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英文解釈 基礎知識まとめ6(品詞とその機能)

<基本ルールまとめ>

ここまで、英文解釈を行う際に必要とされる知識を一通り見てきました。これらの知識を繰り返し確認しながら、実際の英文で解釈の演習を進めていくことで、基本的な英文解釈の力が養われていくと思います。(ただし、特に初期は完全な独学は難しいので、参考書などでの演習中の不明点を、信頼できる先生に適宜質問しながら進めるのが望ましいです)

今回からは2回に分けて、今までの知識の確認として「品詞とその文中での機能」「それぞれの句・節を作る形」について総まとめをしていきます。
以下に、今回の内容をまとめた「基本ルール1・2」のpdfを置いておくので、必要に応じて参考にしてください。




<品詞とその機能>


まずは、品詞のうち主要な4つ(名詞・動詞・形容詞・副詞)が、それぞれ文中でどんな要素になり、どんな機能を果たすかを改めてまとめていきます。(「品詞」や「文の要素」について分からない方は、以前の基礎知識まとめ1基礎知識まとめ2を参照してください。)

また、以前の記事で扱っていない用語も出てきますが、現時点でよく分からない場合はあまり気にし過ぎず一旦先へ進んでください。

【名詞】

① Sになる ② Oになる ③ Cになる ④ 前置詞の目的語になる ⑤ 同格 ⑥ 副詞的目的格


④前置詞の目的語になる
→前置詞の後にくる名詞のことを文法用語で「前置詞の目的語」といいます。意味としては「前置詞の後に名詞がくるよ」くらいに捉えておいて大丈夫です。

⑤同格
→英文中で名詞(やそれに相当するもの)A・Bが2つ連続して置かれた場合、その2つの名詞がイコールの関係になることがあります。これを「同格」といいます。「BというA」「AはBなのだが」など、イコール関係が分かるように訳出することになります。

My dogLemon is friendly to her.
(うちの犬のレモンは彼女に懐いている。)
(うちの犬はレモンというのだが、彼女に懐いている。)

 "My dog"は「所有格+名詞」のかたまりで文の主語S、"Lemon"は名詞で、直前の"My dog"の情報を追加する「同格」になっています。
(同格の"Lemon"の部分は(M)としてもよいですし、Sの一部だと考えてもよいです。)

⑥副詞的目的格
→本来名詞(やそれに相当するもの)であるはずの語句が、副詞と同じ働きをする場合があり、それを副詞的目的格と呼んでいます。特に、時・場所・様態・数量などを表す名詞が多いです。

(「副詞的目的格」という用語については不正確なのではないかという考えもあるので、あまり用語自体にはこだわらず、「名詞が副詞的に使われるもの」くらいの理解でOKです。)

➤ I bought this watch last week.

"last week"はweekという名詞に修飾語として形容詞lastがついたもので、あくまで名詞(句)だが、この文では「先週→買った」と動詞"bought"を修飾しており、副詞として機能している。

※ 他に、~hour(s)/~minute(s)/~second(s)/~month(s)/~years/~times/all night long/
every day/one day/these days/next~ など


【動詞】

① V(述語動詞)になる 
② 準動詞(to不定詞・原形不定詞・動名詞・分詞)になる


②準動詞になる
→準動詞とは、「to不定詞」「原形不定詞」「動名詞」「分詞」の総称です。簡単に言うと、動詞でありながら名詞・形容詞・副詞など他の品詞の機能を併せ持つものを指します。
現時点でよく分からない場合は気にしなくてよいので、今後文法の各分野ごとの学習で詳しい内容を身に着けていきましょう。


【形容詞】

① (M)になって名詞修飾 ② Cになる


①(M)になって名詞修飾
→形容詞が修飾語(M)になるということは基礎知識まとめ2でも確認しました。
文の要素として(M)になるものは、さらに何を修飾しているかまで確認していきましょう。形容詞が(M)になる場合は、名詞修飾です。


【副詞】

① (M)になって動詞修飾 ② (M)になって形容詞修飾 ③ (M)になって別の副詞修飾 ④ (M)になって文修飾


英文のそれぞれの品詞は辞書で確認し、それが文中でどんな機能を果たしているかを上記の「基本ルール1」をベースとして考えて文全体の構造を把握する。これを繰り返し練習していくことで英文を精読するときの頭の働かせ方が分かってくるので、最初は丁寧にゆっくりと解釈に取り組んでみてください。

次回は、「句・節を作る形」についてまとめていこうと思います。


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