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カーコラム「ブレーキパッドの " 焼き入れ "」
" 焼入れ " と言っても「ヤキを入れる」わけではない。ブレーキパッドの話である。
焼入れは、その昔、耐フェード性の高いブレーキパッドを装着した際には必ず行わなければならない大切な"儀式 " だった。
焼き入れの目的は、ローターとパッドのアタリをつけ、摩擦熱によりパッド内に混入された金属材を融解させてその成分を均一に分散させることにある。
焼き入れ後、融解して均一に分散した金属材が硬化してパッドの剛性を上げるど同時に、ローター面との間に金属皮膜を形成する。その結果ブレーキング時の剛性感が向上し、効きが安定、さらに耐磨耗性も向上するのだ。
一昔前の高性能ブレーキパッドは、焼き入れ次第で「効き(特にペダルタッチ)」、「耐フェード性」、「耐磨耗性」に大きな差が出たものである。
自分自身、歴代マシンにはフロント・フェロードDS11、リヤ・フェロードDPM(ドラムの場合はフェロードAM4)を定番として使用して来たこともあり、数知れず"入魂の焼き入れ " を行って来た。
焼き入れが成功し、極上のブレーキフィーリングが得られた時の喜びは格別だった。
因みに、現在市販されている高性能ブレーキパットは、ほぼ100%焼入れ終了後の状態で出荷されているので装着後の焼入れは原則不要である。
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