くんかい。

絵描き/物書き。米民。18。 繊細で独創的なファンタジーが描きたい。

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掌編小説『くゆる朝灯』

朝灯のかいじゅう 序章  小さな梟(ふくろう)は朝灯(あさひ)の周りを飛び廻る。  ぐるんぐるんと毎日忙しく飛び廻る。  昨晩だって小さく光りながら、西の空を飛んでいた。    朝灯はちょうど腹を空かせていたところである。  梟を見るや否やぶるぶると身を震わせて、一瞬間に弾けてそれを食らった。  梟はシャボン玉のように四散して、たちまち朝灯に呑まれゆく。  朝灯はぐんぐん膨れあがった。  鯨(くじら)の群は逃げ惑う。  あちらこちらへ尾をなびかせて逃げ惑う。  それがて

    掌編小説『くゆる朝灯』