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レビュー「大豆田とわ子と三人の元夫」第2話

「第2話 明かされる離婚の秘密と男の本音」

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%B1%86%E7%94%B0%E3%81%A8%E3%82%8F%E5%AD%90%E3%81%A8%E4%B8%89%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%85%83%E5%A4%AB


3番目の元夫、弁護士の田中慎森。
公私両面において、合理的で理屈っぽく一切の無駄を嫌う。
しかし、自分が愛情を感じる対象(パンダ、とわ子)には愚直なまでにぞっこんの様子。
愛は理屈ではない、理性も合理性の壁も粉々に打ち砕く。

彼は未だ過去に生きる男でもある。
ホテルの一室を仮住まいにし、とわ子との幸せだった頃の写真を眺めては思いを馳せている。
未練タラタラのお風呂に浸かりながら、一人のぼせているのだ。

とわ子と慎森の結婚生活の象徴でもあったソファが捨てられていたのを目の当たりにし、失意の慎森。
◯二人きりになって会話が始まるシーン。
とわ子「怒ってないし、面倒くさくもないよ。だってもう他人だもん、関係ないもん」
一見、突き放した言い方をするのも、とわ子の優しさかもしれない。
それでも慎森は現実を直視できず食い下がる。

♪「熊の子見ていたかくれんぼ おしりを出した子一等賞〜」
突然、ゴミ捨て場で唄(うた)が拾ってきたうさぎのぬいぐるみが歌い出す。「日本まんが昔ばなし」の主題歌。つまり、とわ子にとっては慎森との生活は遠い昔のことであり思い出なのだ。
慎森「ごめん。本当は思い出にできない。さよならが言えない。またあのソファに君と座って、なくした時間を取り戻したい。」
とわ子「なくしたんじゃないじゃん、捨てたんじゃん。捨てたものは帰ってこないよ。私はもう思い出にしたし、サヨナラも言った」

◯夜のバスケットボール場、翼とのシーン
慎森「でもね、彼女との結婚式だけは幸せだった。」「この人に出会えた俺、世界一幸せだって思えた瞬間があった。」
翼「グッドルーザー。負けたときに何を思ったか何をしたかで本当の勝者は決まるんだよ。」

私は慎森の気持ちが分かりすぎて、イタイ奴必至である。翼の言葉が身にしみる。だけど、ああもう、勝ち負けなんてどうでもいい。世界一幸せと思えるくらいの人に出会えたなんて、それだけでサイコーじゃないか。
堕ちるところまで堕ちたなら、自分を思い切り労って称えてあげよう。


チーズホンデュ、すき焼き。
この物語には沢山の食事のシーンが登場する。
それを観ながら、大切な誰かと温かい食事を共に食べることの豊かさを想うのだ。


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