眠りのまにまに

君はよく眠るから、
君の隣の部屋で踊ってる。
“誰も知らない新ステップで”、
鏡の断片に映る足元や指先は、
Jamiroquaiの”canned heat”のPVを初めて見たときみたいにノリノリで、
オープンエンドの続き間で、
建具枠で区切られただけの”光の帝国”。

君は暗闇の中に明るい世界を歩き、
ぼくは昼白色の光の下で、仄暗いリズムの波間に漂う。
気づくと君の上に乗っかっていたクマの抱き枕が、
畳の上に不時着していた。

洗濯物を干しながら、
料理の合間に、
雨模様の中で新生活への不安を抱え、
ただぼくは踊る。
君はよく眠るから。

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