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キノコ音学校 #9 セミナー&ライブ 「モータウンの世界リバイバル」

 2024/2/3 に横浜 mint hall で開催された、Nostalgic Orchestra 主催のキノコ音学校 第9回を昼夜受講してきました。こちらの公演、2019/11/3 に開催された #5 モータウンの世界のリバイバル公演となっています。

その時の記事はこちら。

 前回はいろいろあってレポートが遅くなった模様ですが、今回は気合十分、覚えてるうちにさくさくっと行きましょう。

  今回の出演者は…
ゲスト 香里有佐 様
Nostalgic Orchestra
ボーカル 藤本記子 様
ギター/キーボード 福富雅之 様
ドラム:岡山たくと
ベース:石綿亮
サックス:後藤天太

 はい、モータウンという事でこーりー再びです。今回の衣装がそれはもう可愛くてですね…。普段割とゆったり目の服でいる姿かライブ衣装しか見てないので、すごく新鮮だった。可愛すぎて目が潰れるとはこのことか。昼の部は整理券が13番で実際には10番目の入場だったので最前だったんですが、何の気なしに座った席がまさかのこーりーのど真ん前で、1.5mの距離から推しを拝む事となりました。あまりの可愛さに直視できなかったよ。

 …こほん。推しの可愛さを語ると終わらないので先に行きます。ドラムの岡山さん(ユニバース!)は歌劇ムーラン・ルージュなどでドラムを演奏されています。Xで演奏している姿を拝見できますが、必見です。
 ベースの石綿さん(スイング)は、今回初めて演者側で出演とのこと。えええーー? あんだけベースギュインギュイン言わせてたのに…? アフロ先生の配信の先生でもあるそうで。Xを見るとかなりの配信現場にかかわられていますね。
 サックスの後藤さん(マジスパ!)は石渡さんからのご紹介で。キノコ音学校初となるサックス奏者ですが、めちゃくちゃカッコイイ…! Xでは演奏とともに料理の写真が大量に… おいしそうなんだこれが。

 今回の主題となる「モータウン」。ベリー・ゴーディ・ジュニアによりアメリカのデトロイトに設立されたレーベルです。名前の由来はデトロイトの主要産業である「Moter Town」の略。黒人の超有名アーティストを多数輩出しています。Stevie Wonder, The Supremes , The Miracles, Jacson5…名前だけは聞いたことのある方も多いと思います。Jacson5 はあのマイケルジャクソンを含む兄弟ですね。(MJ自体は途中で離脱していますが…)

 前回のセミナーでもあった、モータウン・サウンドの特徴である

 ・タン・タン・タド・タド(頭打ち)
 ・2Beats

 このリズム、J-POPにも大量に入ってて、#5のセトリを見るとネタバレになっちゃうんだけどあの曲もこの曲も実はモータウンの影響受けてるという。この辺りは前回のセミナーレポートにも書いたので割愛。(そっちを見てね!)

 そして、モータウンの特徴的なところといえば
・自社レーベル
・アーティストを発掘・育成・教育
・スタジオミュージシャンの先駆け
 この3つが印象に残った点でした。自社レーベルは今でこそ当たり前でしたが、昔はレコード会社と事務所が別なんてことはざらで、レコード会社に利益を持ってかれて思うように儲からないと。なら自分でレコード会社と事務所をやればいい、という発想に至った点がすごいと思います。(創設者は自動車工場のライン工をしている際に音楽で同じことをできるのではないかと思い至ったそうで、天才か?)

 また、アーティストの発掘・育成・教育も現代日本だと割と当たり前なところがありますが、モータウンの興った1960年代は白人に比べて黒人の地位は低く、また貧困層も多かったためいわゆる社会的マナーを学ぶ機会がなかったので、いわゆる花嫁学校的なマナー教育を行ったそうです。なんかキングスマンみたいだ。Manners make the man.ってね。

 そして最後のスタジオミュージシャン。モータウンのサウンドはそのほとんどが「Funk brothers」と言われるスタジオミュージシャン達によって演奏が行われています。CDのクレジットに演奏した方が書いてあることが多くって、結構誰が演奏してるとか見てたんですが、キノコ先生がサブスクになっちゃってクレジットがないので見てもらえない…!と嘆いていました。素晴らしい曲を演奏してくれる方も大事にしたいですよね。奏でる方がいないと曲は成立しないわけで。

 夜公演はなんと出張版キノコ実験室という事で、打合せなしの「シンガソン」をモータウンサウンドにアレンジするというアフロ先生の本業を見ましたが、普段打ち込みでやってるときは自分が4人いたらすぐ終わるのになあ…という事で、その場で各パートにこんな感じで、と無茶振りしてアレンジするというセッション感ある大変楽しくてすごい現場を見ました。現場あるあるなんだよー。とアフロ先生は言われていましたがいやそれにしたってオーダーする方も大概だけど演奏する方も大概だよ(笑)。あと打ち込みあるあるで「こんなの演奏できねえよ!」と言われることがよくあるとか。なんかこの話、祖堅さんからも聞いたな…ティンパニが腕3本ないと叩けないとかね。

 そんなモータウンが生み出した、素晴らしい楽曲やそのエッセンスをちりばめた楽曲、当日の演奏されたセットリストは下記の通り。(リンクはSpotify)

  1. Dreamgirls / The Dreams

  2. You can't hurry love / The Supremes

  3. モータウンメドレー~2024~
    Diamonds / PRINCESS PRINCESS
    Happiness / ARASHI
    太陽は罪な奴 / サザンオールスターズ
    歩いて帰ろう / 斎藤和義
    ヨドバシカメラの曲
    Maji で Koi する 5秒前 / 広末涼子
    キミがいる / いきものがかり
    Shuffle / My Little Lover

  4. Higher Ground / Red Hot Chili Peppers
    (Original : Stevie Wonder

  5. Love Machine / The Miracles

  6. Sir Duke / Stevie Wonder

  7. ドラマジックサウンド / Nostalgic Orchestra

  8. I Want You Back / The Jackson 5

  9. Family song / 星野源

  10. ハレルヤ / Nostalgic Orchestra

 4年前にも聞いたけどあの美声のVOで歌うヨドバシカメラの歌は笑っちゃうんよ。破壊力がすごい。
 ノスオケのお二人オリジナルのドラマジックサウンドも好きな曲なんですよね。歌う喜びなどがちりばめられた名曲。(…音源まだですかね…?)

 この中で、今回の課題曲は 9.のFamily Song. 源ちゃんはこの曲を作るときにゴリゴリのソウルをやりたかった、とAANで語っているそうで。日本のソウルってなんか割とサザエさんっぽいところありますよね。日曜の夕方、ちゃぶ台を囲んでご飯を食べながらTVではサザエさんが流れている。今だとあんまりお目にかからない光景だと思いますが、源ちゃんや私よりちょっと上の世代だと割とそうなんじゃないかな? MVの解説もしていただいて、聞いてなるほど! と膝を打つ内容でした。ていうかMV見直したけどどこから見てもサザエさんじゃん… 昭和のオマージュ盛沢山すぎるよ。電球の紐でパンチとか久しぶりに見たわ… ダンスもMJのオマージュだったりしてゴリゴリのモータウン要素です。こーりーの歌唱を聞いてるとき、ふと嫁の事が頭を過りました。それを思い出させる歌唱力は本当に凄い。何なら泣きそうだったよ。

 昼はちょっとしたハプニングがあったものの(何とは言わない)、夜は昼夜通しての感想とか、ノスオケのお二人とこーりーの関係性などが聞けてとても良かったです。ノスオケのお二人とはアフロ先生曰く、もう何回食事を共にしたかわからない、と。それくらい家族のように過ごしていると。すごいですよね。
 そして、こーりーは前回のモータウンに出演した時でも自分はSSR☆5になった感じ、と言いましたが4年前からはさらにレベルアップどころかランクアップした印象を受けています。あの10thライブツアー、ACTー3 のDay2 で歌唱してくれたハミングバードがまさに新しい扉を開いた姿でした。
 でもそんなこーりーもたくさん悩んで壁にぶつかって。ボイトレに来た際になかなかうまく導けなくてキノコ先生も悩まれたそう。気分転換に休憩をとった際、「何か楽しいことを考えておいて」と言って席を外したキノコ先生が戻ってきた時に泣いていたそうです。「歌うことが何より楽しくて、でもその歌うことがうまく出来ない」と…。その悔しさをばねにまた頑張ってくれた結果がCDだったり、ライブでの素晴らしい披露に繋がっている訳で。
 私たちは普段はその努力の果ての結果を見ているわけですが、そんなそぶりはみじんも見せない、プロ意識の高さ。白鳥は優雅だけど水面下ではも必死に動いている。そんないくつもの努力を重ねることはとても難しいんですよね。あのレベルで歌を歌うことができる人はそうそういないのに、さらにはるかな高みを目指して努力している。その姿に心を打たれました。この話でもう泣きそうだった。

 キノコ先生も、コロナ渦でエンターテインメントが力になれなくて、なにかを返せないか、と言われていましたがそんなことないんですよ。あの苦しかった時期を乗り越えられたのは間違いなくエンターテイメントがあったからです。先生たちやミュージシャン、シンガーの皆様が作り奏でた曲やクリエイターの映像や文章、画像や映像。それらは間違いなく心の支えになっていました。長く苦しかった2020年からの2年間。2021年の5月にあったライブを見て、自分はこんなことを書いています。

燻っていた倦厭感などを燃やし尽くして、21か月の間魂の熾火のように残っていた思いを燃え上がらせるには十分でした。

THE IDOL M@STER MILLION LIVE! 7th LIVE Q@MP FLYER!!! Reburn Day2 のライブレポより

 沈静化したと思ったら予断を許さない状況であった2022年からの今まで。それでも経済を動かさなければいけない情勢の中で、どれだけの活力をもらったかわかりません。感謝してもしきれないんです。コロナだけじゃなくても、ストレスになることは結構あるし仕事でイライラがMAXになることもあります。そんな時にお気に入りの曲を聞くと気持ちが軽くなります。マンガやドラマを見て楽しい気持ちになるし文章を読んでワクワクする。だからアーティストの皆様、皆さまは0から1を作り出せるんです。それはとても素晴らしいことなので自信をもって更なる楽しみを作り出してもらえればうれしいです。あ、でもこれだけは……ホラーはちょっと苦手なんでご勘弁いただけると…

 なんか割とまとまりのない文になりましたが、感謝が伝わればいいな。
次のキノコ音学校ではどんなことが学べるのか。楽しみです。



P.S.  このレポを書くにあたってキノコ先生が作詞した曲を改めて確認したんですが、好きな曲多いな…君だけの欠片とか星屑のシンフォニアとか。

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