"French Open, TNT Sports agree to 10-year, $650 million deal: Sources"について

今回はこちらの記事について。

記事によると、TNTスポーツ(ワーナーブラザーズの子会社)は全仏オープンの米国における2025年から10年間の放映権を650mUSD(≒1000億円)で取得したとのこと。これまではNBCが12年間の米国における放映権を年あたり12mUSDで所有しているとのことなので、相当な価格上昇になりますね。他のスポーツに目を向けても、AmazonやApple等、これまで伝統的にスポーツメディアとはみなされなかったプレーヤーがスポーツの放映権に触手を広げていることもあり、今後も放映権料の上昇は続きそうですね。

この記事に関して、少し異なる視点から考えてみたいと思います。

多額のお金はどこへ?

全仏オープンの主催はFrench Tennis Federationです。響きからすると、非営利の団体かと推察します。もちろん放映権やスポンサーパートナーからの多額の収入があるにせよ、大会運営の費用も多大かと想像します。多額の放映権料を踏まえると、団体の懐に残るお金も相当になるのかなと。それをスポーツの振興に振り向けるということであれば納得がいく気がします。一方で、放映権が多額になるということはそれは個人からすると視聴料という形で跳ね返ってきます。多額な放映権料をペイするために視聴料が高くなり、個人がゲームを楽しめなければ、それはスポーツの振興には逆効果です。スポーツの普及を考える上では、基本的に市場経済に任せてビジネスを大きくすることが良いのかなと思いつつ、それが行き過ぎるとかえってスポーツの普及や発展に蓋をしかねないのかなと、少し思った次第です。実際に全仏オープンの収益がどのような流れで分配されているのかはよくわかっていないので、知っている人がいれば教えてください。

NPBにおける放映権ビジネスについて

放映権に関連して、以前日経新聞でもこんな記事がありました。

日経によれば、
日本のプロ野球の年間の放映権料はリーグ全体で推定約500億円とされ、日米の放映権収入の格差は10倍以上に達する。
とのこと。
記事の中でも、日米の放映権料の違いの背景やNPBの構造的な問題点についていろいろと触れられています。NPBやスポーツの領域に限らず、先進的な米国に対し日本が周回遅れという話はよくあるかと思いますが、このプロ野球の問題も同じだと思っております。MLBのすべてを真似すべきとも、MLBに問題がないとも思いませんが、パクれる部分は早くパクってしまったほうが、プロ野球の発展にはプラスだと思います。

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