ドン書き殴り雑記2
ソノイから見たタロウと、タロウから見たソノイってまたちょっと何かが違う気がするんだよなー。スタンスが。
ソノイ視点だとどこかアマデウスみがあるというか。特にFLTソノイが。サリエリ・ソノイ。てかWブルーってサリエリ枠かな。モーツァルトへの対応の差で深みを増すWブルーの味わい方。ソノイはモーツァルトを神、猿原さんはモーツァルトを人間として見ようとしてる気がしなくも無い。種族的にも。
ソノイ自体もかつて神のいた世界から墜ちて、猿原さんも人間の世界から神を見上げている人だから、どちらも似たような位置にはいるんだけど。似て非なる者同士というか。実際すごく仲良くなれるだろうけど、でも彼らの担当はあくまでモーツァルトだから。モーツァルト・タロウの。
ソノイってタロウの美しいところを重点的に見てるはずなんですよね。市民を無条件に助ける善良さ、圧倒的な強さ、嘘をつけない誠実さ。ソノイの好きな清廉潔白という言葉に相応しい男としてね。で、ドンノーで初めて俺の一票は百票だという傍若無人さを見てる。んですけど、結局48話でチームワークを引き出すためだったんだなみたいな犬塚の総評があるから、あの傍若無人さをも作戦の一部だと結論づけた可能性もあるなって。流石私の認めた男だ、って。
……でもそしたらWブルーで話してても桃井タロウ論で結局言い争いになるかもね。猿原さんはタロウの傲慢さを前提とした上で美徳を語るけど、ソノイはタロウの傲慢さを実害として知る前にシロウサギがきちゃったから。そしてFLTへ……。FLTも史実とは異なるかもだけど、ソノイの性格が著しく破綻してる訳でもないから。ストレスに晒された場合FLTのようになって、正しく成長するとドンゼンみたくなるというか。エアグラムタイプ1の人。
またソノイの話になっちゃった。違う、タロウ。タロウがソノイをどう見てるか。
ただ、正直に言うとわからない。私はだってモーツァルトになったことないんだもの。ノンギフテッド。だが妄想は出来る。
隣に並んでおでんが食べたかった人ってのはそうなんだと思います。タロウにとってのソノイは。つかタロウとしてはいつでもウェルカムだったんじゃないかな。元々敵だの味方だのってこだわりあんまりない人だし。
天才に対して強い感情を持つのっていつだって凡庸サイドだと思うんですよね。天才サイドは生まれたときからそうだった人だから、才能自体に対する感情ってあんまりないはずなんですよ。生まれた時から呼吸できるから息を吸って吐いてたら「なんでお前は呼吸ができるんだ!!」って突然いちゃもんつけられた感じだと思う。理不尽さで言えば。
初期のソノイって、タロウの受ける理不尽さに寄り添ってくれる人だったと思うんですよ。天才の気持ちを分かってくれる人というか。安心感があったんだと思う。「もう少し呼吸を抑えろと怒られた」って言ったら「呼吸が浅い人もいますからね。でも私はあなたの呼吸が好きですよ」って返してくれる人。なんだこの会話。
このままのソノイで居たらいつか隣り合っておでんを食べれたかもしれないけど、タロウの呼吸力がやっぱり凄くて、どんどんソノイがアマデウス化していっちゃうんですね。命を救われたことがトリガーで。まぁタロウがやろうと思ってやったことではないけど、結果的にね。
そこからソノイの感情は面白いぐらい変化していくけど、でもタロウ自体はソノイに対してずっと変わってない気がして。決闘しようと言われれば仕事終わりでよければ決闘するし、交換した布もちゃんと持ってるし、騙されてキューブ化されたけどまぁそのあと助けてくれたからチャラだろうと思ってるだろうし。殺されかけようが宿敵だろうが、いつかおでんを食べたいと思っていた人からそんなに変わってないような感じがあって。
ソノイがおでん食べに行こうって言ったら、タロウは普通に行ったんじゃないかなー。
タイミングによっては猿原さんとはるかちゃんが怒るから、黙って行くことになるんだろうけど。逆に言うとどんなタイミングでも、誘われたら行ってたんだと思う。明らかに罠の葬式にも行くし、どうぞって言われたら怪しいラーメンも食おうとする男だし。
でも倒すべき相手を倒したらおでん食おうって約束をしちゃったもんだから。タロウはそこまで気にしないかもだけど、ソノイが気にするんだろうね。清廉潔白完全主義だから。ソノイがソノイである限り一緒のおでんは果たせぬ約束になってしまったけど、でもおでんを贈ることはできるってのがドンゼンでソノイが出したタロウへの結論だったんでしょうね。幸福を願うってのと同義の。
……ドンゼンを踏まえると、本編のタロウとソノイってお互いに相手に何かを求める関係性だったのかもなぁ。欲しい感情や、欲しい言葉があるから会いに行くって感じの。それでいうとタロウのが顕著だったけど。会いたいに明確な理由があるというか。
だから多分、相手が自分の欲しい言葉や態度を返してくれなかったときにちょっとおかしくなってたんだと思う。FLTの激重ノイちゃんとか、最終回のおでん屋台で自分だけは忘れられないだろうと思ってたのに忘れられてしまった時とか。タロウは大体欲しい言葉をソノイから貰ってたと思うけど、ドンノーの時にソノイの反対意見受けたときわざわざ立ち上がるぐらいキレてたから。
あそこさ、比較的やんわりとした反論だったのに「俺に逆らうのか?」つってタロウ割とマジギレしてなかった?猿原さんに参考にならないって軽く暴言吐かれた時はそうでもなかったのに。「どうかと思う」よりも「参考にならない」の方が圧倒的に逆らう度高くない?
まぁこれまでの経験と慣れの差もあるんだろうけど。タロウは割とソノイに甘い対応してるイメージあったから結構びっくりした。めっちゃ怒るやんって。肯定してくれると思ってたんだろうね、俺の一票が百票を。
ソノイ自体のキャラクターとかそういうものを一旦置いて、物語としてのすっっっごい大きな括りで見ると、彼のロールはタロウの成長を促す人になるのかも。成長の場に送り出す人と言っても良いかもだけど。死ぬ必要があるのかどうかはわからないけど、でもあれ以上がないのは多分その通り。最上から歪みまで、今やれること全部やりきった人だから。驚異の熱量で。
……いやでもドンゼン後の清く正しい心のまま彼が生きていたら、それこそタロウはずっと月ノミゾフィールドに囚われてしまうよね。ソノイの近くは彼にとって自分を脅かすことの無い安全な場所だから。ドンブラザーズをタロウの成長の物語だとすると、やっぱり卒業が必要になってしまうんだろうね。安全な場所にいながら成長することって無いわけですから。ヨーダだってルーク・スカイウォーカーにフォースの全てを学習させた後に役目を終えて亡くなるし。
だからこそキンドンのタロウの成長譚が楽しみで楽しみで。ずっとキンドンがあること前提にしてるけどさ。いやでもこの感じでなかったら詐欺だよ。タロウの物語、まだ終わってないもの。
てか48話の話しようと思ってたのに、全然できなかったな。