hello world

自己紹介をしようとおもったのでここに書いておきます。
友人に主語がないね。と言われたのですがそれはそれで味なんだろうなとあきらめている。


はいこんこん。

どうも。桜音さなれです。
”とりあえず書け。”
と言われたので書いていこうと思います。

プログラミングではおなじみの言葉から始めさせてもらいました。割と狭い中で音をやっている人です。

自己紹介がてら書いてみるのでとりあえず見ていただければと思います。

経歴的ななにか。

ネットで音響の話をしていることが多くなりました。それゆえに”この人なんなん?”と言われる機会が増えました。
実際のスペックがわからない人が多いので最初にまとめておきましょ。

まずは音を目指すきっかけ

そもそも音響をやるきっかけになったのは高校の吹奏楽部にいるときに。

‐楽器をつくりたい‐

もともと楽器が好きだったのですがとりわけフルートをやっていたこともあり、木管楽器の修理を部活内で行ってました。吹奏楽部ってお金がないので修理をすることができなかったり、最低限修理ができたとしてもオーバーホールまではできない。そんなことが多いと思います。
(最近の高校ではどうか知らないですが…)
割と毎日修理が来る中でOHも同時に行っていたのが懐かしいです。
そして

‐吹奏楽コンクールってなぜか当日に楽器が壊れることが多い‐

なんでなんでしょうか。謎現象ですが、あるある怪奇現象の一つです。
そんなときのために楽器屋さんがいるのですが、楽器屋さんって
”なんでも知ってるすごい方々”
なんですが
”なんでもできるエキスパート”
ではないんですね。とりわけ木管楽器の細かいところはわからないので音が最低限出るところまでしかいじってくれません。(楽器屋さん、ハンマーは万能じゃないんよ)
ということで当日の応急修理をしてました。
音楽というのは楽器と人との対話なのでとりあえずではいい音は出せないんですね。なので人に応じた修理を行う必要があります。
例えばキィのゆがみ方からその人のタッチをみたり、実際にスケールを吹いてもらって癖を探したり。そんな中から修理というのは行います。(調整に近い修理)
それゆえタンポやシェラックの在庫は各メーカーの純正品を持っていなければならなかったので今思えば私は本当に何者だったのだろうか。と思います。
そんな思いから楽器を作る立場になりたいと思い、とあるフルートの工房から内定をいただくことができました。

ここまでは良い話ですね。はい。
ここからなのですが

‐ウチハシンガクコウダカラシュウショクハダメネ‐

といわれ就職を断念します。
どうにか自分の活きる道をと模索しているうちにとある音に目が行きました。そう、それがホール音響です。
ホール音響と言っても一概にあるのですが

‐音がホールに吸われる‐

楽器を演奏した方なら一回は感じたことがあると思います。ステージ音場っていうのは不思議なんですね。(ちなみに音場は”おんば”って読みます)
それを決意して建築学科に進むことになります。

建築学科での失敗

当時私は部活しかしていなかったので馬鹿という言葉につきます。マークシートに( ´∀`)と書いて模試で下位3%に入ったのはいい思い出です。(デジハリでも下位)
しかし、AO入試なんてすばらしい制度があってそこそこ理事長に難のある大学に進学することになります。とりあえず入ることが目標だったのでとりあえず入ったのですがなにもわからないまま2年くらいを過ごしました。ちなみに吹奏楽部(サークルではない)は電車で1時間もかかるので諦めました。3年あたりから構造力学が楽しくなってきて、ゼミは鉄骨構造を専門とする研究室に進みました。これが失敗ですね。

‐ホールはRC造‐

盲点でした。というか調べてませんでした。高校の意気込みは一体どこへいったのか…
とりわけ構造の中でも鉄を用いた構造にはめっちゃ詳しくなります。今でも鐵から離れないのはそのせいだと思います。ちなみにこの時点で微分積分は致命的にできません。

音はどこへいった

さて、ではなんで音にたどり着いたのか。というと多分一社目がブラック企業だったからでしょう。固定残業代3万円で300時間も残業するのはもう嫌です。その後いろいろあって、ITエンジニアに転身することになります。デザイナー兼プログラマー兼CEOなんて謎の事をやってました。今ではここでの経験、かなり役に立ってますね。というかここでそんなことをしなければ音を専門にしていなかったかもしれないです。

さらに紆余曲折ありまして、今度は大学院を目指すことになります。ここが負のスパイラルへの入り口になります。

音の世界

その後、九州にわたりまして音を専門にする場所に住まうことになります。多分人生の半分くらいの密度をここで過ごしてます。
調べているうちにわかったことなんですがステージ音場については実はかなり近代になるまで注目されることがなかったんですね。
STという物理指標があるのですが、死ぬほど難しい話なのでこれもやめておきましょう。いつか話す時間があれば話します。
研究テーマは音場支援技術についてなのですが、ここではあえてテーマは触れないでおきます。なんせゴミ論文なので。

毎日毎日実験の繰り返しです。
今では当たり前になりましたが3D音響の基礎的な分野を同時並行で研究してました。ダウンミックスやアップミックスという言葉があるのですが、複数のチャンネルを一つにまとめたり、一つのスピーカーを複数に分散させたり。そんなことをやる機会が多かったですね。最小二乗法における優決定と劣決定の問題はとても面白かったです。これで実はかなり音が変わるというか、定位が変わってくるんですよね。
それもそれですが録音と信号処理にはかなり苦戦したのを記憶しています。当時実験室が専用であったのでいくらでも実験できたのでとにかく録音しては処理して、録音しては処理して…の繰り返しでした。マイクだったりスピーカーだったりの基礎特性を図るのがまず最初の取り組みだったのを覚えています。そのあとは指向特性をとにかく取ってはプロットして、そこまやったら今度は校正について勉強をして。
でも結局最後に頼りになるのは自分の耳なので録音したサンプルは必ず聴くようにしてました。それゆえに段々と耳で聴き分けができるようになったのでここで苦労していたのはかなりいい経験になっています。ここでも微分積分は致命的にできません。コンピュータに任せるので。

マイクやインターフェースに関しての知識はその後に得ることになります。今でも新製品が出ては聞いての日々を過ごしています。

音響エンジニア?PA?おいしいの?

ということでいわゆる音響さんの話になっていきます。私は致命的に用語がわからないのでこれは勉強しながらです。物理指標的に示せても、それが一般用語でないことが多々あるんですね。

‐Clarityが低いね。LEVがもう少し何とかならないかな‐

これがわかれば苦労はしないです。頭の中では積分式が回っているので何がどうなってこうなっているのかわかってはいるのですがそれを言語化するには何段階も言葉を崩さなくてはなりません。これが今苦戦している理由です。
音響エンジニアの仕事というのは基本的に分担しています。例えばレコーディングエンジニアはマイク、I/Fの知識に長けています。そのうえでミキシングするのですごい知識とすごい耳が必要とされます。かえってPAの仕事は現場で即座にフェーダーをいじれる力が求められます。これも耳で聞き分ける必要があるのですがそれに対するレスポンスがすごいのは見ていると誰も思う事だと思います。これに加えてプログラマや機械工学を専門とする方々が入ってくるのですごい数の仕事があることがわかります。
その中ですべてを平均的にこなす人ってそんなに多くないんです。
音響エンジニアなんて言うと言葉が広すぎるんですね。

エンジニアとしてやっていること

今は”音響エンジニア”なんて肩書を使っていますが、VR空間の音響を研究して日々試行錯誤しています。例えばライブイベントがありますが簡単に作れるようなサウンドではないです。まずターゲットを絞ります。次にイベントのコンセプトを聴きに行きます。この二つを押さえておかなければサウンドが決まってきません。次にやることは聴衆の流動を考えて、サウンドは指向性を持たせたほうがいいのかそれとも全体に響きわたるサウンドがいいのか、はたまた上から降り注ぐサウンドがいいのか。そんなことを考えながら調整する作業に入っていきます。この時忘れてはならないのは趣味ではなく、プロとしてやっている事だと考えています。年々ライブでのクオリティは上がっていっています。それは聴く人の耳が良くなっているという事ですね。ただ、VR空間においてはあんまり音をこだわっている人がいないのも実際です。

‐こだわっていない。‐

これは御幣があるかもしれません。音を奏でるプロはたくさんいるんです。でも、それを聴く音にするプロが絶望的に足りてません。音は楽器と人の対話であると前述しました。これはアナログな楽器に限られます。これに対してディジタルが少しでも入ってしまえば途端に音響専門がいないといい音には成りません。できた音は今度は空間との対話がいるんですね。そのためにエンジニアは血反吐を吐きながら演奏者と聴衆の橋渡しをしています。収録するためのマイキング、配信ソフトの特性、ルーティング…
仕事としては多岐にわたります。それに対して与えられる時間はわずかです。どこに時間を割くのかこれがテクニックとして求められるところです。もちろん完璧な音というのはレコーディングスタジオでしか得られないので”聴衆が心地よく感じるにはどこを調整するのか”がカギになります。

あと、とにかく調整するうえで大切で最も基本的なスタンスがあります。

大切なこと

これは人によって異なるのですが、音響エンジニアとしては演奏者と聴衆の橋渡しをしているので、まずは良い音であることが大前提にはなりますがイベントにおいては音がどんなに完璧であっても失敗な現場があります。

‐自分のバンドのファンを一人でもつくってもらう‐

極論これのために仕事をしています。せっかく演奏をしに行くイベントでせっかく聴きに来てくれる人がいるのだからイベントとしてはこれが成り立たなくてはただ演奏をする機会があるだけになってしまいます。もちろんそれでいいというバンドさんもいますが音響としてはそういうわけにはいきません。エンジニアは聴衆に対して満足する音を提供する責務があると思っています。最大限の効果を得るために音作りをするのがエンジニアの仕事になります。なので私の入る現場はゲネまでずっと楽できるタイミングがないです。
では最初から全部作ればいいのか。といえばNoです。エンジニアは音を良くすることしかできないので演奏自体はそれぞれの方のテクニックに頼る。というか演奏してくれる人自体がいなければそもそも仕事にならないのでそんな方々のポリシーをどうかしてまで音作りをする気はありません。
もう一つ大切なことがあって

‐バンドを自分のおもちゃにするな‐

これは音界隈でありがちな失態です。求めるものが大きすぎるがゆえに演奏者の才能に対してのアプローチがかけるパターンです。とりわけリスナーの方が音楽に対して方向性がどうと話すことがありますが、ではその人が演奏したら一番いい音になるんじゃないか。と思います。ユーザーとしては当然の反応ですが、実際自分の音を奏でられるユーザーはどれだけいるのか。ほぼいないです。奏でる音には人間性だったり、さらには生まれてから今に至るまでのメッセージが込められています。それは私自身にもあるのでそれが音作りにつながってきますし、多分スタンスもそういうところから生まれたものなのではないかなとも思います。なので簡単に真似できるものではないし、多分真似したところで本物にはなれません。まず、演奏者がどんな演奏者なのかを徹底的に分析してその人となりがわかるような音作りを心掛けています。そうでなければ大衆音楽と何ら変わりないものになってしまうので、VR空間上でYoutubeを見たほうが余程楽しい体験ができると思います。
なぜ今、なぜここで、なぜこの人が…これを考える必要があります。Youtubeで得られない体験を作るために主催者の方々と打ち合わせることになります。これが演奏会の本質なのではないでしょうか。

ライブイベントの中で音響エンジニアは何をできるか考える機会がありましたのでここに書いておきます。

とあるイタリアンレストランに行ったとしましょう。
そのレストランを経営しているのは主催者さんです。
次に必要になってくるのは席が必要です。これがワールド製作者さんですね。お皿も一緒に用意してくれることが多いです。
せっかくレストランに行ったので料理を食べたいですね。
では料理を注文しましょう。
料理をするときに素材がなくては料理ができません。
レストランのこだわりの素材。これが出演者さんに当たります。
では素材を料理するのに最後に見栄えが良くなくてはキャビアだろうがフォアグラだろうが食べる気になりませんし、おいしいと思えませんね。
最後にスパイスを加える作業。これが音響エンジニアの仕事になります。
つまり音響の仕事なんて最後に彩るだけしかできなのです。

やっとおわりだよ。

長々と続けてきましたが、音響エンジニアとして活動するに至った経緯や、今取り組みとして重要視しているポイントを説明してきました。とはいえまだまだ勉強しなくてはならないことが多々あるのでここで満足する気もありません。様々な音を奏でて、よりよい音を探求していく。今取り組んでいる事の一つです。きっと一年後の今頃には音響エンジニアが市場に入ってきて、劇的に音環境が良くなります。そういうアセットも出てくるでしょう。その市場を作りだすのもある意味、自分たちの仕事だなと思うので入るだけの価値のある市場にするために活動をしていきます。

以上、自己紹介でした。
長いですね。読んでくれてありがとうございました。


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