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「ない」と思うと本当に何も見えない

脳は日々膨大な情報を処理していることから、上手に手抜きをしています。

「決めつけ」はその代表例の一つです。「あの人はなんか苦手な人だ」と定義をすると、「あの発言が嫌だ」「あの表情が気に食わない」のように、その人を苦手たらしめる証拠集めをし「あの人は苦手な人である」という思考を強化します。

こうなってしまうのは、一度思考したことを思い込んでしまったほうが脳にとって楽だからにほかなりません。いちいち、「苦手かと思ったけど、こんな素敵なところもあるかもしれない」「いいところを探してみよう」と考えてみることは脳にとって非常に負荷がかかるということです。

「スマホがない!」と焦って探していたら、実は手に持っていた。のような経験はないでしょうか?これも全く同じ構造で、「スマホがない!」と一度思うと、脳は「スマホがない」証拠集めをしたくなるので、手に持っているのに「見えない」という不思議な現象が起こります。

コーチングのセッション中にも「自分には◯◯のスキルが足りないから努力して身につけなければならない」のようなご相談をよくいただきますが、「自分は足りないことばかり」「自分には求められるスキルがない」という前提に立っていると、言わずもがな脳は「不足している」証拠集めに動くため、「あれもない」「これもできない」のように「ない」という欠乏感をより強化していきます。

こんなときは「一方で得意なことや好きな仕事は何か?」という問いを立ててみるのがオススメです。「得意や好きがある」という前提に立つことで、「ない」決めつけモードのときには脳が完全にスルーしていたものが色々見えてきます。

「(手に持ってる)スマホがない!」のように、せっかくの自分の強みや、情熱が見えなくなってしまうのは、非常にもったいないことです。先述の通り脳は手抜きで割と適当なものです。「ない」と思うと本当になくなるし、「ある」と思えば本当に見つかります。

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