わたしの非常事態宣言 〜 でも悪いことばかりではないぞ(田中邦裕) #わたしの非常事態宣言

「わたしの非常事態宣言ーでも悪いことばかりではないぞ」
https://essential-management.jimdofree.com/nc20200405

日本において、緊急事態宣言を行うか否かの報道が繰り返されています。
大規模な感染拡大を防ぐためにも、社会的距離をとり、可能な限り他の人との接触を避けるよう呼びかけも行われています。
さくらインターネットにおいても、2月末に全面在宅勤務の呼びかけを行い、データセンターにおける一部のメンバーを除いて、不要不急の外出を控えるようにお願いをしていて、実際にいまは9割近くの社員が在宅勤務をしています。
わたし自身は、事務所に行かずにリモートから仕事をする機会も多かったので、そこまで不便はしていないのですが、これまでずっと家にいることが少なかったので、足腰が痛いです。

さて、8割の人が家にいれば感染は縮小に向かうと言われています。
そのような中で、在宅でできる人はできるだけ在宅にして、小売店や運送業、運輸業など、社会を維持するために必要な仕事をされている方々のためにも、他の人との接触をできるだけ減らすべきだと考えています。
正直なところ、IT企業だから在宅できるんじゃないの?と言われることも少なくなく、半分当たっていると思いますが、でも在宅勤務をしていなIT企業もあるし、在宅勤務をしている非IT企業もあります。
事情は人によって、会社によって全然違うと思います。
だからこそ、各々の事情に合わせて #わたしの非常事態宣言 を行いませんか?
「そう言うやり方があるんだ」とか、「こうすれば周りの理解えられたよ」とか、自分ができることから他の人に伝えていければ、きっとこの非常事態を乗り越えられるだろうと思います。
国が出すのは緊急事態宣言ですが、事態の長期化とこれからの社会変化を想定して、あえて非常事態宣言という言葉を使っています。

ところで、実は在宅勤務(事態が収拾したらリモートワーク・テレワーク)を拒む、「なぜそのようになっているのか?」と言うことがわからない規制や制約、慣習、前例などがあらわになってきました。
せっかくだから、これらを全て取り除けばいいんじゃないかと思っています。
この事態は悪いことばかりではないと思うんです。
いくつか、今回の疫病の伝搬に対する対抗策として、今こそを取り除いた方がいい規制や制約を挙げてみます。

まず、法律や政府など公的な規制についてまとめてみます。

・遠隔教育(学校に行くか、休みかだけと言う極端な選択)
・教育のデジタル化(学校再開が見通せない中で当然の選択)
・遠隔医療(電話ならいいのにインターネットならダメという状況)
・紙ベースの公的書類(顔を合わせるなと言いながら、現地に行かねばならない)
・印鑑・押印(その辺で売っているハンコが必須という矛盾)

次に慣習や前例などについてもまとめてみます。

・往訪(いまだに放浪している営業マンのうちどれだけが必要急務なんだろう)
・紙ベースの契約書(押印と郵送のためだけに出社する人多数)
・対面の会議(Zoomとかリモートでできるのに)
・出社前提のITシステム(クラウド前提の社会でいまだに会社につないでいる)

この他にも、たくさんあるんだろうと思います。

ただ、これらのことが残っているには当然理由があります。
自分が、絶対この方がいいはずなのにって思っても、なぜか世の中の判断がそうなっていないことには背景があります。
多くの場合は、介在する人になんらかのそうする理由があると言うことです。

人にはそれをするそれなりの理由がある

これは、エッセンシャルマネジメントスクールで、講師をされた大久保寛司さんがおっしゃっておられた言葉です。
例えば、年配のおじさんがパソコンを触ることができないのでオンラインがダメと言ってみたり、自分が常に介在して組織をコントロールしたいがために決裁のシステム化を拒んでみたり、悪質なケースでは帰りにサボりたいがために往訪をわざわざ夕方に入れていたりする人だっています。
そして、公的な規制でも、元々は理由があったとしても、今は自分の商売を残すためにそう言う行動をする人もいます。

困ったことに、多くの人にとってよくない理由でもまかり通っているケースでは、ある程度の権力・権限を行使できるところにその人がいる場合が多く、過去においては革命的で過激な行動によってそれをひっくり返してきました。

ただ、いまは違います。
情報を誰しも得られるようになり、発信できるようになりました。
そして、まさに起こっている非常事態においては、よくない理由を排除して、多くの人にとって良い結果を得やすい時期でもあると思います。

そのために、やっぱり世の中が変わった方がいいことを、特に今の事態の収集をするために重要なことにフォーカスして、発信していければと思います。
なお、東日本大震災では大きく社会の価値観などが変わりましたが、そのために払った犠牲は大きすぎました。今回、多くの犠牲を払わなくて済むように行動した上で、多くの人にとってより良い変化が訪れれば嬉しいです。

エッセンシャル・マネジメントスクール西條代表、サイボウズ青野代表とともに、「わたしの非常事態宣言 〜 でも悪いことばかりではないぞ」プロジェクトを発足しました。一人ひとり事情は違うと思いますが、ぜひハッシュタグ「#わたしの非常事態宣言」で、この事態を乗り越えるためにできることを共有できると嬉しいです。

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