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ご当地落語 芦ノ牧温泉滞在記~序~

2021年の初秋に突然TwitterのDMが届いたのが全ての始まり。
DMの相手・立川こしら師匠とは数年前に『味園落語研究会』という
落語ポッドキャストのお仕事でご一緒したものの、それからは
大阪の独演会に時々足を運ぶ程度の一方的なファン状態。
そんな僕に来たのが「福島の温泉地に行って落語台本を書く」という
正体不明の仕事。しかし、正体不明な仕事なら一旦引き受けるべき!
というわけで、ここから芦ノ牧温泉への長い道のりが始まります。

着々と進むご当地落語プロジェクトの準備。その進捗を見ながら、
どんな仕事になるのか想像もつかないまま小野川温泉の1日目が
始まりました。
こしら師匠を始め、参加されている落語家の皆さん&作家のナツノカモ先生
から次々と送られてくる現地の様子を適宜確認。しかし、インタビューや
現地調査の動画が日に日に増加していく!そして、迎えた4日目の本番。

焦りました。「マジでヤバイぞ…。」と腋汗が止まらなくなりました。
全ての高座が当たり前のように面白いし、ネタの種類も根問からハートフル
な現代ものまで豊富。そして、それらを全て手掛けるナツノカモ先生。
作家としてプレッシャーなんですけど!!

こちらが小野川温泉 鈴の宿賞を獲得した立川寸志さんの『鰯地蔵』。
偽古典らしさを保ちつつ、様々なキャラクターが行き交う爆笑巨編です。

「これはえらいプロジェクトに関わってしまった…」
そして、翌週の第2回公演が開始。
こちらも上方の桂優々さんが入って、1席目からガラッと空気が様変わり。

個人的には柳亭信楽さんの『ご当地ドラマ』みたいな実験的落語をここで
提案するカモ先生のキレっぷりに震えつつ、ご当地という縛りの中であれば
大丈夫という懐の深さも感じられました。
そして、柳家緑助さん・こしら師匠のハートフルリレーによる伏線全回収。

「さすがに手ぶらはまずい…」と思い、独自で予習も始めましたが、そんな
付け焼刃で安心を得られるわけもなく、出発前日を迎えました。
(続く)

(余談)
ちなみに、出発前日は西新宿ナルゲキでK-PROさんの公演を拝見。
M-1決勝直前の真空ジェシカを見たはずなのに、ネタの記憶がありません。
既にプレッシャーが始まっていたのか?



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