シニアの人生は2段階

シニアの定義があいまいで、それがシニア問題の本質をボケさせていることは過去に書いた。4人に1人が70歳以上で、この割合がさらに増加しているにもかかわらず、真剣な議論が公に行われていないのは、残念を超えて、やばいと思っている。政府は、70歳までの就労支援で手一杯の状態で、誰も現在そこに存在する問題に対処しようとしていないように見える。

人生100年時代とくくられて、いかに余生を生活していくかという評論は多い。だけど、シニアライフ(この場合は70歳以上)はそれほど単純ではない。おおざっぱに言って、二つの大きなステージがある。
ひとつは、健康で活動的でありうる生活。健康寿命ともいえる。男性でだいたい80歳くらいまでか。二つ目は、健康を損ない、寝たきりながらも生きながらえる状況の中での生活だ。

健康といっても普通の成人の健康とは違う。私は71歳になったが、この数年における様々な機能障害は、老いるものとしてやむなしかと思う。階段を上るのも相当にしんどくなっていて、運動を怠ると急激な退化に見舞われる。そんな中でも知力を維持して、前進あるのみの生活を維持するのはたいへんだ。この活力がそがれたとき、健康寿命はつきたといえるだろう。ただ、さまざな医療の進化もあり、寝たきりに近い状態になってもITの活用によって知力の維持はできるように思う。補助具の開発も進んでくるだろう。そうした生活を定義する必要があると思う。それは、かなり目の前の現実とは異なる対応の仕方になるだろう。考えるべき事、やるべき事は多い。

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