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FBIが誇る対テロ即応部隊 " HRT(Hostage Rescue Team:人質救助チーム)”

 FBI(Federal Bureau of Investigation:アメリカ連邦捜査局)が誇る対テロ即応部隊HRT(Hostage Rescue Team:人質救助チーム)は、翌年にロサンゼルスオリンピックを控えた1983年、オリンピックをターゲットとしたテロや破壊工作から市民を守ることを目的として創設された。

 HRT創設の背景には、1972年のミュンヘンオリンピックにおいて、11人のイスラエル人アスリートが犠牲となったアラブ過激派による選手村占拠事件があった。

 当時のアメリカには国内でテロ事件が発生した場合に民間人を守る役割を担う対テロ戦術チームが存在したかった。さらに、軍隊が出動するためには大統領の承認で、状況が刻々と変化し、時間との戦いとなる人質を伴うテロなどでは対応の遅れが致命的な結果を招く恐れがあった。その解決策として誕生したのがHRTである。

 Servare vitas (to save lives=命を救うために)をモットーとするHRTは、事件発生から4時間以内には現場に到着し、オペレーションを開始することができる。

 エリートであるFBIのスペシャルエージェントの中から選びぬかれた精鋭のみで構成されたHRTは、陸、海、空、すべての領域における作戦行動を視野に入れた訓練を日常的に行っており、そのレベルの高さは軍の特殊部隊と同等であり、特に専門領域である人質奪還任務に関しては軍事組織を遥かに凌ぐノウハウとスキルを有している。


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