"Aston Villa billionaire owner calls for Premier League spending rules reform"について

今回はこちらの記事について。

サッカービジネスに疎く、プレミアリーグで財務規則(具体的には損失制限)があることを初めて知りました。当該ルールを勉強するために、The Sporting Newsのこちらの記事も大変参考になりました。

似たような事例として、国内バスケットボールリーグBリーグにおいては上位リーグに残る条件の一つとして、売上基準や入場者数、アリーナに関する要件を設けていることは把握しておりました。ざっくりと、各チームやリーグの持続可能性の観点からこのような制度が生まれたものと認識をしています。

プレミアリーグはなぜこのようなルールを設けているのでしょうか。世界のプロサッカーの中心であるプレミアリーグの各クラブが持続可能性に疑義があるとは到底思えません。オーナーレベルで財政的に困ったとしてもオーナーになりたい人や組織はいくらでもいるわけで、各クラブ自体の持続可能性について大きな問題になることはないかなと。

他に考えられるのは、リーグ内の競争の活性化という観点でしょうか。例えば、金持ちのオーナーを持つ強豪クラブが有望選手を高い金額で囲い込むことで、毎回同じ名前がリーグ上位を独占することを避けたい、といったイメージ。だとすれば、損失を制限するのではなく、選手に使う支出のほうで制限することも考えられるかなと。例えば、MLBにおいてはぜいたく税(Luxury Tax, Competitive Balance Tax)という制度があります。簡潔にまとめると、自チームの選手に対して払える年俸合計に上限を設けて、それを超える場合はその超えた額に応じてぜいたく税という形でリーグに一定金額を収めるということとなっております。そうすることで各チームはぜいたく税の発生しない範囲で賢く資金を使おうというインセンティブが生まれ、結果として戦力の均衡に寄与するというものです。公共政策と同様にWise Spendingが求められるということです。もちろん選手にとってはうれしい話ではないのですが、、、。

プレミアリーグのこのルールの本意をあまり理解をできていないのですが、ネット上の記事を見るとこのルールに対する反発は少なくないようです。今後、撤廃や変更が出てくるかもしれませんね。




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