アト ランダム私小説「東京S.W.A.T」
「お前は自分が何をしてるのかわかっているのか!」
石上長官は顔面を紅潮させヒステリックに叫んだ。
「もちろんわかっているさ。」
橘はかすかに口角を上げ、皮肉っぽく答えた。
「貴様らは国家の番犬だ! その番犬が飼い主である政治家に牙を剥こうというのか! 身のほどをわきまえろ!」
激昂し、震える指を橘に向けて糾弾する石上の表情が凍りついた。
石上の胸には橘が構えるヘッケラー&コックMP5 D3 SMGに装着されたピルキントン社製アクティブレーザーサイティングシステムから放たれた紅いドットが光っていた。
「き、貴様〜!」
追い詰められた野生の熊のごとく巨体を踊らせ橘に飛びかかった石上の身体は、フルオートで放たれた9mmパラベラム弾の集中着弾によりデスク後方の壁に叩きつけられた。
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