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ジェスチャードローイングのすすめ

初めまして、イラストレーターのふるりと申します。
私は4年ほど前からイラストを描き始め、練習を始めました。
クロッキーやデッサン、色んな練習に取り組みましたが、ジェスチャードローイングに出会ってから見える世界が変わってきました。
ジェスチャードローイングとは何か、その練習をして何に気付きどう変わったのか、書いていきます。

ジェスチャードローイングとは何か?

まずは、ジェスチャードローイングとは何か?
「印象(ジェスチャー)を大切にドローイングをする」
ことを言います。
モデルさんの動きやポージングから印象を受け取り、その印象を活かしたまま短時間でスケッチをするための技法です。
(明確な定義はありません、先人達のドローイングから感じる私の一意見です)

クロッキーはアウトラインを追うドローイングですが、ジェスチャードローイングはアウトラインより印象を大切にして、ドローイングをしていきます。

印象を捉えるとはどういうことでしょうか?
まずはそのポージングから得られるフォース(強さや勢い、エネルギー)をアイデアとして採用します。

ラインオブアクション

まず、アイデアの一つとしてラインオブアクションがあります。
目の前のポージングから感じられるエネルギーを一つの線で表します。
これは一番印象を強く感じたところに自分なりに引く線です。

リズムとフロー

次にリズムとフローです。
クロッキーのように線を追うのではなく、曲線と直線を使い、非対称になるようにドローイングしていきます。気持ち良くエネルギーが流れるように線をデザインしていきます。

ラッピングライン

構造を包み込むように描くラインのことをラッピングラインと言います。
服のシワはラッピングラインで入っていきますし、構造を理解する上で大切です。またラッピングラインを描けるようになると、前後感やパースを伝えられるようになります。短時間で印象を伝えるためにとても大切な線です。

ジェスチャードローイングについてはまだまだ語り尽くせませんが、クロッキーとの違いは何となく分かって貰えたでしょうか?
ジェスチャードローイングは、感覚と思考の獲得とも言えると思います。
以上のことを踏まえてポージング動画などを見て練習することをオススメします。
練習は30秒1分2分、長くても5分がオススメです。
短時間で沢山描く!質より量!です!
毎日10体描き続けると、世界が変わってきます!

ジェスチャードローイングのおすすめ講座&書籍

8つ勉

私が初めてジェスチャードローイングを知り、受けた講座は栗田唯さんと砂糖ふくろうさんが行う「6つ勉」という講座でした(2020年12月)。ジェスチャードローイングを含む6つの勉強法を教えてくれる講座で、今は「8つ勉」という名前になり、内容も年々グレードアップしています。
定期開催ではないので、砂糖ふくろうさんのTwitterをチェックするのをおすすめします。
とにかく楽しい講座で、絵を描く人全員に一度は受けて欲しいと思う、そんな講座です。また、お二人の描くドローイングが本当に素敵で素敵で…憧れが止まりません!

「はじめてのジェスチャードローイング」ふくろう書店

8つ勉はすぐに受けられませんが、こちらは砂糖ふくろうさんが動画を販売してくれています。私は6つ勉のあと、すぐにはジェスチャードローイングを理解できず、砂糖ふくろうさんが個人で開催されているお絵かきワークショップ(2021年5月)に参加し、徐々にジェスチャードローイングを理解していった感じでした。こちらは初級編で、他の講座もアーカイブで販売してくれています。BOOTHも是非チェックしてみてください!
本当にどの講座も楽しく、ジェスチャードローイングの全てが詰まっています。

リズムとフォース

ボーンデジタルさんから発売されているマイケルマテジさんの「リズムとフォース」です。とにかく、マテジさんのドローイングの格好いいこと!
予感を感じる、余韻を持たせてくれるドローイングとは何かが、絵を多めに分かりやすく書いてあります。ドローイング集としても楽しいです!

マイケル・ハンプトンの人体の描き方

こちらはジェスチャードローイングに必要な美術解剖学が詰まった一冊になっています。ハンプトンさんの解剖学とデザインは美しくて…うっとりです。模写をするのもオススメです!

たてなか流クイックスケッチ

現役アニメーターの立中順平さんのクイックスケッチ方法が、ジェスチャードローイングと供に解説されています。ラフなのに伝わる動きのあるドローイングはどれも魅力的で、私も描けるようになりたい!!と思わせてくれます。
また、YouTubeで描き方も解説してくださってるので合わせて読むのがおすすめです。
個人的には中に書かれている「コラム」が凄く好きで…読むといつも新たな発見があります。

ジェスドロパーティー(ポージング動画)

モデルさんのポージング動画は、ジェスドロパーティーさんの動画をおすすめします!モデルさんが色んな衣装でポーズを取ってくれています。クロッキー動画とは違い、アウトラインを追いにくくなっています。印象を描くジェスチャードローイングにピッタリです!twitterでは静止画も載せてくれています。毎週木曜日に更新されています。

ジェスチャードローイングを練習して変わったこと

ドローイングの変化

2021年3月から、自分のドローイングを変えたくて、毎日10体を目標にジェスチャードローイングを始めました。
こちらがその時のドローイングです。

こちらが3ヶ月経った(5月)ドローイングです。
徐々に構造が見え始めてきました。

半年経った(8月)ドローイングがこちらです。
構造を端的にドローイングで描けるようになってきました。

9ヶ月経った(11月)ドローイングです。
着衣への理解も深まってきました。

12月にはスーツドローイングにも毎日チャレンジしました。

どうでしょうか?
まだモデルさんらしさが伝わる生きた線は引けませんが、見えてる世界が変わってきたのは何となく伝わりましたでしょうか?

構造が理解できる

ジェスチャードローイングをしていて、一番の気付きは構造の理解でした。人体パースなど頭では理解できても、いざ描こうとなると筆が止まってしまっていました。遠近感の圧縮も、どうしたら伝わるか、分からなかったです。
しかし、ジェスチャードローイングをしていくと、徐々にラッピングラインが見え始め、遠近感がつかめるようになりました。
そして、服のシワの理解や人体の理解が深まり、人を描くのがもっと楽しくなりました。
また、気持ち良く見る人に心地いいドローイングとは何か?をデザインすることの意味がやっと分かってきました。

最近描いた作品です。
(仕事以外)

ジェスチャードローイングのすすめ、総括

ジェスチャードローイングを描いてると、どのモデルさんもポージングも、全てが美しく輝いてるなと思いました。
世界が美しい!
本当に見えてる世界が変わってきて、今、絵を描いていてとても楽しいです!ジェスチャードローイング、本当におすすめです!

また、私事ですが、京都芸術大学通信教育学部のイラストレーションコース「クロッキー着衣Ⅱ」の採点講師をさせて頂いてます。

こちらは2021年11月のコミティアで出した「ジェスチャードローイングの練習記録本」です
※ハウツー本ではないです。
もし気になる方がいらっしゃいましたら是非。
PDF版も販売しています。

また、2022年の5月のコミティアに出られましたら、ジェスチャードローイングの本を描きたいと思っています。
(※追記 2022年9月に関西コミティアに出ました!その時の本もあります)
その時はよろしくお願いします。

また、ありがたい事に、CLASS101+さんでジェスチャードローイングの講座を持たせてもらいました!開講中です!
良かったら是非覗きにきてください。


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