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外階段

このビルはいわゆるファッションビルとしてオープンした。コンクリ打ちっぱなしでデザイナーズブランドがいくつも入っていて、出入りするスタッフもお客さまも一種独特の自信を纏っていたように思う。

KENZOの鮮やかな原色と花や柄、ドレープがたっぷりしたワンピースやスカート。ショップに170はあるスタイル抜群のお姉さんがいた。華があるを体現していてどこに居てもすぐバレてしまう存在。お酒がすきで夜が似合うひと。と勝手に遠巻きに見ていた。

20数年前、私は新規オープンの雑貨店にたまたまパートで入ったのだけど、採用した地元の企業は婦人服をメインで営む老舗。オープンするまでの期間、メンズのショップで働かないかと打診される。なんで?と思ったけど憧れていたブランドだったのもあり好奇心で飛び込んだ。レディースは先程のビルにあり春夏、秋冬、の2回制服支給という名目で素敵な洋服を選ぶ楽しみがあった。そのブランドが似合うかと言われればたぶんNo。憧れと似合うは別物だとしっているつもり。よくわからず社員のひとたちに選んでもらったものを素直に着ているとなんとなく馴染んでくる。あっという間にショップスタッフとして認識されるのもくすぐったい。ちょっとした優越感を味わっていたあの頃を思い出しながらビルの解体をビデオに撮って仕事に向かった。

今も一着だけそのときのワンピースがクローゼットにある。クリーニングしたままで着ることもなくメルカリや買取に出すこともなく私と一緒に遺品整理される運命。メンズのシャツもあったけど実家でクッションカバーになっていた。ギンガムチェックのフリルシャツ、生まれ変わってよかったね。

外階段がなぜ好きなのかは、今度考えてみようとおもう。

あまりの激痛で、きのうはダウンしていました。養生します。検査で看護師さんがみんなやさしくて泣けました。後日、書こうと思います。健康は素晴らしいです!でもいろんな症状と仲良くするターンにきました。頑張りましょうね私たち。

読んでくださりありがとうございます。