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ドンゼン感想:桃谷ジロウ編

ドンゼンってなんだかんだジロウくんの映画だったんだろうなって。どちらかというと良い意味で。竜になる物語としてね。

タロウに用意された物語は桃太郎だけど、ジロウに用意された物語って西遊記だと思うんですよね。だから、ジロウくんにとってのドンブラ本編とドンゼンは多分西遊記の物語の一端なんじゃないかなって。

しかも多分、物語が始まる前の。

西遊記って孫悟空が三蔵法師に出会って物語が始まるから。
ルミちゃんが三蔵法師かと思ってたんですけど、ルミちゃんって確か馬トレーナー着てたから、三蔵法師はひかりちゃんの方だったんでしょうね。

これひかりちゃんの登場のさせ方がすごくてさぁ。朝田ひかりちゃんって、多分おまわりさんである朝田巡査の娘さんじゃないですか。で、寺崎さんが駐在さんだってことを考えると、朝田巡査と寺崎さんが勝手に繋がるわけですよ。警察組織として。そうすると、寺崎さんがひかりちゃんと会っている可能性が出てくる。そして寺崎さんは獣人のコピー能力を持ったドン家。

鶴の獣人が夏美をほぼ完璧にコピーしていたように、ジロウくんが見ていたルミちゃんの幻も、実在するひかりちゃんがほぼ本物に近い精度でコピーされていた可能性があるわけです。つまり「夢だけど、夢じゃなかった!」みたいな。なんかマジックでも見てる気分だった。いると思っていた人間が消えて、かと思えば違う場所から同じ性質を持った人間が出てくるという。なんなのこのバグ技みたいな神業。

てことは、三増も八会も佐五も実在している人間がコピーされていた可能性があるってことですよ。

ひかりちゃんという三蔵法師と出会った今、孫悟空であるジロウくんがドンゼンの後でやることと言えば?
そう、西遊記の物語同様に三増と八会と佐五を仲間にして、天竺を目指す!

これが多分ジロウくんの本来の物語なんじゃないかなーって。

だからと言ってドンゼンであんなにヒールにする必要はないだろうって?

それがあるんですよ。西遊記ってそういう物語だから。孫悟空って最初すげーやんちゃもので、散々暴れ回った結果お釈迦様にブチ切れられて五行山という馬鹿でかい山を重しにして、五百年放置されるんですよ。三蔵法師に出会うまで。

だからちょっとメタ的だけど、西遊記の物語として考えるとひかりちゃんという三蔵法師に出会うまで、誰もジロウくんを手助けするわけにはいかないんですね。放置される必要がある。長い間。それが西遊記での孫悟空の役割だから。

まぁ私も「……え?」ってなってたけど。本編の描かれ方だけだと。彼が一体何をしたっていうんだ……!?って。これ書いててようやく「そういうこと!?」ってなった。今が一番感想書き殴ってて良かったって思ってます。これ書くまでジロウくんのことがよくわかってなかったから、やっとすっきりした。彼はタロウとは違う形でこれからドンを目指していく人なんだなって。

最後に、これ当たってても当たってなくてもストーリーにそんなに関係ないだろうからひとつ予想しときます。彼、キンドンでプロレスラーになるんじゃないかな。

あんまり自信ないけど、もしも当たってたらちょっと笑っちゃう。マジカルバナナみたいで。