父の思い出
父が召されて、来月で3年になります。
いろんな手続きを、ひたすらひとりで続けた日々。
今はもう、すっかりそんな日々のことは忘れて、母となんとか2人で暮らしています。
父は、優しい人だったけど、孤独感の中にひとり閉じこもる、お酒の好きな人でした。
晩年は外出するたびに、お酒を飲んで倒れ、救急車のお世話になり、母やわたしを常に悩ませていました。
一緒に救急車に乗った回数は、両手の指で数えられません。
そのたびに救急隊員の方々が、父に優しい言葉をかけて下さったので、今も救急車を見かけるたびに、感謝の気持ちで見送ります。
生前の父に対して、わたしはいろんな感情を抱えていました。
しかし、わたしが遺影に選んだ父の写真が、元気だった時の自然な笑顔の父の姿だったので、今は父に対して優しい気持ちになれました。
認知症の母は、たまに「お父さんどこ行ってるん」と言うので、父が召されたことはまだ、母のこころの中では、ぼんやりしているみたいです。
父と暮らしていた頃は、父のこころが分からず、どうやって関わったらよいのかと悩んでいました。
けれど今は、父が家族を支えていてくれた責任感のようなものをわたしも担う立場になり、父に感謝できるようになりました。
とうちゃん、今までありがとう。