シニアはまじで自粛する
コロナ禍のなか、さまざまな活動の自粛が求められているが、シニアはまじで自粛する。怖いのだ。その意思は徹底している。外出しない、会合に出ない、もちろん飲み会などはもってのほか。そして、その結果
1.外にでるのが億劫になる。
2.人に会うのが面倒になる。
つまり社会的なつながりを自ら絶つことで、知らぬ間に高齢者うつとなり、寝たきりとなる。男性の健康寿命(自立した生活が送れる期間)は70.42歳なので、70歳は絶妙のタイミングで不健康な状況に陥る。
料理教室は、約16名のシニア男性で毎月おこなわれているが、今年の入って初めての会が6月に行われた。残念ながら退会を申し出た人が2名いた。「出て来なよ」とメールやら電話で参加を促したが、通信もばったり途絶えた。
シニアは、団塊の世代の人たちで、競争にあけくれ、残業も休出もいとわぬ働きバチ。定年後だけを楽しみに頑張ってきた。精神的には強く、プライドも高い。そこそこの生活レベルであれば満足で、読書や音楽にいそしむ。公共の図書館ではこうした人たちが朝9時の開館前に行列をなす。それも、滞在時間の規制がはいり、ますます家でごろごろする時間が増えている。無料のライブ音楽会も規制されてほとんどなくなり、シニアはいたるところで行き場を失ってきている。ITもそこそこでオンラインは苦手。茹でがえる状態のなか、いつしか精神もプライドもぼろぼろになっていく。高齢者うつへまっしぐらだ。
政府はさまざまなコロナ被害者を救済する手段を講じているが、こうしたシニアは3500万人規模(65歳以上)いるにもかかわらず、無策で放置されている。まるで早くいなくなってほしいと言っているかのようだ。だが、結果は亡くなる人はごく少数で大半は寝たきりで医療費を増加させることになるのだ。なんとかしてほしい、なんとかしないと。
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