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鉄印帳の旅〈超・番外編前編〉福知山線廃線敷
今回は鉄印とはまったく関係ありませんが、まあ、鉄道つながりということで・・・超・番外編ということで・・・
福知山線廃線敷はその昔、機関車が走っていた国鉄福知山線生瀬駅ー武田尾駅間の4.7km。1986年、新線に切り替えられた後も長い間、立ち入り禁止になっていましたが、無断侵入が絶えなかったため、今では事故が起きても自己責任ということで解放されています。武庫川の渓谷沿いを歩く廃線敷は、紅葉シーズンにはハイキングコースとして多くの観光客が訪れます。
ここは心霊スポットとして何度か紹介されているところでもありますが、観光客もいるだろうし、真っ昼間だし、純粋に渓谷美を楽しもうと出かけたのでした。しかし・・・
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大阪から普通電車で約40分。降り立ったのはJR武田尾駅。
プラットホームがトンネル内にある珍しい駅です。
駅から歩くこと約10分。武田尾側の廃線敷入り口に着きました。
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枕木が残る廃線敷。心が躍ります。
ただ、少々歩きづらい。
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天気は快晴、武庫川の流れに癒やされながら先へ進みます。
すると・・・
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最初のトンネルが見えてきました。
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スマートフォンで撮ったので明るく見えますが、実際はほぼ真っ暗。
トンネル内は照明がなく懐中電灯が必要なことは事前に知っていたのですが、「スマホのライトがあるから大丈夫だろう」との考えは大甘でした。灯りはうっすらと足元を照らす程度でほぼ役に立ちません。枕木もあるため、恐る恐る歩いてやっとトンネルを抜けました。
ほっとしたのも束の間。しばらく歩くと二つ目が。
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このトンネルはほぼまっすぐなので、出口の明かりが見えスマホも使わずに通ることができました。
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トンネルを抜けた先には、桜の園「亦楽山荘」がありますが、今日はこのまま廃線敷を進みます。
山荘入り口の親水広場には記念碑と木製彫刻がありました。
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武庫川の清流を右手に眺めながら歩いていると、三つ目のトンネルが現れました。
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トンネルの中は真っ暗で、ほんの数メートル先も見えません。
やばい・・・
ダウンロードしたマップを見ると、この先にある四つのトンネルの最長は413mもあり、最後の二つは「特に暗い」と書いています。正真正銘の真っ暗闇です。
しかも、この廃線敷を歩いているのは私だけ。振り向いても人の来る気配はありません。
もっと観光客がいると思っていたのに。
「ここを一人で、しかもスマホの頼りない灯りだけで歩けるだろうか」
一瞬、引き返そうと思いましたが、この先の渓谷も見たいし、何より幽霊には一度も出会ったことがないし、思い切って暗闇の中に入っていくことにしました。
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〈後編につづく〉