ピントは大体=目測の話
皆さんこんにちはkunihito.mikiです。
今回は少しマニアックなカメラについてのお話し。
時々フォロワーさんから「カメラは何を使っていますか?」と質問を頂くことがありまして、私 腹は黒いですが 表面上はとても良い人なので その都度 使ったカメラをご回答しています。
私がカメラを選ぶ重要なポイントは3つ
・コンパクトであること
・すぐにシャッターが切れる
・写りはそこそこで十分
この条件で選んだカメラが下の・・・何台あるねん?って話ですが(笑)
これらのカメラは目測式カメラと言われてまして、ファインダーの中でピントを合わせることが出来ません。じゃぁ どーやって合わせるの?
レンズに1m・3m・5m・∞ (無限遠)と目盛りや目印が付いてまして、被写体まで大体3mくらいかなぁ~という具合に「目測」で距離を決めるのです。
そんなのでピント合うの?と思うでしょ?実は意外と簡単。使い方のヒントは「あのカメラ」の設定値にありました。
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それは「写ルンです」
(FUJIFILMのHPから引用)
写ルンですのピント位置は約3mに調整されていて、絞り(F値)はF10 シャッタースピード(SS)は1/140。この条件でシャッター押すだけで 1m~∞遠景までピントが合う絶妙なバランスの設定なのです。
写ルンですは押すだけで楽しい!よく見ると2~3mあたりはすごくシャープ
でも遠景は少しもやっとしてますね。
次の項ではピントの緩さをカバー出来る目測式カメラのお話を。
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私 " kunihito 流 "スナップの設定
難しいと思われがちな目測式カメラで、私がいつもスナップ撮影で使う設定値をご覧ください。
・ピント位置は5m
・絞りはF11
・シャッタースピード1/250(晴れの場合)
撮影の8割はこの設定で右手にカメラをぶら下げ、あっと思った瞬間にシャッター押す。現像してみると(ほぼ)ピントを外さず撮れています。
残りの2割は
・少し近い場合(感覚的に3歩分)で3mに
・腕を前に伸ばしたくらい近い場合は1mに
・富士山を撮るような離れた景色は∞無限遠がベストです。
如何でしょうか?
本当にいい加減というか適当な設定で撮っています。もちろん厳密にピントを合わせたり、背景をぼかす場合は一眼レフを使いますが、お気軽に日常や街角をスナップするのにコンパクトな目測式カメラは魅力的です。
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それでは目測式カメラで撮った作例を
OLYMPUS XA2
ポケットに入るオリンパスの名機 です。高級機としてファインダー内でピント合わせが出来るXAもありますが、圧倒的にスナップに向いているのはXA2ではないでしょうか。
露出は自動でシャッターを押せばOK,ピントは3種類だけ /1m/3m/∞無限/で迷いようがないシンプル設計、、特筆すべきは横にスライドするレンズカバーを開くと同時にピント位置が自動的に3mにセットされます。
つまりレンズカバーを開けて取りあえずシャッター押すだけで写ルンですよりもハイクオリティな写りが得られるということです。当時の大ヒット商品なので中古市場で比較的安価に購入出来ると思います。
準広角35mm/F3.5 このレンズが侮れない良い描画なんです。
まさにオリンパスブルー!青空が気持ち良く写ります。
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Minox35 GTE
私がメインで使っているMinox35 GTEです。持っているカメラの中で一番小さくて軽く、絞り優先の撮影が出来る優等生。なのに世間では人気がありませんねぇ、私はメルカリで2500円で購入しました。
晴天時はいつも絞りをF11に設定して撮っています。このレンズはシャープに写っても固くない、少し柔らかい雰囲気になるので気に入ってます。
曇天時の描画も良好です。良いレンズほど悪い環境で頑張ってくれます。
F2.8のレンズと絞り優先のお陰で夜間の撮影にも実力を発揮してくれます。ピント位置は5m
ピント位置3m
ピント位置 ∞ 無限遠。もう撮れない築地市場ですね、、また東京行きたい!
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KONICA C35 EF3
3台目はコニカ C35 EF3です。フィルムメーカーであったコニカが作るレンズの性能は高かったそうですよ。確かに安価な大衆機ですが良い写りを味わえます。
ゴミをすな??正確には「捨てるな」のはずが、、私の予想ではゴを書き始める位置が右に寄りすぎて送り仮名入れるスペースが無くなったのでしょう。書いた人に会いたい(笑)
ピントは1mで窓ガラスに、、厳密・正確なんて必要ないんです。目測機は「おおらかな適当さ」が醍醐味です。その適当さをカメラが優しく吸収してくれます。
左に光線漏れ、さすが1000円(笑)
コニカのC35シリーズはどれも写りが良いです。本音を言うとピント合わせの機能が付いたC35(初代)は超オススメです。少し人気あって価格上昇中~それでも1万以下で買えると思います。
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Rollei35B
ローライシリーズの中でもB級ローライなんて揶揄されるRollei35Bです。B級と呼ばれる理由は低速シャッターが1/30まで、そしてレンズが安価な3枚構成のトリオターだから。
ただBの方が断然軽いし胴鏡廻りに集約された操作系が使いやすく、昼間だと高価なローライ35と写りの差を感じません。私はこちらの方が好きなんです。
ローライ35シリーズはコンパクトで可愛い容姿に惹かれて購入される方をたくさん見ましたが、ピントと露出がフルマニュアル。操作に慣れるまで時間が掛かるので、すぐに使わなくなったとか手放したという話をよく聞きます。
もし手放そうとお考えの方。晴れた日に1本 kunihito 流 "スナップの設定(5m / F11 / SS 1/250)で 写ルンですのように撮影してみて下さい。素晴らしいカメラであることを再確認できて手放すのを思いとどまるかも。
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Rollei35
最後に目測カメラの王様 Rollei35。作例をあげたいところですが、東北の仙台には魔法使いのようにRollei35を使いこなす写真家がいらっしゃいます。私とはレベルが違うこの方の作品を 是非見て頂きたいです。
https://www.instagram.com/yudai_ninomiya_/
目測機だけでこんなバリエーションある写真が撮れたら楽しいでしょうね。リスペクトしている写真家の一人です。
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ちなにみ私の作例は下の記事から。目から血出るほど作例載せてますので目薬持ってご覧下さい。
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最後に
近年、フィルムカメラの中でも高級オートコンパクトに人気が集中していますね。Contax T3 T2などは10万円超えるほど高価ですし、ナチュラやクラッセなどは発売当時の新品価格より高くなっている。この流れを否定するつもりは無くて私が20万持ってたら間違いなくT3買いますよ(笑)
ところがそんな大金を使えない学生さんには高嶺の花なわけですよ。今回ご紹介したカメラはRollei35を除いて1万円以下で買える機種ばかりです。高価なコンパクトカメラが買えない、でも良い写りを求める人たちの選択肢の一つになればと思いこの記事を書きました。
そして最後にもう一言
もうカメラ買いません!(笑)
いいねやコメントだけで十分でござーますよ!!