カーコラム「伝説の73カレラは至高の911 ”ポルシェ911 2.7 カレラRS”」
後の世に " 73カレラ" として語り継がれる事となるポルシェ911 2.7カレラRSは、1972年、当時のFIA GT選手権に参戦を目的としたホモロゲーションモデル(Gr.4)として誕生した。
徹底した軽量化されたボディに、最高出力210馬力を絞り出す2.7ℓフラット6エンジンを搭載した2.7カレラRSは、俊敏な動力性能と卓越したハンドリングにより発売されるや否や全世界のエンスジャスト達をその虜にした。
2.7カレラRSに搭載される911/83型パワーユニットは、水平対向6気筒2681cc、ボア/ストローク・90mm×70.4mmの超ショートストロークエンジンである。
そのシリンダーブロックには、ボア拡大のため既存の " バイラル・シリンダー " に代わり、917用の水平対向12気筒ユニットに採用されていた " ニカシル・シリンダー " が採用された。
ニカシル・シリンダーとはライナー無しのアルミ鋳造製シリンダーで、その内壁にはニッケルとシリコンの炭化物の被膜がメッキ加工されたシリンダーである。
名機・911/83型パワーユニットが奏でるメタルシンフォニーは、ドライバーを官能の世界へと誘う。
操る歓び、73カレラはその究極と言えるだろう。
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