見出し画像

先行き不透明な今

2022/8教室だより

先日、Lineで保護者の皆様にお知らせした脳科学者・中野信子氏氏インタビュー記事にもございましたが、今は、不確実性の時代、VUCA(ブーカ)の時代と言われています。
VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)。

私はこのインタビューの中で、最後の、このくだりが一番好きです。

これからの時代を担う子どもたちを育てる親世代に向けてメッセージ

どれだけ長い間、負けずにいられるか。これからの時代は、この発想が求められるでしょう。勝つことに固執すると、協力構造が築きにくくなり、周囲から入ってくるはずの情報が減ってしまいます。
親が率先して「一緒に負けないでいよう」という信頼のおける仲間を作っていくようにすれば、自ずと子どももそうなるはず。子どもは親をよく見ていますので。

https://news.mynavi.jp/kikaku/20220719-kumonfuturelab-04/?trflg=1
不確実性の時代に学びの喜びを。
脳科学者・中野信子氏が考える「文字情報を読み取る力」の必要性
マイナビニュース

そして、子育ては、誰かに勝てばいいというものではない。一緒に負けないでおく、という言葉に、私自身も教室に通う保護者の皆様と仲間でありたいと願うと同時に、背中を見せるのは、やっぱり大人である私たちなんだなと強くあらねば!と思わせてくれるこの文章に感動しておりました。

さて、今回は、こういう時代だからこそ、教育を少し違う観点で考えてみます。

子ども一人あたりの教育費

教育は投資です。子どもを投資先と考えれば高い教育費もしかたないとも言えますが、今の日本の教育費は世界的に見て大変お得という意見もあります。それはそうでしょう。ただ、日本で生活している以上、ロマンで語らず、やはり現実はしっかりと見ておく必要があります。現実を見ないで勢いで決めると、後悔に繋がります。

参考までに超ざっくりとした教育費のイメージを、
今は、諸々の手当があるかと思いますが、それは入れずに述べます。

全て国公立で大学まで一人、1000万、全部私立だったら、その2~3倍ほどかかる、そこに塾代。この塾代が実は、一番高いのです。
私立に行けば塾に行かなくても大丈夫というのは大きな勘違い。
私立小、私立中に行く子たちも、塾に行く傾向があることは頭に入れておかなければならない。

そして、私立小、私立中受験のための塾や受験費用は、それぞれ200~300万円と言われています。
当然、塾に通う期間が長くなればなるほど、金額が増します。

日本の平均賃金や初任給、海外との差は驚くほどです。日本からいつでも飛び出せるように、海外の人と対等に渡り合えるように、だから、英語も当然できるべき。できることなら、1度は学生時代に留学ができるといいですよね。

正解は無い時代なのだから、物事を論理的に考えること、自分で考えられるようにしておくこと。だから、論理的思考力を育てるように数学を学ぶ。
思考力の源である国語を学ぶ。考えることができる人になるために。

悲しいほど、今は、ミライが明るくないのです。
何だか閉塞感があり、これ以上、発展しない雰囲気を感じます。
これからは、これまで以上に、日本の中ではなく、海外にも目を向けることが必要な力になってきます。

先が見えないからこそ、教育に投資する。
できることはしてあげておく。
数年後に何が起こるか等、だれも分からない。
その時に、子どもがなるべく自分の足で歩けるよう、自分でできることを増やしてあげてほしい。

そして、なるべく幼児期から、早めに始めることで、自分で学び始めるので、そういう流れを意識して、早いうちこそ、手を掛けてあげる。

自分たちの老後の資金も必要です。教育費を全て払い終わった後に老後がやってきます。だからこそ、早めに子どもが自走するよう、子ども自身を賢くするのが大事です。

公文式ですと、3教科、1年通っても30万円もかかりません。6年で166万円ほど、改めて、とってもお得です。
公文でしっかりお得に学んで、塾に行かなければならない期間を短期化するというのが一番教育費を抑えるコツです。
幼児期のなるべく早めに来てください。子ども自身が自分でどんどん賢くなるようなサイクルを早めに回すのが良いです。

教育は前を向いてするもの

これまで、『教育は前を向いてするもの』とずっと思い、仕事をしてきました。教育や子育ては、決して後ろ向きでするものではない。

前を向いて、ミライは明るいと思ってするものです。

だから、そういう気持ちで、子どもたちが学べるように。

できないことも、きっとできるよ!
頑張ってみよう!
まずはやってみよう!
やってみたら、やっぱりできたね!

そういう意識で子どもと接する。

宿題しないんだったら、辞めなさい、お金がもったいないでしょ!という攻撃の材料にしないでください。
子どもは本来、学ぶことが好きなんです。でも遊ぶことも好き。
遊びたいとか、ちょっと難しい、等ちょっと理由があるから、お家ではできないという子もいます。お家では頑張る気持ちになれない子もいます。
そんなときも、一緒に頑張る仲間となって、ちょっと子どものそばに座ってあげましょう。上から大きな石を落とさないであげてください。
その成長を見守ってあげる、できたときに褒める。
大人から見ると、効率的では無いように思えることが、子どもには、心の在り方の原点を作るような貴重な経験となります。

自分で走り始めたら、手が掛からない

子どもはアッという間に成長します。
公文では、『自分でできる』ということを大事にします。どうやったら、自分でできるようになるのか?自分で学べる子になるには、どうしたらいいのか?というのが、大きなテーマで、公文の先生たちは、教室でそこまで連れて行きたい。そこまで連れて行くには、どうしたらいいだろう?と一人ひとりを見て研究しています。

そこには、家庭でのかかわり方だったり、接し方、言葉がけだったり、子どもを形成しているのは、半分は能力、半分は置かれている環境です。

教室で学習できれば、それでOKではなく、家庭学習を含めて自分で頑張るようになった子は、自走し始めています。
もちろん、時々は弱音を吐くこともあるかもしれませんが、自分で頑張れる子になるように育てることが周りの大人の役目です。
ここは諦めたり、匙を投げたりするところではありません。意識掛けでどうにでも変わるので、大人が変わらなければなりません。

この数年で十分に分かったことは、コロナも心配ですが、コロナの怖さより、何より、一番怖いのは人間。殺し合い、傷つけあう人間を作らないように、大事なのは、教育。子ども時代に、大切にしてもらったか?何を親から教えてもらったか?子どもを一人の人間として大切にすること、それはどういうことかを真剣に考えること、子育てとはそうやって悩みつづけながら、ミライに向かって、正しい方向に子どもを歩かせること。あとは自分で歩けるよね、と手を放すこと。ずっと手を繋いで安全に育てようと思っても、それは育てたことにはなりません。

公文式では・・・

では現実的に、公文式でどのような力を育てたいかという話。
教室では、『自分でできる力』を育てるための関わりを意識的にしております。
教室では分からなかったら、先生に教えてもらえる、もちろんそうです。
では、お家ではどうでしょうか??
お家でも教えてもらう、どこでも教えてもらう、そして自分でできたような雰囲気になる。それでいいのでしょうか?

お家でも進んで行って欲しい、自分の力で。
だから、教室では、そこに足りないものを見つけ、階段を一段登らせるにはどうしたらいいか?というのを考えています。
ただ、この問題が分からない、だから教える、その繰り返しでは、永遠にその子は自走できません。

一番大事なのは、入会されてすぐ、新しい教科を始めてすぐ。
最初の取り組み姿勢、同じプリントでも向き合い方が変わると、全く得られるものが変わる。
だから、始めたての簡単な教材だからこそ、向き合い方を教え込みます。徹底して、こうやって解くというのを一人ひとり、べったりと教えています。

教室では『手順』と言っています。
その手順を細かくここでは書けませんが、各教科やスタート教材ごとに異なります。これを教室で定着化していくことで、お家でも少しずつ自分の力でできるようになる。その繰り返しで、スモールステップでどんどん伸びて行かれます。
ここを無視して、伸びては行きません。

大事なのは、『自分でできるもん!』です。幼児さんであっても!です。
上手く行かない子は、この手順が定着していません。ちゃんとやるべきことをやっていません。
最初が肝心です。
プリントから目を離さない、目と耳と頭を使って解く、教材は難しすぎたり、簡単すぎたりしていないか?このあたり、教室とのコミュニケーションが案外大事です。そのためにも、信頼しあうことが大事なので、色々と相談いただける関係を構築しようとアクションくださる家庭のほうが、子どもはより伸びていきます。
何より、毎日の学習習慣を作ろうとご家庭でなさっているか?というのも影響します。

今はできていないな、と思ったら、いつからでもリスタートできます。
気持ちを入れ直してがんばってみよう!と思ったならば、ぜひ、教室にお声掛けください。そういうご要望もこれまで何度もいただいていて、驚くこともありません。何より今からでも、頑張ってみようと思う気持ちが大事です。

口で言うのは簡単、実際、うまく行かず、悩んだら、いつでも相談してください。ゴールは自立です。一緒に成長を願う味方でいたいと思っています。

いつもご入会のとき、教科のご相談をいただきます。お子さんが低学年であればあるほど、一番大事なのは国語です。まずは国語は外さないでいただけたら伸ばしやすくなります。低学年の時に国語の力が弱いなと思った子をそのままにしておいても、自然には伸びては行きません。国語なのに弱いままで育ってしまうことも良くあります。そこは甘く見ない方がよろしいかと思います。

東郷


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?