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アニメ「ひぐらしのなく頃に解」【”厄醒し編”感想】二度と会えないんだよと言ってやりたい

今回の「厄醒し編」はアニメオリジナルの話。なので、アニメそのものを見ることでしか振り返ることができないために、とても新鮮な気持ちで見ることができた。

最初はいつものようなワイワイと楽しい部活メンバー(+詩音)のシーンから始まる。それでいて、ここの詩音はしっかり悟史の言葉通りに沙都子をとても大切にしているのがとても微笑ましく映る。

やがて話は梨花、そして沙都子にスポットが当てられた上で話が進んでいく。そんな中、梨花と沙都子が買い物に行くが、沙都子が北条の人間であるというだけであからさまに無視されるという場面がある。そのことを沙都子は「気にしませんわ」と言ってはいるが、梨花は当然その通りには受け取ることはできずに思い悩む。そして夜中、梨花は姿なき”誰か”と話す際に「また殺される」と言い放ったことを寝ていたはずの沙都子に聞かれるが、夢だと誤魔化してしまう。とてもそうは思えず思い余って沙都子は魅音たち部活メンバーに相談するのだが‥。

…といった具合に、相手を思いやるがゆえに梨花と沙都子がすれ違っていってしまうのは見ていてとてもつらくなる。その上、富竹はいつものことだが、部活メンバーまでもがいつもよりも勘が鈍過ぎた(レナでさえ最後でやっとで気付いたかもしれない程度)。もちろん、彼らも沙都子を心配することはするが、彼女の訴えをしっかり受け止めようとはしなかった。そのために沙都子がひとりで奮闘する場面がずっと続く。梨花は梨花でそんな彼女を見てもすっかりあきらめの境地に入ってしまっていて、見ているこちらはイライラさえしてしまう。その後の詳細は省くが、結局村人たちは沙都子を除いて全滅した挙句になんとも後味の悪い結末を迎える。

この話は先でも書いたが、アニメオリジナルの話だ。だが、原作にあったとしても何ら違和感がないくらいに仕上がっていると言っていいのではないだろうか。そのぐらい力量の大きさがありありと伝わってきた。そして、沙都子の良さが最大限に見えた話でもあるが、それだけに悲しい話で終わったのがとても残念でもある。圭一たちもそうだが、せめて梨花だけでも(そしてこの時点では見えない”誰か”も)ちゃんとこの世界での沙都子に向き合っていればと思えてならない。

ニコ生放送当時のコメントでもあったが、沙都子との別れ際に言い放った、
「またすぐに会える」
という梨花の言葉も残酷でしかない。梨花はそうかもしれないが、この世界の沙都子はもう梨花に二度と会えないのだ。何を勝手に諦めてるんだよって言いたくなる。この話は珍しく誰かが狂鬼にはまみえたことで起こった悲劇の物語ではないが、それゆえにある意味では最低最悪のバッドエンドとも言えるかもしれない。

こうしてオリジナルの話を終えて、次はいよいよ原作にもある「皆殺し編」に突入する。一見物騒な話に見えるが(実際にそうでもあるが)、なかなかどうして胸が熱くなる話だ。アニメで見るのはひさしぶりだが、新たな気持ちでしっかりと見ていきたい。

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