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Essay

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鳴海邦彦が思いつくままに、そして気ままに綴るフリーエッセー。
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2022年11月の記事一覧

エッセー 「1970年 大阪万博 三波春夫 " 世界の国からこんにちは "」

巨星・三波春夫大先生が歌う「世界の国からこんにちは」。 この曲こそ1970年に開催された大阪万国博覧会(EXPO'70)のテーマ曲の中でも白眉とも言える作品である。 1970年、当時小学校5年生の時、大阪千里の丘陵地帯に日本の未来、世界の未来を見た。 大阪市内に宿が取れず、連日隣の滋賀県大津市のホテルから電車で会場へ通った。 アブダビ館(現在のUAE)を皮切りに、3日間で46パビリオンのスタンプを押した。 驚くほど多くの外国人を目の当たりに、世界各国の料理を初めて口

ショートエッセー「寿司で腹を満たすには一体いくらかかるか?」

 バブルの頃に「寿司でお腹を満たすには一体いくらかかるか?」というメタチャレを敢行したことがある。  店の基準は、超高級店と回転寿司は除外し、リーズナブルな価格で握りを提供していくれる大衆店。  当時は横浜の青葉台に住んでいて、桜台に「琴寿司」という馴染みの店があったため、上記基準に照らし、会場に決定した。  メンバーは中学・高校の同級生2人と自分の計3名、いずれ劣らぬ食通&大食漢。  チャレンジは夜8時から始まり、店のネタをほぼすべて食い尽くし、午前0時ちょうどに終

エッセー 「Carabinieri (カラビニエリ)」

   フィレンツェ在住の貴族(2009年に伯爵の爵位を継承した正真正銘の貴族)の友人は、兵役時代(イタリアは貴族でも兵役がある)、イタリアでは陸・海。空に次ぐ第四の軍隊と呼ばれているイタリア国防省所属のカラビニエリ(国家憲兵隊)のコマンダトーレ(将校)だった。  カラビニエリのモットーは「NEI SECOLI FEDELE(永遠に忠実な)」。  彼はカラビニエリの中でも、その特殊部隊であるGIS (Gruppo Intervento Speciale) 、いわゆる「特殊

エッセー「" 探偵物語 " 松田優作=工藤ちゃんは永遠のヒーローである。」     

松田優作主演「探偵物語」、お馴染み取調室のシーン。 成田三樹夫演じるバーニー服部こと服部刑事が、例によってトンカチで万年肩こりポンポンと叩きながら、松田優作演じる工藤俊作を尋問中。 「工藤ちゃ~ん、あんたがやったんだろ? そのなんだ、ほれ、このギラギラ、ギラギラっとしたナイフ、怖いね~、これだよ、このナイフでグザっと?」。 「だからねバーニー、なんど言ったらわかってくれるわけ? わたしが現場についた時はすでに死んでたって言っているでしょ。まったく頭悪いんだから~」。

エッセー「"河童の三平 妖怪大作戦"の想い出」

 小学校3年生の頃、毎週金曜日のお楽しみと言えばNET(現在のテレビ朝日)で午後7時30分から放送されていた「河童の三平 妖怪大作戦」である。  このドラマは、河童の国で妖術を身に付けた主人公・河原三平が、河童の国の王女・カン子、河童の六兵衛とともに、祟りで行方不明となった母親を探しながら妖怪退治の旅を続けるというロードムービーである。  主人公の河原三平を演じたのは「仮面の忍者 赤影」の青影役金子吉延。そして河童の国の王女・カン子のお付き役の六兵衛を演じたのは「仮面の忍