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レビュー「wowaka/アンノウン・マザーグース」反転文字に見えるもの


(※このレビューはあくまでも個人の感想(および妄想含む)です。)


アンノウン・マザーグース


それは、血。それは、愛。

MVを見ていると、上部に反転文字が、下部に正式な文字が流れている。
この中で気になったのが、ひらがなの「さ」が反転したときに映る「ち」の文字だ。
フォント種類によっては反転しても成立しないのだが、MVに採用されているフォントではこれが可能になる。
これは、「ち」=「血」を表しているのだと思う。

反転文字は鏡の中の文字でもあることから、現実には届かない世界。
見えにくい、気づきにくいという意味もあるかもしれない。
こんなに親しみのある文字なのに、気付きにくい。

血とはなんだろうか。
僕の愛。
僕の痛み。
僕の悲しみ。

それらが「あなた」には見えますか、ということを言っているかのようだ。

多くの人が知っている物語だけれど、僕の気持ちは知られていない。
気づいてほしい人に気づいてもらえない。想いが届かない。
その所在のなさ、やるせなさを唄っているのだろうか。

「あなた」が「さ」の奥にある「ち」に気づいて初めて「さち」=「幸せ」ということなのかもしれない。

また、このMVのイラスト(ハート=心臓)では左の下部が一部欠損している。
鋭利な刃物でスパッと切られてしまったことを想像させる、痛々しい切り口だ。
しかし、そこにはあるはずの血は描かれていない。
見えない血なのかもしれない。
さんざん流血した後ということかもしれない。


反転が更に反転!?

1:30あたりと3:30あたり、歌詞でいうと
「あなたには僕が見えるか」のところで上部と下部の反転位置が逆になる。
これは、世界が逆転するということを言っているのだろうか。
それとも、対峙している相手も「僕」であり、それが一瞬入れ替わるということだろうか。


「あたし」と「僕」

主語が「僕」になったり「あたし」になったりするのはどういうことだろうか。
物語の中に「僕」「あたし」が登場するということかもしれないし、1人称の「僕」「あたし」を時と場合により使い分けている一人の人物なのかもしれない。同一化しているwowakaさんと初音ミク、という設定かもしれない。


謎の言葉

0:22 と 0:35 辺りにかけて、4回「したい」という男性の声が流れる。
これはどういう意味だろうか。
「◯◯したい」という欲求にも聞こえるし、「死体」という不気味な言葉にも聞こえる。





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