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エッセー「世界最強の無敵艦隊 バルチック艦隊を打ち破った奇跡の戦術 ”東郷ターン"」

「敵艦見ユトノ警報二接シ 連合艦隊は直チニ出動 コレヲ撃滅セントス、本日天気晴朗ナレドモ波高シ」

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 日露戦争当時、世界最強と畏怖されたロシア バルチック艦隊との海戦に際し、敵艦隊の位置の測距ミスによりバルチック艦隊の正面に出てしまった連合艦隊。この時、危険を避けて敵の西側へ転針すれば逃げられる可能性が高かった。しかし、連合艦隊司令長官東郷平八郎の下した決断は取舵、つまり東へ転針であった。

 ここで取舵をすれば連合艦隊が回頭を終えるまで、敵の集中砲火を浴びることになる。東郷は「たとえ三笠が沈められようとも、バルチック艦隊は絶対に逃がさない」と不退転の覚悟のもと、捨て身の転針を敢行。雨あられと降り注ぐ敵の集中砲火を耐え忍び、奇跡とも言えるターンを成功させた東郷は、そこから起死回生とも言える完璧なT字戦を展開、見事世界最強のバルチック艦隊を打ち破ったのである。

 これぞ後の世に言う「東郷ターン」である。

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