLOVE!

ここまでお読みいただき誠にありがとうございました…!

(あと、100ドロがまだ全然終わっていないので残りもゆるっと頑張りたいと思います)

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