マガジンのカバー画像

Essay

321
鳴海邦彦が思いつくままに、そして気ままに綴るフリーエッセー。
運営しているクリエイター

#cm

再生

ショートエッセー「ブロンソンマンダムシンドローム」

昭和40年代小学生世代はオー・デ・コロンは浴びるものだと思い込んでいる。 その原因は当時連日テレビから流れていたマンダムのCM。男の象徴とも言えるチャールズ・ブロンソンが、マンダムのコロンを逞しい体に浴びるように振りかけていたからだ。 新橋あたりの居酒屋で、オー・デ・コロンムンムンのオヤジがいたら、それは間違いなくブロンソンシンドロームに冒された昭和40年代小学生世代世代である。

エッセー「クルマはガソリンで動くのです。」

 クルマはガソリンで動くのです。  ハイブリッドもEVも結構だが、ガソリンの爆発と走りの情熱がなくなったら、後は棺桶に入るだけ。  良い混合、良い圧縮、良い爆発、良い排気。これがエンジンの大原則。  燃費を良くするのは簡単、車重を軽くすること。  AE86はぎんぎんエンジン回しても、街中で10キロ割ったことはない。  目先の技術革新より、まずは肥満化し巨大化したクルマのサイズを落とすこと。  クルマメーカーは昭和のクルマ作りに立ち返る時。  流行りごとのエコブー

再生

エッセー「クルマと女性に熱き情熱を注ぐイタリアならではのCM」

ソフィアローレンを彷彿とさせる情熱的でセクシーなイタリア女性と、”山椒は小粒でピリリと辛い”軽快で俊敏なリトル・モンスター "フィアット アバルト500"のイメージをオーバーラップさせたセンス溢れるイタリアのCM。 広告代理店やその傘下のプロダクションの力量不足に加え、やたらジェンダーだの性差別だのほざく輩が多い日本ではこんなセクシーで洒落たCMはネバー・エバー作れんないだろう。 良いクルマと素敵な女性は等しく地球の財産である。

エッセー「草刈正雄とX30系チェイサー、そして朱里エイコの"SAMURAI NIPPON"」

 日本人の顔がまだ現在ほどバタ臭くなかった昭和40年代、男女を問わず憧れたのが「ハーフ」だった。  台頭してきたテレビにより、CM全盛の時代。登場するモデルはそのほとんどが西洋人とのハーフ。  その中でも群を抜く人気を誇り、まさにキング・オブ・ハーフとも呼べる存在だったのが草刈正雄であった。  当時の日本人には願ってもかなわなかった長身、足の長さ、そしてバタ臭いながらも甘いマスク。  テレビCMを席捲した草刈正雄は、日本一のイケメンとして瞬く間に日本中にその名を轟かせ

エッセー「80年代の追憶 ヨコハマタイヤ"ASPEC"のCMは日本CM史上に輝く金字塔である」

80年代の横浜タイヤのCMは最高に " 魂 " が入っていた。 「走る」という行為がこれほどまでに感動的でドラマチックなものなのか! ニキ・ラウダが語るように「道は、セクシーで、美しい」のだ。 80年代、クルマには夢と希望があった。

エッセー「” Oh!モーレツ!" 日本の高度成長期に一大旋風を巻き起こしたCM ” 丸善ガソリン100ダッシュ CM”」

 日本のモータリゼーション黎明期の昭和44年、このCMでどれほど興奮したことか。  丸善石油の " 丸善ガソリン100ダッシュ " は、その名の如くオクタン価100を誇る有鉛ハイオクガソリンである。  通過するクルマの風圧でめくれ上がる小川ローザのフレアミニスカート。そこで決めゼリフの " Oh!モーレツ ! " 。このCMに日本全国の男たちは釘付けになった。  当時、学校帰りに小川ローザのポスター見たさに丸善石油のガソスタに通ったものだ。  ちょうどこの頃「猛烈=モ

再生

エッセー 「美しき開脚 "The Epic Split feat. Van Damme by Volvo Trucks"」

かつてこれまで神々しい映像はあっただろうか。 まるで氷面を滑走するかのように滑らかに走る2台のVolvoトラック。その2台のドアミラーを踏みしめ、揺らぐことなく明鏡止水の境地で静かに目を閉じて腕を組み仁王立つジャン・クロード・ヴァンダム。 やがて2台のトラックの間隔は徐々に開きはじめ、ヴァンダムの脚は美しきSplit (180°開脚)となる。 2019年にVOLVOが大型トラックに採用している独自のステアリングシステム「ボルボ・ダイナミック・ステアリング」を訴求するために製作されたこのCMは、その発想の奇抜さ、そしてジャン・クロード・ヴァンダムの神々しいまでのSplit (180°開脚)で世界的な話題となった。 まさにヴァンダム降臨。ヴァンダムの前にヴァンダムなし、ヴァンダムの後にヴァンダムなし。 泰然自若、男、ことに臨んで一切の迷いなし。