見出し画像

「くもんの日本地図パズル」を大人が真剣に遊んでみた。

「くもんの日本地図パズル」は25周年。くもん出版では「日本地図パズルタイムトライアル」がブームです。ぜひみなさんにも楽しんでいただきたく、タイムトライアル専用台やタイムトライアル検定もつくりました。


検定の詳細が書かれたチャレンジカード

検定1級の2分30秒がクリアできず、営業部長に「修業が足りない!」と言われたのが悔しかったので、おもちゃクリエーターで「くもんの日本地図パズル遊び」に精通している高橋晋平さんにアドバイスをいただきました。新しい遊び方もあるとのこと、その遊び方も伺いました。

名人高橋さん直伝!タイムトライアル1級攻略への道

――高橋さん、どうしても2分30秒を切りたいんです。秘訣を教えてください。
 
高橋(以下敬称略):
「くもんの日本地図パズル」のタイムトライアルは遊びというより「メンタルスポーツ」です。以下の4つのポイントを抑えて練習に励んでください。


熱く語る高橋さん。

Point.1 地方ごとにはめるべし!


基本ピースが地方ごとに色分けされているので、色の順番にはめていくことがポイントです。手元に見つけた順からやっていくと、「あ、これは九州地方か」とか、「これは中部地方か」のように、はめる場所がバラバラになって、時間をロスします。ジグソーパズルと一緒で端からやっていくといいと思います。
そもそも、このパズルの中で一番はめるのが難しいものは、「海のない県」です。いわゆる「海なし県」は、8つありますが、これを先に置いてしまうと、それ以降はめるのが非常に難しくてタイムロスをしてしまいます。


8つの海なし県

Point.2 得意な都道府県から攻めるべし!


さらに、その地方の中でも、前半に愛着のある、得意な都道府県を先に処理していき、ピースを減らしてから苦手な都道府県を埋めていくことも、攻略の一つです。スタート時のたくさんピースが存在する序盤が一番難しいです。北海道は大きくてスペースをとるので一番初めに置いておきたいですね。

Point.3 パズルの形で都道府県を認識すべし!


各都道府県の位置は、覚えておいて当たり前ですが、見た瞬間に「これが何県だ」というのを認知するためには、文字だけではなく、形までわかっておいたほう反応速度が速くなります。そのため、形状を頭に思い描いておくことが、タイムを縮めるためにとても重要です。
例えば、ピースがひっくり返っている可能性もあるので、そうなっているときでも、それが何県だとわかるかどうかが重要です。都道府県の名前、位置、形まで覚えておくと、スピードは各段に上がっていきます。

Point.4 両手を使うべし!


パズルをはめているときに「反対の手で何を準備できるか」ということが最重要ポイントです。例えば、秋田県をはめにいっているときに、反対の手でひとつ福島県を取って、福島県の位置を認識し、その準備をしているときに、また岩手県の準備に入っていけると、時間短縮につながります。それを繰り返していくと、全体でかなりの時間がかせげます。


高橋さんは発展ピースで1分47秒!

――ありがとうございます!練習して発展ピースでもできるようにしたいと思います。ちなみに、高橋さんは「くもんの日本地図パズル」を使って新しい楽しみ方も発見されたとか。ぜひ教えてください。
 
高橋:
わかりました。私も夢中になった遊びがあるのでご紹介します。

高橋さん流「くもんの日本地図パズル」オモシロ遊びをご紹介!

高橋さん流オモシロ遊び①目を閉じて、都道府県を当ててみよう!


 高橋: 
ルールは単純で、目を閉じて、パズルを指で触るだけで、どの都道府県かを当てるという遊びです。やれば誰でもできる遊びですが、できない人からすると、「すごい!」「え、どういうこと?」みたいな感じになります(笑)。僕はこの遊びを発見して、相当はまりました。ひたすら目を閉じて「これ、○○県」、「これ、○○県」、「あ、違う」の繰り返しで修業しながら、どんどんレベルを上げました。
ちなみに、一番簡単なのは北海道。巨大すぎるのですぐわかります。逆に僕が一番難しいと思うのは、埼玉県です。埼玉県の攻略がこのゲームのカギになると思っています。


例えば、奈良県は難しい都道府県の四天王だと思っていて、とんがりにあたるところが、三重県との県境なんです。ただ、三重県のこの形というのは、わりと特徴的で、背中部分を触ったときに三重県を“感じる”んです。だから、三重県は変な表現なんですが、ワイパーみたいな形で(笑)。
また、非常にそっくりな県がいくつかあって、その代表例が茨城県と千葉県です。茨城県と千葉県は上下で繋がっている県で、千葉県はチーバくんの形ですよね。その千葉県と茨城県、ばらして茨城県を逆さにすると、実はとても似ているんです。まるでチーバくんが2人(笑)。


この目隠し競技の世界では、はじめに「くもんの日本地図パズル」のピースをベースにして上達していきますが、それと同時に、日本地図などで実際の都道府県の画像を見ることがポイントです。そうすると、その都道府県の形はもちろん、県境や半島などの形の、もととなる特徴が見えてきます。地図を見ながら確認していくと、急激にレベルアップします。まさに「遊び」から「学び」へつながっていくのです。
遊ぶ目的は、この目隠し競技を上達させるという不純な動機で全然構いません。47都道府県の名前をわかっていたとしても、遊びをきっかけに大人も子どもも、日本のこと、その都道府県のどこが都道府県庁所在地で、どこの都道府県と隣なんだっけ?といったことを考えるきっかけにしてもらいたいです。
島根県と鳥取県ってどっちが東だっけ?といった何気ない普段の会話から、この目隠し競技へと発展していってほしいです。

高橋さん流オモシロ遊び②都道府県にあだ名をつけちゃおう!

 
――さきほどのチーバ君の話、楽しかったです。
 
高橋:
 目をつぶってパズルを触ったとき、都道府県の形を認識できてしまえば、当てやすいです。そこで、各都道府県の形をいかして、あだ名をつけてしまおうという遊びも盛り上がります。

 


 簡単なものは、高知県の「アーチ」。他にも静岡県は「金魚」など、自分たちで勝手にあだ名をつけてしまうと覚えやすいです。子どもは発想力豊かですから、得意だと思います。娘は神奈川県のことを「ネコちゃん」と呼んでいて、それを聞いて僕も見てみたら何だか動物に見えてきました。
 京都府は「ノコギリ」、石川県は「つくし」、大阪府は「三日月」、岡山県は「太陽」、福井県は「カギ」…なんて、勝手にあだ名をつけて家族で遊んでいます(笑)。


――ありがとうございます。あだ名つけ、さっそく子どもと試してみます!今回は、「くもんの日本地図パズルタイムトライアル」の秘訣や、新しい遊び方について教えていただきありがとうございました。


高橋晋平さん(株式会社ウサギ代表取締役 https://usagi-inc.com/
過去に大手玩具メーカーに勤め、これまでに100種類以上のおもちゃの開発に携わる。
独立後は玩具開発から商品PRの支援、講演活動など幅広く活動している。

くもんの日本地図パズル25周年 くもんの世界地図パズル20周年特設サイトはこちら
 
高橋さんと「くもんの日本地図パズル」で遊びました(YouTube)