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パラグライダー飛行が叶わなかった話 in白山市 獅子吼高原

白山市の鶴来は、パラグライダーの名所です。
標高650mの獅子吼高原に吹き上げる好条件な風と、海へと続く手取川扇状地の景色が評判で、2年前から気になっていました。

白山市の魅力を知る時

「風と旅する。」

と書かれたポスターが、JR松任駅の橋上通路に貼られているのを見て、私は思わず立ち止まったことがあります。
パラグライダーの翼の広がりが、白山市の上空を飛ぶ様は美しく、刹那の憧れと刺激を感じました。それでも私にとっては別世界の楽しみだと思っていました。

JR松任駅北側

そのことも忘れてしまっていた2023年5月24日、白山手取川ジオパークが、ユネスコ世界ジオパークに認定されました🎉
白山市にとって大ニュースです。

2023年5月24日、フランス・パリで行われた第216回ユネスコ執行委員会にて、遂に、白山手取川ジオパークはユネスコ世界ジオパークに正式認定されました。
(中略)
多雪をもたらす霊峰白山、国際的な地質的価値をもつ桑島化石壁、深く垂直に切り立った景観美を誇る手取峡谷、標高約600mから手取川扇状地を一望できる獅子吼高原、そして白山手取川ジオパークの「水の旅・石の旅」終着点であり出発地でもある日本海など。この地域に根付く地質遺産、自然資源、文化、歴史、産業など「地域の宝」が、世界的に貴重であることが正式に認められたのです。

祝!白山手取川ジオパークがユネスコ世界ジオパークに認定されました! | 白山手取川ジオパーク
https://hakusan-geo.jp/blog/3160/

賑わうイベントを気にすることが多い私も、このニュースは見逃せません。毎日、白山の恵みに生かされているからです。
石川県に2年以上住んでいる者として、白山に関心を持って、外に出ることを楽しむ良い機会です。

何から始めるか悩みます。登山?キャンプ?高山花見?食べることが好きなので地産地消の店巡り?

スカイ獅子吼に行こう

そして先ほどのポスターを思い出しました。

風と旅する。
ゴンドラに乗って。
「風の見える街がある」と聞いて
やってきました。
もうしばらく、ここにいようと思います。

調べてみると、白山市の鶴来、手取川扇状地の始まり辺りに、パラグライダーを体験できる施設があると分かりました。

スカイ獅子吼パラグライダースクールです。

  • 1人でのパラグライダー飛行ができるように練習する1日体験コース

  • プロのインストラクターが後ろで操作するタンデム・フライト

  • パラグライダーのライセンスを取得するためのライセンス・コース

  • 海岸や獅子吼高原でのハンググライダーコース

このように様々なコースに参加することができます。この内1日体験コースとタンデムフライトは、Webサイトからの予約が必要です。

私はタンデムフライトを予約しました。
料金は当時1万円(2023年8月から1万2000円)、それとゴンドラ片道分の500円です。これは全国的に見ても安価だそうで、初体験のハードルを下げてくれます。

雨が降っていたり風が強すぎたり、あるいは風の方向が悪い場合は飛ぶことができないので、天気予報を見ながら予約する日を決めました。

6月18日(日)のチャレンジ

予報では最高気温30℃、風は西4mという好条件でした。

安全装備として、軍手・長袖・長ズボンを持っていくのがお勧めです。
私は長ズボンこそ履いていたものの、軍手や長袖は持って行きませんでした。
軍手は、無ければ無料で借りることもできます。

受付兼事務所の入り口

10時の予約に合わせて、受付の建物に到着です。
昼でもないのに28℃くらいある暑さの中、自転車を1時間も漕いだので、よく汗をかき、ペットボトルの水は早速半分になりました。

フライト予定が立て込んでいるようで、スクール事務所の中で待機。
その間は外の様子を見つつ休みました。

パラグライダーの先人たち

この時写真内を含めて8人が飛んでいて、曇りでも気持ちよさそうでした。

この時は疑いなく、飛べると確信していました。

ゴンドラで高原へ

11時半、ようやく順番が回ってきました。
水分補給をして、スマホなどの荷物はロッカーの中に仕舞い、鍵をかけます。
この後飛んでから受付に戻るまで、トイレはありますが水分補給ができないので、しっかり飲みましょう。

ロッカーの鍵と大きなリュックサックを持ち、送迎車に乗せてもらい、ゴンドラ乗り場まで向かいます。

ゴンドラ乗り場、隣には加賀伝統の木彫り獅子を展示する獅子ワールド館もあります

乗り場の窓口で買うのは、片道切符です。帰りは定められた道ではなく、空を派手に駆けるパラグライダーに乗るのですから。

ゴンドラに、インストラクターと2人で乗ります。荷物もあるので、4人乗りのゴンドラが全席埋まりました。

上がっていると、眼下にはスギの木が生い茂り、地面はほとんど見えません。耳をすませば鳥の鳴き声が聞こえます。

まさかの事態

4分ほど乗って頂上に着きかけた時、インストラクターが声を漏らしました。

「あーだめだね。だめかもしれない。風がフォローだ。」

頂上の吹流しを見て、フォロー、つまり東からの風であることが分かったのです。
このスカイ獅子吼では、西へと走って離陸します。そのため上昇には西からの風が必要です。

ゴンドラを降り、離陸場に着きました。
風が変わるのを待つ他のパラグライダーが5人以上います。しかしすぐには飛べなさそうな雰囲気らしく、世間話をしています。
誰にとっても予想外の変化です。

「今は海だけが暖められてるんだよ。昼になればここも風が来るんじゃないか?」

という話が聞こえました。どうも長い間待つことになりそうです。

インストラクターと相談し、一旦下に降りることにしました。
片道切符を買ったのに、帰りのゴンドラに乗るのは気まずいです。
ただパラグライダー飛行ができない事態ということで、特別にチケット不要で乗せてもらいました。ありがたいサービスです。

風を待つ間に昼食

昼食は、「りんどう」でいただきました。鮎と岩魚の塩焼きで有名です。
パラグライダー受付から、自転車で7分のところにあります。

外観、素敵な古民家

旬のおまかせ定食+岩魚の塩焼きを注文しました。2023年6月時点で2500円です。また、注文を待っている間に、鮎の塩焼き(1100円)も追加しました。

旬のおまかせ定食、岩魚塩焼き付き
鮎の塩焼き単品、骨まで食べられます

多くの山菜料理を一度に味わえます。塩焼き魚が2匹もあるので、いつもなら塩分を気にしてしまいますが、この日は汗を多くかいていたので、むしろ好都合でした。

どれも美味しいので、山菜に興味がある方は是非頼んでみてください。また魚以外に、そうめん定食やぜんざいも人気のようです。

パラグライダー受付に戻る

受付に着くと、着陸場にパラグライダーの姿が!
しかし上空には誰一人、飛んでいる姿が見えません。

受付の人によると、
「風が良くならんから、上の人みんな戻ってきたよ。で今は遊んでる。」
とのことです。
キャノピー(翼のような大きな布)を広げ、腰を大きく落としてからジャンプすると、2〜5mだけ浮き上がり、しかし落ちる。それを何度も繰り返す。
折角来たのに、何も得ず帰る訳にはいかないという未練を感じました。

良い風を得られる保証はなく、思い通りにいかないものです。

パーク獅子吼、奥はふれあい館

この日は諦め、来週の6月24日(土)に再チャレンジすると誓いました。

スカイ獅子吼へのアクセス方法

1週間後の腕、撮影後無加工

車がお勧めです。車で来られる方が多いです。車であれば金沢市街から30分ほどで着きます。
暑い時期なのに、自転車で1時間もかかるのに、私は何故か日焼け止めを塗りませんでした。。。

車が無い方は、北鉄石川線の鶴来駅から送迎してもらうこともできます。予約時にその旨を伝えてください。

終わりに

長くなりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございます。

飛べないまま夏を迎えたくない!
2回目のチャレンジの記録は、以下の記事をご覧ください。


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