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最高の仲間の作り方

パリ五輪に向け、サッカー女子日本代表がフランスに出発したとのこと。先日、石川県で行われたガーナ戦で久しぶりに90分を通じて試合を見たが、もはや澤穂希を超える存在感さえ漂う長谷川唯、三苫ばりの突破力と中村俊輔を彷彿とさせるフリーキックを身につけた藤野あおば、五輪での大ブレイクを予感させる浜野まいかなど、間違いなく史上最強のなでしこジャパンが完成しつつある。

昨年のワールドカップでは、予選で膨らんだとてつもない期待が、決勝トーナメントで呆気なくスウェーデンにつぶされ、大いに落胆したものだが、今回こそは結果を残してほしい。

「大会への準備段階から、仲間やチームと過ごした時間はとても充実していました。」

「チームとしての一体感があって、みんなでよく笑い合っていて、心の底から、このチームで1試合でも多くサッカーをしたい、というモチベーションが常にあったんです。」

最終予選前のインタビューで、キャプテンの熊谷選手はそう語っている。レギュラーもサブも、ベテランも若手も、勝利のために自分自身にできることを精一杯やり遂げることで生まれる一体感。それこそが、最大のストロングポイント、というわけだ。

しかし本当にそうなのだろうか?メンバー18名のうち11名が海外組。海の向こうで自己主張の重要性を痛いほど味わっているメンバーが集まって、全員仲が良いなんてことがあり得るのだろうか? 

確かにTV画面の向こう側からは、彼女たちの仲間を想う気持ちはよく伝わってくるし、強い結束力が無ければ、あそこまでタフな予選を闘いきることはできなかっただろう。しかしそれでもなお、日々ワールドクラスのいがみ合いを見聞きしている私としては、にわかには信じられないのだ。

そう、私が統括する店舗の従業員は、店長を除きほとんどが女性のパートタイマーなのだが、彼女たち全員が仲良く働いている店舗など、皆無に等しい。朝番VS夜番は鉄板だし、エース級の二人が、自分が真のエースであることを認めさせるため、派閥を作りお互いの足を引っ張り合っている場合もある。そこまで露骨な対立はないように見える店舗でも、陰では不満を言い合っていることがほとんどだ。

おそらくどんな職場にでも同じような問題はあるのだろう。が、時間帯ごとにやるべき作業が大きく異なり、さらに社員の目が行き届きにくいお店の仕事では、より顕著に表面化するのかもしれない。

「朝は掃除やって荷物運んで体力的にきつい作業多いのに、夜はお客さんも減って楽な作業ばっかりで不公平ですよ!」

「あの人全然動かないし、何か分からないことあったらすぐ人任せにするし。これで時給一緒なのは納得できません!」

要は、同じ給料同じ待遇で雇われているにもかかわらず、仕事内容や能力に偏りがあるのはおかしい、という理屈だ。もちろん言いたいことは分かるし、我々としても、作業習得度に比例した給与体系みたいなものを考えなければならないのだろう。

ただそれにしても、もう少し仲良くやってほしいわけだ。せめてお客さんの前では。気に食わない奴もいるんだろうけど、もう大人なんだから。

1店舗の10人でさえも、従業員をまとめ上げるは至難の技だ。何度心が折れたことか。そういう意味では、知名度も実力も年代もバラバラな18名のメンバーを束ね、さらに結果まで出した熊谷選手のマネジメント能力は、もっと評価すべきものなのかもしれない。

ぜひ、最高の仲間の作り方について、アドバイスを頂きたい。ついでに私の娘にインサイドキックでも教えてくれたら、なおうれしいです。

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