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『自立』

2022/6教室だより

写真は、スタッフのH先生が植え替えてくれた教室前のお花。彩りがシックでお花にも個性を感じます。仕事外に教室に来てくれて植え替えてくれるその気持ちがとてもうれしい、少しでも教室に訪れる方が明るい気持ちになりますように、というお気持ちでしょうか。

今日は最近の出来事を紹介します。

『靴紐』

先日、小6の娘と道を歩いていました。
小さい男の子の靴ひもを道端で結んであげているお母さん。
その様子を見て、娘が『ああやって、お母さんが結んであげるとね…、子どもの自発性を奪うことになるんだよ…』と言います。

私は、その親子の様子を微笑ましい光景として眺めていましたので、正直、娘のそのような発言に驚きました。正直、え~っと、小6のあなたでさえ、未だに靴紐のシューズを嫌がるのに、そういうことを言うのね!?という気持ちもありました。

私も、もちろん知っています。
親が先回りすることが、我慢ができなくて手が出してしまうことが、結果的に子どもが色々なことを自分でできないことに繋がっていることに。

娘は、それを『子どもと自然』という本で読んだそうです。
その本を勧めてくれた方が、子どものうちに読んでおく意味は、将来親になった時の心構えができるから、と教えてくれたそうです。

でも、私がお母さんになる前は、正直そんなことは知りませんでした。
私は娘にそのことを正直に伝えました。

『大人が忙しかったりすると、子どもがすぐにできないことを待てないものなのよね。でも、自分でやらせないと、ずっと自分でやろうとしないの。そのことを私が知ったのは、公文の先生になるために、最初の研修を受けたときなのよ。私は子育てのゴールは子どもを自立させることだと教えてもらって、とても驚いたし、感動したの。だから、そういう方針であなたを育ててきたんだよ。』と言いました。

私は娘と初めて何か大事なことを共有できたような気持ちになり、娘の成長を感じました。

『クラスで勉強が全然できない子は、なんとなく親が全部やってあげてきたんじゃないかな~と感じるのよね~。違うかもしれないけどね~。』と娘が勝手な仮説を教えてくれました。1年生のころから、学校では、勉強が早く終わってしまうから、いつも分からない子に勉強を教える役割をしているそうです。

きっといくつになっても、子どもが大事という気持ちがある分、不安なことや心配なこともたくさんありますが、子ども自身が自分で歩こうとする、その気持ちが大事ですね。

『自立の正体』

最近、ある社員さんとの会議で、なぜ、江ヶ崎中央教室の生徒さんたちは、皆、自立して学習しているのですか?小学生だけでなく、幼児さんも皆自立して学習しているのはなぜですか?と聞かれ、とっさに『さぁ、分かりません』と言ってしまいました。私自身、自立させようと思って、そう指導しているわけでもないのですよね。

確かに、お家では多少乱れる子も、江ヶ崎中央教室ではおかしなくらい頑張っている。頑張るのが当たり前という雰囲気があるんですよね。
・・・こんなことを書くと、良くうちの子はそうでなくてごめんなさいという連絡が来たりしますが、そんなことありません、皆さん教室では本当にカッコよく頑張れています!

以前、お手本となる教室を見学したこともあります。本当にすごい先生が運営されている教室で、運良く拝見することができました。すごくできる子たちが多いと聞いている教室だったので、教室の運営を見たら何か分かるかなと思ったのですが、見てもさっぱり分かりません。

でも、『幼児さんでも自立できる』という信念を持って、その後も、ずっと自分の教室の子どもたちの様子を見ながら考え続けて来ました。先日、スタッフの先生とも話をしたのですが、『ようやく色々なことが繋がって、分かるまで10年かかりましたね。』と、これまで有ったことを大変だったことを思い出しながら、それらの出来事を一つ一つ乗り越えて、今があるんだなと。

今、ようやく分かったこと、子どもが自立しているかどうかは結果であって、無理やり大人がさせようと思ってもできることではなく、子どもが自立してやるようになるには、『自信』が必要であること。自分で一歩ずつ、山を登って、ここまで登って来れたから、また登ろうとする、そういう気持ちが育っているか?というのが大事なんだということ。

自分でやることを当たり前にしてきた子たちは強いです。だから勉強が楽しい。大人に依存したままでは、自分でやりたがらない。『できる!』と思うより、『やらされている』と思うのでしょうね。

最近、無気力、何事にもやる気が出ない子どもが社会問題になってきているそうです。ゲームや動画、睡眠不足のせいかなと思ってきましたが、それだけではない気がします。大人に過度に守られている子どもが多いのでしょう。靴紐をすぐに結んであげているのかもしれません。

この記事を読まれて、ちょっと過保護すぎたかな~と思うところがあっても、いきなり全部ひとりでやりなさいというのは、子どもが可愛そうです。やりすぎると、一時的に荒れる子、泣きわめく子がいます。だから、急にバッと手を離すのは、かなりの荒療治になります。そうしないためには、少しずつでいいのです。でも大人が目標はしっかり持って。全てやってあげないで、少しずつ。自分でできることを増やしていく。公文を全部聞いてくるとしたら、最後のページだけは自分でやってみよう!でもいいのです。ちょっとずつ自分でさせて、それを認めてあげてください。『頑張ったね!』『頑張ったら自分でできたね!』そういう誉め言葉が自然に出てくるような親になりましょう。時にはハラハラしますし、忙しいときはイライラしますが、どうか見守ってあげてください。

自分で自分の人生を歩ませること。これが子育てのゴール、教育の一番の目的なのですよね。教室に通う生徒さんや保護者の皆様と、一緒にそこを目指していく仲間であれたらと思っています。東郷

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