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■初心者でもわかる初めての強み理論〜第2話「強みの発掘方法」

クニです。

前回は『強みとは一体何なのか』、強みの特徴といったものについて解説しましたが、今回は、『ではその強みをどうやって見つけたら良いのか?』つまり『強みの発掘方法』についてご紹介していきたいと思います。

前回の記事はこちら
初心者でもわかるはじめての強み理論「強みとは何か?」

強みの発掘法は大きく分けて3つあります。

順番に紹介していきますので、できれば1つずつやってみてください。

■強みの発掘方法1:ポジティブフィードバック

強みを発掘するための第一の方法が『ポジティブフィードバック』です。

ポジティブフィードバックというのは、元々は化学用語なので、別分野で聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれませんね。

『小さいものが、回転して大きくなっていく』というような意味の言葉です。

強み発掘におけるポジティブフィードバックは、『他人に、自分の強みを聞く』ことによって行うことができます。

他人から情報をもらって、自分の強みに気がつこう!ということなのですが、やり方を間違えると強み発掘には結びつかず、ただの長所発見で終わってしまうので、これから説明するポジティブフィードバックのやり方をよく見てから行いましょう。

【最低30人に質問を行う】

ポジティブフィードバックは、多くの人に質問を行い、その結果を分析することによって、自分の強みを見つけていく方法です。

この方法は、1人1人に自分の強みについて聞かなくてはならないため手間がかかります。

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しかし、数が多ければ多いほど自分に対する情報が集まるということでもありますので、できるだけ多くの人に質問を行ってください。

30人ともなると、普段あまり親しくしていない人や、日常的に距離のある人、年に3回くらいしか会わない人にも尋ねなければ、数が足りません。

場合によっては、過去に1度しか会ったことがないような人にも、聞かなくてはならないことがあるでしょう。

どんな相手にでも、選り好みをせずに聞きましょう。

そのことが、あなたの強み発掘につながります。

【聞いてはいけない質問を避ける】

ポジティブフィードバックには、聞いてはいけない質問方法が2種類あります。

この方法で質問をしてしまうと、うまく強み発掘をすることができなくなりますので、聞いてはいけない質問方法を避けてください。

聞いてはいけない質問の1つめは「私のいいところは何ですか?」「私の長所は何ですか?」というものです。

ありがちな質問方法ですが、いいところ、長所……というような聞き方をしても『明るい』『仕事ができる』など、場面を変えれば誰にでも当てはまるようなことが出てきてしまいます。

強み、つまりオリジナリティを求めたい時に、この質問方法は全く意味をなさないのです。

そして、もう1つの避けたい質問は「私の強みは何ですか」というもの。

強みを見つけたいのですから、私の強みは?とストレートに聞くことは、一見妥当なような気がしますね。

しかし、聞かれたほうは『強みとは何なのか』をきちんと把握していないので、知らないままに勝手な主観で、勝手にその人が思っていることを言われてしまいます。

つまり、質問をしていることと得られる答えとがちぐはぐになってしまう可能性が高いのです。

【相手によって質問方法を変える】

聞いてはいけない質問方法を2つ挙げましたが、それでは、どのような聞き方ならば、適切に自分の強みを他人から教えてもらえるのでしょうか。

質問をしたい相手が親しい間柄の人ならば、『能力と強み』の違いを相手に話した後に、「自分のオリジナリティ、個性のある強みは何かな?」という聞き方をすることもできます。

これならば、能力と強みとは違うということをわかってもらえた上で、あなたの強みはこういうことじゃない?という答えを引き出すことができます。

ただこの方法は、便利で確実ですが、関係性の薄い人にはやりにくいですね。

そこで、相手との関係性によって質問の内容を変えると、的確な答えを得やすくなります。

例えば相手が部下や上司、取引先など、仕事関係の人だったら、自分について「客観的に私を見て、コイツはこういうところがなかなかやるな!と思ったり、ああいう仕事をやり始めたらすごく集中しているな!と思うようなこと、何かありますか?」という聞き方をしてみるのは、どうでしょうか。

『集中』というのは1つのキーワードです。

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人は強みのある分野において集中しやすいですし、他人の目から見ても、集中しているかどうかというのは、割とわかりやすいですよね。

また、相手が親や、昔の同級生ということもあります。

強みは変化しませんから、親にも昔の同級生にも聞くことができるものです。

そのような相手ならば、子ども時代や昔のことを思い出してもらって、「あのときはどんな風に私のことを見ていたか?」「子どものくせに、なかなかやるな!と思っていたことって、ある?」などと聞いてみると良いでしょう。

【「ない」と言われた時の第2の質問を用意する】

実は、自分の親に対して自分の強みを聞いてみたときに「そんなところ、ないよ」と言われてしまった、という経験者は少なくありません。

ただ、せっかく話を切り出して聞いてみたのに、「ない」と言われて「あ、そう……」と引き下がってしまっては非常にもったいないですね。

こんな時は、自分の親に対して他にどのような聞き方ができるかな?と頭を使い、質問をする前に、第2、第3の質問……いわば、すべった時の保険の質問を用意しておくと良いですね。

親というのは遠慮がないものですから、あらかじめ「もしも、『ない』って言われたら……」ということを考えておけば、質問ミスはだいぶ減ると思ってください。

【ネガティブな内容を言われてしまったら…】

時にポジティブフィードバックを行うために相手に質問をしたところ、ネガティブな回答を出されてしまうこともあります。

良いところを聞いているのに、悪いところを言ってくるようなケースですね。

このような回答は、最終的に強みの発見には役立たないので、ネガティブな答えは省いて考えましょう。

ただし、質問をする段階から、相手がネガティブな回答を導き出さないような質問方法ができているか?と考えておくことも重要ですよ!

【集計をすることが大切!】

30人、40人の人に質問をした後は、彼らの答えを集計することが大切になります。

多くの人に質問をしてみると、私たちはつい、身近な人の意見、あるいは最初に聞いた意見に流されがちになります。

しかし、どの人が言った意見にも重要性の差はありません。

清き一票として票数集計を行い、自分の強みナンバー1、2、3を発見しましょう。

ただ、数が多かった意見だけが正答ではないこともまた事実です。

複数の人から強みとして挙げられたものは、あなたの強みの中でも、他人にわかりやすいものだということでもあります。

つまり、オリジナリティが低いという可能性もあるわけです。

ですから、ここで出てきた票数の多い強みを、さらに掘り下げて、「自分の何がこの強みを出させているのか?」と考えてみると良いでしょう。

それこそが、あなたの本当の強みなのかもしれません。

また、票数を集計した結果、数が集まらなかったもの、票数が少ないものにも、同じように注目してみてください。

他人から意見は出たけれども、あなた自身が「いくらなんでもこれはないよな」と否定してしまっているもの。

あるいは「こんなことを言われたけれど、言っていることがよくわからん……」とスルーしてしまうようなものです。

思わずそうやって見逃してしまいがちなものほど、あなたが自分自身でも気付いていない強みである可能性が高いのです。

ですから、そのような意見もしっかりと再検証していく必要性があります。

こうしたポジティブフィードバックの中で強みを発見するためには、『自覚と検証』というプロセスも重要になります。

ポジティブフィードバックを行ってみて、「これは自分の強みなのかな、本当に?」と疑いの余地があるものもあるでしょう。

そんな時は、「これは自分の強みである!」と一旦決めつけて、自覚してみましょう。

自覚の中で日々の生活を送ってみると、もし本当にそれが強みだった場合は「おっと、もしかしてこれはどうやら強みだったらしいな!」とわかってきます。

本当はそんな強みがなかった場合は、強みとしての特徴が出てこないので、強みなのか、そうでないかの区別が自然とついてきます。

まずは自覚をしてみて、本当に強みとしての特徴が出てくるのか、こないのか、しばらく時間をかけて検証してみると良いでしょう。

■強みの発掘方法2:ジョブフィードバック

2つめは、『ジョブフィードバック』です。

ジョブフィードバックは、自分の仕事から自分の強みを探っていこうという方法。

実際に、既に仕事として使われている能力の中から自分の強みを主観的に発掘していくので、実践的で、社会で役立つ方向性の強みが発掘できる、というのがメリットです。

ジョブフィードバックの方法は、まず自分の過去を思い起こすことから始まります。

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過去、『自分の仕事の中でうまくいったもの』、『深掘りできたもの』、『労力をかけずにうまくいったもの』を、箇条書きにしてみるのです。

ジョブといっても、社会人になってから給金をもらった仕事だけを思い起こすのでは不足しています。

小学生くらいから今に至るまで、例えば部活動や、学園祭などのイベント、ゼミやサークルでの活動など、過去にさかのぼり多くのことを思い出してください。

そして、能力とか強みとかいったことはあまり考えなくても良いので、とにかくその時うまくできたことを、書けるだけ、できるだけたくさん、一覧にしてみるのです。

書き出すことができたら、一覧を上から下までじっくり見て、系統の似たものをまとめましょう。

例えばある人の場合、本をすごくたくさん読み、論文を書くのはとても楽でした。

高校の時には文章のコンクールに出すよう勧められたこともあります。

大人になってからはコラムを何十万文字も書いてきました。

これらのことから見えてくるのは『書くことに長けている』ということです。

ですから、一覧表の中から『書く』というカテゴリーでグループ分けをすることができます。

あなたの一覧をカテゴリー分けできたら、それらのことをうまく運ぶために、いつもどのような力を使っているのかを考えてみます。

すると、どんな強みが発揮されているのかが明らかになってくるでしょう。

こうしたことで発見される強みは、あなた自身にとって有効な強みである可能性が高いと言えます。

■強みの発掘方法3:フィードバック分析

『フィードバック分析』は、14世紀に修道士たちが採用していた、歴史のある方法です。

ジョブフィードバックは過去の自分の業績から強み発掘を行いましたが、フィードバック分析は未来から自分の強みを発掘する方法。

やり方を説明すれば面倒くさいように思われますが、繰り返し行ったことのある人は実際、確実に自分の強みを発見している的確な方法でもありますので、ぜひ行ってみてください。

フィードバック分析の方法は、まず紙とペンとを用意します。

そして紙に、今後2~3カ月のプランを書き入れていくのです。

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今後2~3カ月で自分がどうなるのかという予想や、自分が求めるモノについて記入します。

この時に書くことは、自分の目標とはちょっと違うというのがミソです。

目標というのは、成果を出すために頑張ることを示していますが、ここで記入するのはあくまでもプラン。

プランとは、旅行に行く時に作成するスケジュールのようなものだと思うと良いでしょう。

いつ、どんなことをするのか?何をする予定か?といったことです。

2~3カ月分のプランを書き込むことができたら、その紙を折りたたんで、封筒に入れます。

封筒はのり付けをして、今日の日付を記入し、机の奥底、あるいは神棚、仏壇など、どこでもいいので、目に付かないところへ封印してしまいましょう。

この封筒を開封するのは、半年後です。

そう、フィードバック分析は1回行うのに半年の時間を要する、非常に気の長い方法なのです。

半年後に開封し、半年前のプランを読んでみると、その中には書いたとおりの結果になっているものもあれば、あれほどプランを考えたのに、全くその通りになっていない、というようなこともあります。

この時、自分が半年前に書いたまま、現実がその通りになっていることは、あなたの強みです。

反対に、全くその通りになっていないことは、あなたの弱み、強みでない部分なのです。

紙にプランを書いた時、どのプランも現実化されているものは、ありませんでした。

そしてプランは、書いたからといって現実化するとは限りません。

物事が考えたとおりに進んで、書いた通りの結果が得られているということは、考えたプランを現実化する力があなたにあるということに他なりません。

つまり、その分野、方向、やり方については、あなたの強みが発揮されているのです。

反対に、その通りになっていないということは、その分野に強みがない、ということでもあります。

プランを現実化する手立てがなく、やろうとしてもできない、あなたの弱いジャンル、弱い物事であると判断することができるでしょう。

例えばある人の場合、このフィードバック分析を2年間にわたり、4度行いました。

その中で、「戦略的にビジネスを動かしていこう・・・」ということを何度も書くのですが、1度も戦略が実ったことがないのです。

1回も現実化されなかったという事実を見て、「これはもう無理だ、自分には向いていないのだ、弱みである」と認めざるを得なくなりました。

そして、「弱い分野であれば得意な人に任せればいい」ということに気付いたのです。

フィードバック分析は半年ごとに強みがわかる気の長い方法なので、挫折しやすい側面もあります。

しかしこの方法を継続している人は、順調、順当に強みを発掘することができています。

ですから根気強く、年に2回、この方法で強みを発掘していくことをおすすめします。

強みの発掘法の中では、イチオシの方法です。

■弱みが見つかった時の対処法は?

さて、強み発掘の中で弱みが見つかってしまうこともあります。

弱みが見つかった時は、どうしたら良いでしょうか?

答えは簡単。

弱みが見つかったら、克服しようとするのは無駄。

きっぱりと諦めましょう!

弱みというのは、脳構造的にシナプスが少なく、電気信号が通っていない分野です。

ですから、どう足掻いたとしても、人の5倍、10倍の努力をして、ストレスを抱えた挙げ句にその分野の中の下くらいまでしか到達することができません。

効率も良くないですね。

弱みとは克服するのではなく、他の人にカバーしてもらう、あるいは道具でカバーすることを検討するべきでしょう。

いかがだったでしょうか?

今回は『強みの発掘方法』についてご紹介しました。

次回は、発掘した強みをどう使うのか、『強みの使い方』についてお話していきます。

お楽しみに!

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