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推敲クラブ~CafeBarDonna~

推敲クラブ
あ、なんだかペンクラブみたいで恰好よい。「推敲しなくちゃ」と口に出してみると、自分がとてもよい文章書きのような気持ちになりますね。5月23日の昼下がり、コーヒー片手に嶋津さんの「CafeBarDonna」で開催された推敲クラブに参加しました。

今回、嶋津さんはじめ皆さんからの質問を受け、いかに自分が普段「感覚」で仕事をしているか思い知らされました。「ライティングセオリーの言語化」という新たな課題が、頭の中をぐるぐるしています。

それはさておき。

最近多いインタビュー記事の仕事を元に、あれこれお話をさせてもらいました。インタビュー記事をまとめる仕事、ほんっとうに多いですね。「取材が好き。話が聞けて楽しい」というライターさんの声もよく聞きます。しかし、わたしの今の主な仕事は「アンカー」。取材はせず、資料や取材音源を元に記事作成の工程を担当するライターです。「取材が楽しい」とは少し状況が違い、ライティングに集中できる仕事で、これはこれで面白い仕事です。

クローズな場のCafeBarDonnaの話をすべて出すのはナンセンスなので、嶋津さんにOKをもらった上でひとつだけ。

皆さんとのお話の中で印象に残った質問は、「インタビュー記事を組み立てる中で、インタビュイーの言葉をどこまで尊重するのか? 言葉の言い換えはどこまで許されるのか?」というもの。(その質問に至るまでに、様々なやりとりがあったのでやや唐突ですが、その前後は割愛します)この質問は、私自身が最も感覚で片付けていた事柄でした。しかし、質問が来たからには言語化しなければ…!

若干の時間をもらい、ぐぐぐっと思考を掘り下げました。とはいえ、おそらく数秒だったと思います。皆さんとの対話で脳みそはすでに柔らかくなっていたのでしょう、わりとすぐにこれだと思える回答が。

インタビュイーにとって、そのときにブームになっている言葉ってあるものです。しかし、記事全体にその言葉をまぶしてしまっては、せっかくの言葉が埋もれてしますし、しかも読みにくい。推敲の際、重複が過ぎる言葉はまっさきに削る対象になってしまいます。話しているときよりも、文章化されてからの方が言葉の重複は目立ってしまうのです。

そのようなとき、連続して出てくる言葉を記事に用いるのは、インタビュイーがもっとも大切にしているであろう質問事項の回答場面のみに絞ります。ご自身の想いとか、将来の展望などですね。その他の場面では、できる限りの言い換えをして処理します。もちろん、その言葉が嘘にならない配慮は必要です。

「自分の中で大きな意味をもつ言葉が、ここぞと思う回答の場面で使われている」
そのような記事構成になっていれば、たとえ他の場面での言葉が言い換えられていても、おそらく、ディレクターもインタビュイーも納得してくれるはず。もしかしたら、気が付かないこともあるかも。それくらい、ナチュラルに言い換えられたら成功です。しかし、インタビュイーの個性を強烈に引き出したいときは、あえてくどい内容にするときもありますけれども。

書き終えたら、話の全体を把握して、書き変えた言葉や場面を記事内容にマッチしているか推敲する。矛盾はないか、嘘はないか、書き手としての自分の中だけで完結している言葉はないか? その書き換えと推敲は、アンカーライターの腕の見せ所だと思っています。

web上の地方メディアもおもしろメディアも、インタビュー記事は欠かせなくなっています。人は結局、人を知りたい、現場の生の声が聞きたいものなんですね。ただラッキーなことに、そのためインタビュー記事がまとめられるライターは重宝されるなというのが、私の体感です。もちろん、取材にも出れたら言うことなし。

記事内の情報を整理して、的確にインタビューの内容をまとめるのがアンカーの仕事です。時にはあらゆる時間軸の回答をミックスさせ、構成にマッチした「語り」を書き起こします。発した言葉のママを書き起こすのでは、それは「仕事」ではありません。

★★★

オンラインで顔を合わせた、お久ぶりの書き仲間。2020年の初めまで、実際に会って交流していた友人もいました。さびしいねえと思いつつも、このようにオンライン会議のツールが一般的になったのは、本当に嬉しいですね。CafeBarDonna店主の嶋津さん、ご参加くださった皆さん、ステキな時間をありがとうございました。

と、きれいに〆たいところですが、最後の最後に出てきた鈴木鮎氏の名言を。

「書かなきゃ、推敲できないっスよね」

本質…!


推敲力高めるためにも、とにかく書け!!


おあとがよろしいようで。(ほんとうに〆

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