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いちいち、たちどまる。

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ほっとけばいいのに「あれ?」って思ったことを書いてます。 400〜800字程度の短いエッセイです。 メンバーシップに入ると全部読めます。
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#ノンフィクションが好き

ひとたらし。

彼女は留学に行けなかった。だから地元の岡山でインターンを始めた。それがたまたまわたしのところだった。そんな始まり。 圧倒的な自己肯定感。わたしのことを愛さないなら、世界の方がおかしいんじゃない?とでも言わんばかりの万能感。彼女は嫌味のなく、意識なく、人をたらしてしまう。そのはじめてのインターン先に選ばれたのは幸運だった。 はじめこそ戸惑いはあったものの、その圧倒的人間力で仕事を覚え、仕組みを覚え、人といふものを覚え、すぐさまエースに。彼女に頼ることでようやくわたしたちのチ

卒業。

出会ったのは、彼女がまだ高校生の頃だった。 聡く、穿った彼女は、初対面のわたしに と言い放った。無意識に心がけてたことを出会ってすぐの高校生に言われた経験は、わたしの中の思い込みをまた一つ破壊してくれた。 彼女も大学4年生になり、この四月から社会人として働く。わたしはもう卒業しない。時期を区切ることがなくなっている。当たり前に日々が続く。それに違和感を持つこともなく。 彼女の卒業は、そんなわたしに何をもたらすのだろうか。わからない。わからないけど少し苦味みたいなものがある

質問したい人と、聞いて欲しい人。

いつからだろう。 多くの人の前で話すのに緊張しなくなったのは。 お呼ばれして、全国の地方を回る。会場には数百人の人が話を聞きに来てくれる。多い時も少ない時もあるけど、「はじめまして」の人にたくさん会う。 わたしが今まで考えてきたことや体験してきたこと、できるだけその場にアレンジして「伝われ!」って気持ちで話す。この言い方なら伝わるかな、こういう順番ならわかってもらえるかな。そんな試行錯誤は疲れるけど、心地良くもある。 だから、会場からの質問はとても嬉しい。的外れでもいい

タイムリープの夢をみる。

高校生の時から、タイムリープをよく考えるようになった。以前はタイムスリップだったか?いずれにせよ、わたし自身がその身のまま過去に行くわけではなく、記憶だけもって幼きわたしになるというものだ。そういう夢もよくみる。 今に後悔はないし、どちらかというと、奇跡的にうまく行ったことの連続で今のわたしがあると思っているにもかかわらず、である。不思議だ。 いや、少しは「後悔」のようなものがあるのかもしれない。

嫉妬の対象。

どんなにすごい起業家さんやキャピタリストさんを見ても嫉妬したことはないけど、どこの誰かもわからない人の文章に強烈に嫉妬することがあるから、それがもう答えなんじゃないかなと最近思う。 あんまり気付きたくなかった真実。 今日はたったそれだけ。 他のエッセイはこちらから👇

カリスマ性のある人。

「カリスマ性ありますね」

思い出せない夜。

叫び出したい夜がある。

誤解されるけどやらないとならないこと。

差し出すように話をすることがある。 伝わらないかもしれない、だけどこの形じゃないと伝わった時ズレてしまう。そういう時に、身の全てを差し出して、誤解されることも覚悟して話をする。 2時間半の講義を3回受け持った。 初回、心無いコメントが多く飛んできた。

ありえたかもしれない1つの人生。

深夜。友達からの連絡。こちらが送られてきた。中身は40代元司法浪人生の他愛もない日常。ほろ酔い気分で気持ちよく寝ようと思っていた時だったのに、くらってしまった。 青春を送れなかった若き日を引きづり、40代を超えてもなお大学生の女の子を「お姉さん」と思ってしまう自分への解像度の高さ。自意識は高いのに、メタ視点があり、でも何も癒されてない。 心の叫びなのかひたすらに読ませる。読んでしまう。脱ぎ捨てたはずのものを呼び覚まされてしまう。あり得たかもしれない人生に思いを馳せてしまう

それは、あなたが変わったんじゃない?

全身黒。髭と長髪。どこにいてもオーラを感じる。そんな先輩がふらっとお店に入ってきたのは23時を過ぎる頃だった。久しぶりの再会である。ただ悲しいかな、お酒が入り始めて4時間を経過しているわたしの記憶はその頃からぶつ切りである。 先輩と初めてお会いしたのは、西粟倉村という人口1400人程度の村。当時のわたしはとあるプロジェクトに本気で取り組み、その結果、村にいられなくなる直前だった。初対面であるにも関わらず、飲みながら、泣きながら「悔しいです」と繰り返すわたしに真摯に向き合って

人を見る目なくていいなぁ。

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甘え。

「それは甘えですよ」 気心の知れた友人たちとゆったりとソファーに座って語り合う。普段は細心の注意を払って会話をするけど、今日は気楽に思っていること、考えていることをぺらぺらと喋っていた。たまたまその場にいた彼女は、目的のために手段を尽くさないわたしにイライラしていたみたいだった。「私なら、まず代表者の人に会いに行きますね」「断られてもいいじゃないですか、ビジネスってそういうものでしょ」。営業が得意という彼女の論理は明確で、そのために疑いもなく言い切れる姿は清々しくもある。

悪意に鈍感なのかもしれない。

どうやら嫌われているらしい。

誰か一人のために書きなさい、ができない。

誰かに向けて書くことがどうしてもできない。 よく文章術系のノウハウにある「誰か1人に手紙を書くように書いてみましょう」。これが本当にダメ。絶対書けない。 何度も挑戦はしたけど、やっぱり無理。誰かって誰だよ...。