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【#一日一題 木曜更新】 母ちゃんも夕方泣き

山陽新聞の「一日一題」が大好きな岡山在住の人間が、勝手に自分の「一日一題」を新聞と同様800字程度で書き、週に1度木曜日に更新します。 

 主婦歴20年。20年経ってやっと気が付きました。私の夕方の機嫌は冷蔵庫のぱんぱん度のいかんによるものでした。

 在宅フリーランス、私にとって仕事がはかどる時間帯は午前中。家族を送り出して朝食をとり、軽く家事をしていつでも外出できるよう身なりを整えて、業務スタート。日によって差はありますが、だいたいそれが8時から9時の間です。
 途切れる集中力をだましだまし延長させ、昼食はとったりとらなかったりで16時を迎えると、なぜかにわかに胸騒ぎがしてきます。
    ああ、今日の夜ご飯はどうしよう。昨日は魚だったから肉にしようか。それともパスタでも茹でて麺ごはんにしようか。部活帰りの子らに麺だと足りないか。何かサイドメニューがあれば大丈夫か。でもおかずを用意するならご飯を炊いた方が合理的じゃないのか。と、毎日のことなのに悩みは尽きません。いや、毎日のことだからこそともいえる。うん。
 そんな悩みも冷蔵庫に食材が潤沢にあれば、私にとってはそうたいしたものではないのです。調理は苦ではないため、飢えた子どもたちの腹を満たすにはどうしたらよいかと思案を巡らせるのは、わりとたのしい作業。
 反対に冷蔵庫にめぼしい材料がないときは、16時を迎えると泣きたくなります。食事作りのスタートラインが「買い物」のせいでずずずいーーーっと後ろに下がり、その買い物の目的から予定を組み立てなくてはならなくなる。今日1日の夜を済ませるだけの買い物でよいのか、それとも明日の分も買うのか、せっかく行くならむこう1週間をしのげるだけ買うべきなのか。持っていくエコバッグの大きさはどうしたらいいのか。台所と仕事部屋を行ったり来たりしながらそんなことをぐるぐると考えているうちに、時刻は17時です。今から買い物へ行ったら帰りは18時近く?泣きたい。なぜ16時の時点ですぐに出かけなかったんだろう、私。

近所から夕方泣きをする赤ちゃんの声が聞こえました。わかるよその気持ち。と心の中で一緒に泣きながら、今日も私は重い腰を上げてスーパーマーケットへ向かいました。

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