見出し画像

パラグライダーで、世界に認められた手取川ジオパークを眺める in白山市 獅子吼高原

この記事は、前回「パラグライダー飛行が叶わなかった話」の続きです。

白山手取川ジオパークは、2023年5月24日に、ユネスコ世界ジオパークに認定されました。

その景色を眺めながら、パラグライダー飛行を楽しめる施設が、白山市の鶴来(つるぎ)にあります。
スカイ獅子吼(ししく)パラグライダースクールです。

前回同様タンデムフライトを予約したので、インストラクターと2人で空を飛ぶことはできるのか?再チャレンジしました。

6月24日(土)のチャレンジ

15時からの予約です。

予報では、15時の気温は25℃、風は西3mという好条件。
しかし1週間前は予報外れの東風でしたので、飛べるという確信は持てません。

念の為予約時間の1時間前に、パラグライダースクールに電話して風の状況を確認してもらいました。
「今日は飛べるよ。今も飛んでる人いるからね。」
とのことです。

暑い中到着

電話の後、すぐに家を出ました。
暑いです🥵
パラグライダー飛行においては、長袖の服を着ることが推奨されています。
着いてから着替えるのは面倒だと思った私は、蒸し暑い中なのに、長袖で1時間ほど自転車を漕ぎました。
そしてパラグライダースクールに着く頃には、背中一面、そして肩が汗で濡れていました。

スタッフやインストラクターの方は、まず温かく迎えてくださりました。ところが背中を向けると、その汗に驚かれ、話のネタに。。。

タンデムフライトの体験料1万円(2023年8月から1万2000円)と、ゴンドラ乗車料の500円を支払いました。

受付の建物内では、体験に関する説明を受け、誓約書を記入する必要があります。
私は先週済ませているので、省略となりました。

ゴンドラで高原へ

ゴンドラ乗り場に移動すると、受付に戻るまで水分補給ができません
脱水症状にならぬよう、ペットボトルの水をがぶ飲みします。500mlの半分以上が一度に無くなりました。

持ち物はロッカーの中に入れます。
その鍵と大きなリュックサックを持って、送迎車でゴンドラ乗り場まで向かいました。

スカイ獅子吼ゴンドラ乗り場前

ゴンドラ乗り場に到着したら、片道切符を買い、インストラクターと2人で乗ります。

ゴンドラで移動中

空は曇り、鳥の鳴き声は先週に比べて静か。ですが窓の向こうに、パラグライダーの姿が見えました!

獅子吼高原から見る鶴来町、河内村、鳥越村

ゴンドラに乗ってから4分後、離陸場に着きました。
空は灰色の雲が覆っていて、先週よりも低い位置にあるため、大きな天井のようでした。

白山市の鶴来より奥を見るのは初めてです。
2005年合併の以前で言うと、鶴来町、河内(かわち)村の北部、そして鳥越(とりごえ)村が見えます。

山々の間、わずかにある平地部分は川と田と民家が占めています。水の恵みは集落を作り出す、というのがよく分かります。

離陸場での指導

インストラクターに案内されて、ゴンドラ乗り場から外に出ると、すぐに離陸場に着きました。

離陸場と手取川扇状地の景色

離陸場は西方向に開けています。日本海側から吹く風は、山肌に沿って上昇気流となります。

この時の吹流しは、西の風を示していました。
離陸決行です。

飛ぶ時に広げる大きな布が、地面に敷かれていました。それはキャノピーと呼び、歩くときは踏まないよう注意が必要です。
鮮やかな黄色と赤色は、私の好きなオムライスを連想させます。
熟練のスタッフが予め調理準備してくださったようです。

そしてヘルメットを着用し、軍手をはめ、パラグライダーとリュックを体に固定します。
タンデムフライトですので、インストラクターが後ろに付きます。装着作業を効率よく行うため、もう一人のスタッフも補助していました。
お陰様でスムーズに準備が進み、装備は整いました。

飛ぶ直前に、インストラクターと補助スタッフによる指導があります。
離陸の仕方についての実践的な指導です。

「強い向かい風に負けないように、前に体を倒して走ってください。一歩一歩、力強く地面を踏んで、続けていると体が浮いていくんですけど…」

キャノピーが広がり始めた瞬間、風の抵抗が強くなり、後ろに引っ張られます。それに負けないように、質量と足の摩擦力で踏ん張り、体を前に傾けて進むのです。
鳥が飛ぶ瞬間に最もエネルギーを消費するのと同じで、パラグライダー飛行は離陸時が一番疲れるようです。

「続けていると体が浮いていくんですけど、それでも歩き続けてください。時々すぐに飛べなくて、地面に戻っちゃうパターンもあります。」

つまり鳥になる前にマイク・パウエルになれ、ということです👣

テイクオフからの上昇

指導の時と同じように、風に抗うように走ります。
走った先は急勾配の下り坂で、このまま加速して、いつか転げ落ちて怪我しそうと思ったその時、足が離れました。

浮き上がって15秒後、もう5m以上上昇しました。良い風を捉えている証です。

さらに10秒後、パラグライダーは旋回を始めました。高さは離陸地点から10mほどです。

11m前後が、人が最も怖いと感じる高さと言われています。
ですが「怖い」のは、その高さで止まっている時か、落ちている時だけだと思います。

バンジージャンンプを体験したことのある方は、飛び降り前と落下中に怖さを感じた一方で、ロープの縮みで上昇している時に、アドレナリンの高まりで楽しい気分になったのではないでしょうか?
その感覚が1分以上続き、ホーーーーーーーーーーーーな気分になれるのが、パラグライダー飛行の良さの一つです。

今、体は風で浮き上がっていて、心は爽快感で浮き上がっています!

時々インストラクターがカメラで撮影してくれます

浮き始めて3分後、離陸地点から50m以上高く上がりました。
雲がさらに近づいて、霧状なのが分かります。キャノピーが雲に触れそうです。

「かほく(市)の方まで見えますよ。」
「天気が良ければ羽咋(はくい市)も見えます。」
遠くを見ると、線のような砂浜が西へ北へ続いているのが分かります。

広い海を実感したけれは空に行くのが良い、という新発見です。

風と旅する

高さを保ちながら、鶴来駅の周辺まで移動しました。

風の音がずっと耳を響かせています。
西から吹き続けているのに、西方向に進むことができるのは何故だろうと、原理が気になります。

鶴来の街に向かっていきます。

車が点のように小さく、真下を通り抜けていきます。

黒っぽい屋根の民家が多いですが、中にはガラス屋根の、大きな建物もあります。
「石川県ふれあい昆虫館」です。蝶々がいるエリアの、屋根がガラス製だったのを思い出しました。

昆虫は間近で見れば昆虫サイズ、しかし上空から見れば細胞サイズでしょうか、何も見えません。

気まぐれサービスとして、手取川の真上も飛ばさせてもらいました。
上空なのに足が掬われそうな恐怖感、、、小雨の時期でも手取川の迫力は健在です。

着陸

手取川から折り返し、降下しながら鶴来の街を再び旅します。
上空200mほどまで下がり、公園で遊ぶ人たちも、点のようながら見えます。

パラグライダーの着陸場も近づいてきました。受付の建物のすぐ隣です。
着陸場の上で旋回しながら、さらに地面に近づいていきます。
高さは30mほど、まさにトビです。

「じゃあ走りながら着陸しましょうか。」
と指示がありました。

着陸の方法は基本的に2種類あります。
一つは走りながら、こちらはある程度風があり、向かい風によって走る速さまで減速できる状況において選ぶ方法です。
もう一つはソリのような尻滑りです。風が弱いとパラグライダーの速度を抑えにくくなるためです。リュックの下側がソリの役目を果たすので、痛くはないそうです。

飛行機の着陸よりは深い角度で、進入していきます。

15〜20分ほどの飛行は、走りに始まって、走りに終わりました。

初めて飛んだ感想と感謝をインストラクターに伝えます。
つい、身振りを使って喜びを表現してしまいました。普段は頭も動かさないのに。

「あの来世は鳥になりたいって先週言いましたけど、今のでもう満足です!あ、やっぱり晴れた日にまた飛びたいです!」

終わりに

長くなりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございます。

刺激が足らない方にお勧めです。2023年8月から1万2000円になりますが、それでも全国的に見れば安いと思います。

2023年シーズンのタンデムフライトは、11月26日(日)までです。
詳しくは公式サイトをご確認ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?