えっ?私が犯罪者?~実際にあった話・後編~
まずは前編をご覧ください
私の携帯電話番号が捜査線上に浮上???
仕事用の携帯電話の番号がある事件に関係していると、○○警察署捜査一課の刑事から言われた私。
う~ん…
何の事件だろう?
さっぱりわからない…
そう思いながら、相手の話を聞く。
どうやら、ある事件の容疑者が何度か、私の携帯に掛けていた記録があるとのこと。
「まだ、この電話が事件に関与しているか確定はしていませんが、もしかしたら○○署にて、お話を伺わせていただくかも知れません」
「はぁ…まあ、それは構いませんが」
そう答える私。実はこの時、
えっ?任意の取り調べ?
何かドキドキしてきた!
と内心、作家的野次馬根性丸出しであった。
「何か思い出すことがありましたら、いつでもご連絡ください」
そう言われ、この時は電話を切った。
外出先で思ったこと
電話を切った後、勉強したいと思っていた舞台を観劇するため、ホールへ向かった。
しかし、この一件で胸中はモヤモヤである。
一体何の事件だろう?
何でこの電話番号が浮上したのだろ?
この電話は、イベント開催時の問い合わせや、私の事業(司会とかイベント運営アドバイスとか)の、一見さん向け問い合わせ用である。
名刺交換した人などが、ここに電話してくることはない。むしろこの電話番号は知らない。
なので、万が一この電話にその容疑者が掛けて来たとしても、1回か2回程度であるはず。
その程度で色々な人に聞いてきているのだとしたら、刑事さんも大変だな~とも思ったりしていた。
そんな風に考えていた時、ふと思った
ところで、事件の内容はよく分からないけど、いつ頃の事件なのだろう?
■■さん、やっぱり頻繁に連絡取り合っている履歴があるんだよね
ホールに到着し、開場まで時間があったので周辺の散策をしていたところ、再度刑事から着信が…
電話に出ると、その刑事はこう言った
「■■さん、やっぱり容疑者と頻繁に連絡取り合っている履歴があるんだよね」
その言葉に、私は疑問をぶつけてみた
「その、連絡を取り合っていたのって、いつぐらいですか?」
「この電話を私が契約したのは、1年半ほど前だったと思うのですが、もしかしてそのやり取りの履歴は、それ以前のものではないですか?」
そう聞くと、相手は一瞬黙ってしまった。
「私の契約について、調べていただいても構いません」
「このあと、数時間電話に出られませんので、何か分かりましたら留守番電話に入れておいてください」
おや、何だか立場が逆転した気がするぞ。
そう思うとニヤニヤが止まらない!そして思う存分舞台を楽しんだ。
任意の取調べは…
観劇が終わり、別宅に帰宅した頃に電話が鳴った。
電話に出ると
「■■さんが契約した月が昨年2月で、私が調べている履歴はもう少し前のものでした」
「ほら、やっぱり」そう心の中でつぶやく。
「色々お手数をおかけしました」
そう言った刑事が最後に
「ちなみに、●●という男は知らないですかね?」
と、容疑者の名前を出してきた。
契約履歴を調べることが思い浮かばなかった刑事に、容疑が晴れても念を押された上、事件関係者でないのが分かった私に、容疑者の名前を出していいのか?と思ったりして、もう滑稽で吹き出しそうになった。
ちまたに、たくさんいるであろう名字。その名前の男は、俳優さんなら知ってるとか思いながら、
「知りません」
と、笑いを堪えながら答え、私と刑事のやり取りが終わったのである。
ふと思う、私のこの電話でいちばん通話履歴残したのは、この刑事さんだなと。
そしてちょっと興味本位で、取り調べされてみたかったとも思ってしまう作家の私であった。
イベントで稼ぐことが困難となった今、皆様のご支援が糧となります! ぜひ、応援のほど、よろしくお願いいたします! オリジナルストーリー(創作物語)を作り、ひとり芝居でその世界を表現している、オリジナルストーリーパフォーマーyouyou。