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日経ビジネス「ディズニー作品、ミッキーやプリンセスはなぜ変わり続けるのか」を読んで:エリック王子は本当に"副産物"か?
6/8に、日経ビジネスで「ディズニー作品、ミッキーやプリンセスはなぜ変わり続けるのか」という記事が無料公開された。(下記参照)
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00005/060600229/
内容としては、タイトルの通り時代に合わせて変化していくミッキーやディズニープリンセスについて、ディズニーのアニメーターから見た理由を聞く取材記事だ。
その中で興味深かったのは「王子様はある時から"副産物"になった」という見解。
「白雪姫」「シンデレラ」といった黎明期の作品のプリンセスらはリアクティブ(受動的)であり、物語に巻き込まれ王子様に救ってもらうことを"待つ"立場であった。
それに対し、「美女と野獣」や「ムーラン」ではより能動的に物語を引っ張っていく。しかもそれにはそれぞれに王子様ではない目的がある。
「美女と野獣」のベルには囚われた父親を助けるという目的。ムーランは同じく父親の助けになるため、身代わり的に徴兵に赴く。
そういった各々の思惑がある中、
物語の"途中で"王子様と出会い、恋に落ちるという流れ。
それを同記事では「副産物」と呼んでいる。
確かに最終的に王子様(男性キャラ)と結ばれはするが、最初からそれが目的ではない。
先述以外でいえばジャスミンは自由を渇望し、ラプンツェルは外の世界に憧れた。
だが私は「リトル・マーメイド」は副産物の流れを汲んでいないとみている。
理由は作中の名曲「Part of your world」だ。
リトル・マーメイドのアリエルは、
陸の世界に憧れ、その過程でエリック(今作の王子様ポジション)と出会い恋に落ちる。
"その過程で"という点で副産物のような気がするが、本当にアリエルの主目的は最後まで陸の世界だったのだろうか?
「Part of your world」は、その歌詞において作中の初出で
♪wish I could be part of that world
となっている。your ではなく that。
海上へ手を伸ばしながら、「あの(that)世界の一部になりたい」と願う歌だ。
では"your"とは誰か?それがエリックなのだ。
船上のエリックを見て、難破した船から放り出されたエリックを救い出し、アリエルはエリックに恋をする。
実際にエリックと出会った後、アリエルは
♪wish I could be part of your world
と歌う。エリックと出会い、Part of your worldという歌が完成する。
そしてエリックと結ばれるため、悪役のアースラと人間になる代わりに声を渡すという契約をする。
これは果たして"副産物"なのだろうか?
アリエルに関しては、「王子(というポジションのキャラクター)」と結ばれることが主目的である、というのが私の見解である。
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