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【日本おもちゃ大賞2022エデュケーショナル・トイ部門優秀賞受賞!】―3Dロジカルルートパズル―子どもの脳に汗をかかせる知育玩具はどのように生まれたのか!?開発者に話を聞いてみました!

2022年6月「日本おもちゃ大賞2022」が発表され、くもん出版の「3Dロジカルルートパズル」がエデュケーショナル・トイ部門で優秀賞に選ばれました。

10色のボールが全て同じ色のゴールに落ちるように、ボールが転がるルートをプログラミングしていく「面白さ」と、3次元でイメージしながら問題を解くことで空間認識能力や論理的思考が養える「教育性」が評価されたとのことです。

note担当者がはじめて遊んだとき、「シンプルなルールなのに、なんて奥深いんだ……」と驚愕した商品。

この商品が生まれたわけやこだわりポイントを開発者・山田さんに聞きました。

遊んでくれる子どもたちへの挑戦状!? 「もっと難しい問題を解きたい」という声へ応えた商品開発

――この商品を企画されたきっかけについて教えてください。

山田:
この「3Dロジカルルートパズル」は、2018年に発売された「ロジカルルートパズル」がもとになっています。
ロジカルルートパズルとは、5色のボールを同じ色のゴールに落とすために、ボールのルートを作っていくパズルです。
ルートを作るためのピースは白色の「ボールが真っ直ぐ転がる直線ピース」と緑色の「隣に移動する交差ピース」の2種類で、ピースを組み合わせてルートを完成させていきます。

発想の原点である「あみだくじ」をイメージしていただけるとわかりやすいかもしれません。「あみだくじ」のスタートとゴール、使う「よこ棒」の数が決まっていて、どこに「よこ棒」をいれれば、目的のゴールにたどり着けるかを考えるイメージですね。

たとえば、次のような問題を考えてみてください。

▲緑色のよこ棒の位置を決める問題です。
▲たとえば図のように置くとスタートとゴールの色がそろいます。

ロジカルルートパズルは、この「よこ棒」を決めて、同じ色のゴールにボールをいれるために、ボールの通り道を作っていきます。

簡単に言えば、この「ロジカルルートパズル」を3D化したのが今回の商品です。

――2Dだけでも非常に頭を使うと思うのですが、なぜ3D化したのですか。

山田:
「ロジカルルートパズル」を発売した当初、「おもちゃ屋が選んだクリスマスおもちゃ2018」知育・幼児玩具部門の第1位や、Amazon知育・学習玩具大賞2018のAamazon特別賞に選ばれるなど、評価していただきました。発売後しばらくすると「もうすべて解いてしまった」「もっと難しい問題が欲しい」という声がたくさん届くようになりました。

そんな声に応えたいと思って頭をひねっていたとき、ロジカルルートパズル自体を進化させようと考え、「3D化」という着想にいたりました。

――ファンからの声がこの企画の原点だったのですね。期待をいい意味で裏切る、ファンへの挑戦状のような商品という印象を受けました。

3Dロジカルルートパズルはどんな商品なの?難しすぎない?

――「3Dロジカルルートパズル」とは、具体的にはどのような商品なのでしょうか。

山田:
遊びの考え方は、先ほどの「ロジカルルートパズル」と同じです。10色のボールを落とし、それぞれが同じ色のゴールにたどり着くようにピースをはめていきます。

ピースも同じです。白色の「ボールが真っ直ぐ転がる直線ピース」と、緑色の「ボールが移動する交差ピース」を使います。

▲赤いボールは赤いゴールに、水色のボールは水色のゴールにといった具合に10個のボール全てが同じ色のゴールにたどり着くようにルートを考えていきます。

―「ロジカルルートパズル」のボールは5個でしたね。

そうです。そこが3Dのポイントで、「たて」「よこ」に加えて「奥行き(前後)」が加わりました。ですので、ピースの置き方にも工夫が必要です。

たとえば、「ロジカルルートパズル」では、交差ピースは、ボールをよこに動かすために使用しましたが、「3Dロジカルルートパズル」では、ボールを前後に動かすことにも使用できます。

――説明を聞くだけでも難しそうです。対象が6歳以上となっていますが、本当に子どもが解けるのでしょうか。難しすぎて、途中でやめてしまわないでしょうか。

山田:
問題数は103問あり、1~5のレベルがあります。このレベルというのは、「段」を表しています。
はじめは「レベル1=1段」に取り組む中で、問題を解くコツをつかみ、だんだんと難しい問題を解く仕組みになっています。このあたりも、子どもが難しくてやめてしまわないようにこだわって作った部分になります。

基本的には私が問題を作っていますが、実際にモニターで子どもたちにやってもらって難易度を調整しながら作っていきました。
後半のほうは複雑になっていくので、大学の先生にご協力いただき、難易度を確認しました。

――大学の先生からもご意見をいただいている商品なのですね。商品開発というと、開発者のアイデアというイメージがありました。

山田:
「ロジカルルートパズル」のときもそうでしたが、開発中はたくさんの意見収集を行います。意見を企画に落とし込み、生み出された試作品を今度は子どもたちに使ってもらい、その結果をまた企画に落とし込み……という作業を繰り返します。商品開発にはこのような過程を大切にしています。

子どもに最高の達成感を感じてもらう。開発者のこだわり

――たくさんのこだわりがつまった商品だと感じられました。ほかにも開発者にしかわからないこだわりポイントがありましたら教えてください。

「ロジカルルートパズル」よりさらに達成感が得られるような工夫をちりばめました。たとえば「3Dロジカルルートパズル」の場合、一気にボールを転がす機能がついています。
ひとつひとつのボールを落として確認し、正しいルートが分かった後、ボールを一気に転がしてみる。10色のボールが一斉に転がり落ち、正しい場所に落ちる。
その際の達成感は病みつきです。

―たしかに、10個のボールが転がり落ちるさまは、まるで滝のようで壮観ですね。

山田:
同時に10個のボールを落とせるようにスタートの部分を工夫しました。それだけでなく、ピースにも工夫をしています。「ロジカルルートパズル」の緑のピースは、同じタイミングで2つのボールが入るとピース内でボールがぶつかり正しく転がりませんでした。
今回は一斉に転がすので、同時にボールが入ってもピース部分でぶつからない構造になっています。また、白いピースは10個のボールがほとんど同じタイミングで落ちるように、ピース内に入ったボールがすぐに落ちない構造になっています。

――真っ直ぐ落ちるはずなのに、ストンと落ちてこないですね。

山田:
交差する緑のピースを通るスピードにあわせることで、ボール全体が同じように落ちていき、そのさまがしっかり観察できるように調整しました。

――ピースの透明感も、ボールの動きが観察できていいですね!

山田:
ボールを落とした様子を観察するときに、子どもたちの好奇心が跳ね上がり、楽しさが意欲につながるように設計しました。子どもたちには、解いた後の最高の達成感を味わってもらいたいと思っています。

実はこの達成感、保護者の方にも感じていただけます。知育玩具のポイントは、大人も子どもも楽しめることだと思っているのですが、子どもがひとりで熱中するのもよし、親子でコミュニケーションをとりながら楽しむのもよし、さまざまな楽しみ方を通じて、子どもたちの刺激になればうれしいです。

――なるほど、本当に「おもしろい・楽しい」ものは、世代をこえるという感覚でしょうか。ぜひ親子で体験していただきたいですね! 本日はありがとうございました。

子どもも大人も夢中になる「3Dロジカルルートパズル」。楽しみながらプログラミング的思考や空間認識力、問題解決力が身につくこの玩具、ぜひお試しください。

▲東京おもちゃショー2022 くもん出版のブースの様子

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