見出し画像

当事者研究、マイノリティの視線、アート、OnlyOneOf

当事者研究について、少しはまじめに(?)勉強しようと、この本を読んでいたら、次のような文章に出会いました。

多くの人が享受している当たり前のことを、少数派も享受できるような社会。これを実現するための運動を、広く当事者運動と呼ぶならば、当事者研究誕生の背景には、当事者運動の理念が存在していたといえる。

熊谷 晋一郎,『当事者研究――等身大の〈わたし〉の発見と回復』

つまり、当事者研究って、そのままマイノリティの話でもあるのだな、と理解しました。
そして私の脳裏に、ある文章たちが想起されました……。

Among the countless lovers in the world, there are also lovers that couldn’t be blessed.
For whatever reasons.
Religious reasons, things like parents’ disapproval.
I dedicate this song to all those lovers that couldn’t be blessed.

世界中に数え切れないほどの恋人たちがいる中で、祝福されない恋人たちもいます。
宗教的な理由や、親の反対、どんな理由であれ。
この歌を、祝福されていないすべての恋人たちに捧げます。

OnlyOneOf, 'begin' MV概要欄より(拙訳)

I couldn't confess because I didn't want to get hurt
The moments of hesitation.
Let's talk even if we're hurt.
Even though it's broken and painful,
Let's face it together.

傷つきたくなくて告白できなかった
ためらいの瞬間。
私たちは、傷ついてでも話そう。
たとえ壊れても、痛くても、
一緒に向き合おう。

OnlyOneOf, 'be free' MV概要欄より(拙訳)

How did our music reach you, who are far away?
How did our small melody created in Korea reach you, who are on the other side of the world?
To all those lovers in the world who do not feel like they’ve been given the blessing,
We hope our music will comfort you and cheer you up.
We hope you’ll dream the same dream as us.

遠く離れたあなたに、私たちの音楽はどのように伝わりましたか?
韓国で作られた私たちの小さなメロディーは、地球の裏側にいるあなたに、どのように届いたのでしょうか?
祝福されていないと感じている、世界中のすべての恋人たちへ、
私たちの音楽があなたを慰め、元気づけてくれますように。
あなたが、私たちと同じ夢を見てくれますように。

OnlyOneOf, 'beyOnd' MV概要欄より(拙訳)

もうこの文章が、美しすぎて、尊すぎて、写してるだけで泣けてくるんですけど、それはそれとして……。
これってそういうことじゃん……。当事者運動じゃん。

何が言いたいかっていうと、私が尊敬しているOnlyOneOf(というKPOPグループ)が発信しているメッセージ、それが当事者研究の姿勢と重なる、と思ったわけです。彼らはアートという形で研究・運動している。というよりも、当事者研究のクリエイティブな方法・発露の一つがアートである、といえるのかもしれません。

とか思いながらYouTubeでOnlyOneOfの動画を見ていたところ、目に入ったコメントからまたもや名文が……。

stanning OnlyOneOf is not just a hobby, not a job, it’s a lifestyle, a reason for breathing, a mindset, a way of life.

OnlyOneOfを推すことは、単なる趣味ではなく、仕事でもない。それはライフスタイルであり、呼吸する理由であり、価値観であり、生き方なのです。

unknown, YouTubeコメント欄より(拙訳)

……しびれるなぁ~。そう、そうなんだよ……。「呼吸する理由」になり得てくれる存在、それが「推し」なんだよ。……泣けるなぁ~。

そんなわけで、自分も、この宇宙に生きる小さな塵の一つではあるけれども、OnlyOneOfを聴きながら、そして泣きながら、一ミリずつでも、当事者研究していこう。そして呼吸しよう。
そう思った夜でした。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?