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エッセー「賢者の知恵」

 世の中、自分のことを知っている人間よりも知らない人間の方がはるかに多い。

 物凄い数の友人・知人がいると豪語する人間でも、地球規模で見ればその数は全人口のほんのわずかに過ぎない。

 が故に自分は所見の相手に対峙した際には常に敬意と畏怖の念を持って接するようにしている。

 翻ってみれば、日本人ほど見てくれや年齢、人相、風体、そしてなによりも肩書で人を判断する輩が多い国は他に例に見ない。

 その手の輩は、いずれ致命的な判断ミスをおかし、自ら墓穴を掘ることになるだろう。

 取るにならない小物ほど自らを身の丈以上にみせようと虚勢を張りマウントをとってくるもの。

 人を殺す人間を必ず人に殺され、人を騙す人間は必ず人に騙され、人を舐めてかかる人間は必ず人に舐められる。すべての因果は巡る、それがこの世の摂理。

 謙虚にして奢らず、実るほど頭を垂れる稲穂かな。これぞ賢者の知恵であり、聖人としての作法である。

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