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【イベントメモ】金持ちデザイナーと貧乏デザイナー

はじめまして、くもみと言います。
会社員デザイナー&イラストレーターをやっています。

9月25日(金)「金持ちデザイナーと貧乏デザイナー」というオンライントークイベントを拝聴しました。
ドキッとするタイトルです。

猛スピードでタイピングしたメモ書きをもとに、一部をイラストとテキストで書き出してみました。
※箇条書きに近いメモなので知らぬ間に私が補完している可能性、言い回しやニュアンスなど変わっている可能性があります。

登壇者のお二人

nanocolor.inc 代表
川端康介さん
NASU.Co.,Ltd. 代表
前田高志さん(前田デザイン室室長)

値付けについて

貧乏デザイナーは自ら貧乏になる手段をとっている。
値付けは言うだけ言ってみるところからスタート。
ロゴを35000円で作り続けちゃったら金額をいつあげるかを考えられなくなる。

前田さん:
ロゴの金額は完全お任せで30万円、60万円、80万円、120万円。
でも最近は0円か120万円。30万でも結局変わらないってなったため。
LPは150万円で受けて100万で川端さんに頼みたいな。

Q.実績ない状態での値付けはどうしたらいい?

自分はこういうことができる、こういうやり方をするなどお客さんに説明して値付けをする。実績によって値付けするわけではない。
自分が提供できる価値を説明できて言語化できると相手も自分を信用できると思う。
論理立てて説明して高い金額を出す。

川端さん:
値段をあげたきっかけはLP1つ8000円で作ってたのに勝手にコンサルっぽいことまでやっていた。
それで今度はコンサルもサービスとして組み込んでプラス10万円にしてみた。それでもお客さんの数は変わらなかった。(お客さん自体は変わった)
相手がどう思うかを見定めて金額を決める。
100万にあげてもそれが出せる相手でないと受注はない。
利益率高い商材を扱っている企業や、広告費をかけている企業を相手にするようになった。

前田さん:
世界は広い。
こんだけデザインにお金払ってくれる人がいるんだと言う発見。
経営者になってみたらお金を使いたい時があるのがわかった。(税理士さんに言われたり)
そういう世界もあるんだと思ったら単価をあげやすくなった。

川端さん:
もし単価をあげたかったら自分より高いデザイナーさんに頼んでみると勉強になるかも。
あとは高いご飯屋さんや服屋に行ってみるとか。
お店の内装や店員さんの質なども違う。
「高い」という理由を自分の中で体験する。
お客さんも「1万円ですけど…。」という人には100万円は払わない。
自分で「100万円です。」という人に100万円を払う。

自分の価値がわからないと値付けはできない。
正しく自分を俯瞰しないと。
そのためには比較対象が必要。比較対象を見定める。

営業について

Q.営業はやったことありますか?

前田さん:
営業はしたことない。ブログで集客。
今は自分を知ってもらって仕事がくる。
一度営業やってみたいけどなぁ。

川端さん:
同じく営業はしたことない。
営業が嫌で起業したくらい。売り込みたくないなぁと。
でも今は営業やってみたい。

支払いのタイミング

Q.お客さんからの支払いのタイミングは?

大きい金額のものは最初に半分もらうとかした方がいい。(手付金)
3〜5万とかの仕事なら納品してからもらってもいいと思うけど、大きい案件なら先に半金もらった方がいい。
大きい案件は向こうから言ってくれる会社さんも多い。

値段を抑えるという考え

Q.顧客を作るために値段を抑えるという考えはNG?

絶対ダメなやつ。

値段下げるのはいつでもできる、最終手段なので。
安さで売ったらダメ。

前田さん:
安さで売るってことは誰でもいいってこと。

デザインの価値

Q.高単価にするそのデザインの価値とはどの部分ですか?

川端さん:
それは人それぞれ。
それを言語化して自分で持っとかないとダメ。
ロゴやLPとか作ってほしいといってきたお客さんに、それ作らない方がいいよとかいう提案をすることもある。
慣れてないと来た仕事を全力でやっちゃうけど、のちのち成果物が本当は価値があったのにうまく活用できなくてダメだったとかもある。
自分は売れる、役に立つ、マーケティングの観点でデザインを活用してる。
それで単価あげられたのでそれが価値だと思っている。

前田さん:
他の人ができないことが価値。
これ誰でもできんじゃんってことは価値がないと思っている。
最初に見積もり高く出すってことは、自分にしか出せない価値を生み出すってこと。
デザインは一つ間違えばゴミを作ることにもなる。
捨てられるデザインは作りたくない。

工数と金額について

Q.工数で金額つけることについてどう思いますか?

時給や工数は考えない方がいい。
それは貧乏デザイナー。
時間をかければいいわけではないし、でも思考の数は増やすべき。
もし思考が足りなければ時間かければいい。
工数は金額だしやすいけど、工数で言ったらやばくないか。
わりに合わない。

川端さん:
前田さんは楽しそうにやってるな、自分は絶対売るだろう。
そういうブランディング 、見せ方、がお客さんを呼んでる。

前田さん:
工数で金額つけるの迷ってる人は、仕事をもらってテンションがあがる金額を一度やってみてもいいかも。(抽象的だけど)
頑張れる金額ってあるじゃないですか。
ある企業の人が、前田さんのマックスパワー見たいんで言い値でいいですって言ってくれた。
その時はまだ貧乏デザイナーだったので30万と言ったけど、その人は僕を知ってくれてそう言ってくれた。
そうやって言ってくれる人と出会えて金額あげていった。
自分を知ってもらうことが大事。

=== すみません。ここから力尽きてテキストだけになります。 ===

コンサルの話

Q.どうしたら川端さんのようにコンサルのスキルが身につきますか?

川端さん:
世の中で言われているマーケティング用語は最近覚えたくらい。
まともに覚えたのはここ1、2年。
でも実はそういうのは今までやってて、それがちゃんと世の中に用語としてあるんだよって知ったのが最近。
勉強するつもりで本とかは読んでいない。
お客さんに役立つように、どうやったら生き残るかを試していった結果自然と身についていた。
経験の蓄積、トライ&エラー。
マーケティングって結局試してみてこっちがいいとか、そういうもの。
難しく感じちゃうけど実験しながら答えを出していくっていう積み重ねなだけ。

どうやったら身につきますかっていう質問は失敗したくないから聞いてる気持ちがあるんじゃないだろうか。
手数を増やしていっぱいやってみる。行動力がないと身につかない。本だけじゃダメ。

例えば好きな人にどうやったら振り向いてもらえるかとかもマーケティング。自分はマーケティングを民主化したい。
どうやったら振り向いてもらえるかを真剣に考えるのがマーケティング。
人間の心理や行動に興味をもてる人がマーケティングできる人。
同時に自分の行動にも興味を持って、主観をいっぱい持つことも大事。

借金について

Q.借り入れしたことありますか?

川端さん:
ゴリゴリ借りてます。会社で。今4、5千万くらい。

前田さん:
5千万借りられる信用があるのがすごい!
自分は800万くらい。
会社やってみると5千万借りられる凄さがわかる。

川端さん:
お金を借りて返すを続けて信用度があがって融資額もあがる感じですね。

田舎のフリーランスについて

Q.田舎のフリーランスの営業や価格交渉はどうしたら?

川端さん:
今大阪ですがお客さんはほぼ東京。意図的に狙った。
その土地ごとにこういう職種の人がいるなとか、メーカーとか絞り込んで、そういうの得意ですよって発信したらそれに合わせた受注がくる。
自分の近くだけでお客さんとったら狭い範囲になっちゃうけど、全国にお客さんがいると思って考えたら今はオンラインでも対応できる。
自分は東京のお客さんから問い合わせきたら、ひたすらすぐ行って会いに行った。それで自分を知ってもらう。
大阪だけど安心できるねってお客さんには思ってもらえた。

前田さん:
今はあまり場所は関係なくなってきてる。
自分も今は地元の大きな企業のお客さん以外は東京がほとんど。
ただ逆に田舎は強みもある。
知人で秩父で町ぐるみで仕事をしてる人がいるけど、そういう地元の貢献とか繋がりとかは田舎が強いからそれもめちゃくちゃいいと思う。
自分も最近地元の仕事したいくらい。

値下げについて

お金まけてっていってくる企業とはやらない方がいい。
値切られたらやめます。
かつては受けていたけど…。
自分のランクアップになるとかやりたい仕事なら安くしてもいいかもだけど、ワイヤーはうちでやるからアドバイスの部分お願いしたいみたいな案件は、うちじゃなくてよそでやればいいんじゃないかと思ってしまいます。

コンペについて

川端さん:
1回だけコンペだしたことある。
その時はちょいちょい提案のもの見せながら担当者の人を仲間にしてやった。
そして通ったけど、すぐに社長の鶴の一声で他社になってしまった。
コンペってこういうことあるんかと思ってもう2度としない、となった。

前田さん:
めちゃくちゃでかい案件でお世話になってる会社だったのでお手伝いで入ってやったことある。
色々うまくいかないこともありコンペも負けたのでもう2度とやらない、となった。
手伝いでやってたので全部自分で舵取りもできなかったし、そういう意味でも。

問題解決以外の付加価値

前田さん:
自分が手掛けたデザインで、お客さんが大きな企業とつながったとか言語化できない部分での価値のこと。
逆に言語化できないからこそ価値があるみたいな…逃げみたいで申し訳ないですけど。
論理的な始まりじゃなく、作ってみてこれなんかいいよねっていうのから始まったものとかもある。
そういうのを追求している。

捨てられないデザインについて

Q.捨てられないデザインにするために必要なこととは?

前田さん:
物による。
チラシの場合、パッケージの場合、カタログの場合…。
カタログだとしたらカタログじゃなく本でやる。
チラシだとしたらチラシじゃなくアートのポスターでやる。
パッケージやだとしたらパッケージじゃなくインテリアになるものでやる。
それ以外の概念になるってことじゃないか?
チラシ頼まれてもチラシ作っちゃダメなんじゃないか。
Appleとかもパッケージじゃなくアートじゃないですか。
アートにしたらいいんじゃないか。
アートは捨てられない。

アートとデザイン

Q.アートをデザインに活用するとしたら?

前田さん:
デザイナー目線で言うなら、どういう風に展開していくかじゃないか。
アートをどうやって色んな人に知ってもらうってことじゃない?

川端さん:
例えば子供のサプリのLPとかだったら、購買層はお母さんだけど綺麗なデザインにしたら売上落ちたということがある。
そういうのを買う人は綺麗なものを求めてるわけじゃなく情報がほしい。
LPは文字が邪魔だから文字減らしてビジュアル化するのが大事だけど、綺麗にしすぎると逆効果の場合も。
アートが必要かはケースバイケース。
マーケティング観点で言えばアートがいらない場合もある。

スケジュールについて

Q.スケジュールはどのように考えてる?
前田さん:
自分は優遇されていて、あってないようなもの。
Twitterとかで人柄だすようにしているので、それ見て嫌な人は寄ってこないから「前田さん忙しそうなんでいつでもいいです。」みたいな形が多い。
なのでいつあればいいですか?を聞いてそこに合わせている。

川端さん:
基本的にはクライアントの希望納期で、それが現実的じゃなければ無理ですっていうだけ。
内容によってや、社内の予定を提示してスケジュール提案している。
昔は全部お客さんの希望通りの納期でやっていた。
選ばれる人になってくとスケジュールもある程度優遇してもらえるようになるかな?

何年めで単価あげた?

Q.フリーランス何年めで単価あげた?

川端さん:
すぐ会社をたちあげたのでフリーランスになったことない。
6期目で単価あげれだした。
それまで借金とどう折り合いをつけるかの働き方だった。
いかに楽できるかなとか考えることもあったし、下手くそなやり方でやってきた。知識も技術もなかった。
その6年が今に繋がっている。

前田さん:
フリーランス1年目はサラリーマン年収超えずだった。
2年目で超えたかなってくらい。
3年目で2.5倍になった。
4年目去年でそこからさらに2倍って感じ。
順調にあがっている。
振り返ってみると1、2年目は単価めちゃくちゃ低かった。
それだとどんだけ頑張っても売り上げ1千万とかは無理。

人を雇うことについて

Q.1人でやってた時から社員や税理士さんを雇うようになってどうだった?

前田さん:
始め社員を雇うつもりはなかった。
リスクあるしやりたくなかった。
自分は漫画描いて社員にデザインしてもらおうと思ったので人を雇い出した。
もともと仕事やめて好きなことやっていきたいと思ったから、その為に社員が増えていっている感じ。
会社を大きくしたいという理由じゃなかった。
税理士さんはフリーランスの時は確定申告の時だけ5万円くらいでチェックしてもらっていた。
税金60万払わなきゃいけないと思ってたのに、税理士さんに聞いたら30万ですよってなったくらい自分は経理ができない。
そこからもう頼んでいる。
そんなバカ高いわけじゃないし、税理士さんは色々こうした方がいいとか教えてくれるので、お金のプロに頼むのはプラスにしかならない。
経理苦手な人は即刻いい税理士さん見つけて頼んだ方がいい。

川端さん:
この質問者さんはリスクとかお金とか色々考えてるんだと思うけど、全部が全部セーフティーになることはない。
社員にお金払えなくなったとか、税理士さんに頼む部分を自分でやるってなったら時間とられるとか。
なので、どこにお金をかけるかを考える。
必要なところにお金を使うとそれは回収できる。
勇気がないだけで、必要なところにお金使うと結局回収できてプラスになるもんだと思う。
それに気づいたらサイクルが回ると思う。

駆け出しの頃やってた手段

Q.今はやってないけど駆け出しの頃やってた手段は?

川端さん:
やったら失敗するようなことをたくさんやっといた感じ。
起業当時は知識がなかったなりに色々やってみた。
知らないからこそできた。
知識を入れすぎず考えすぎず試してみるのが大事。
その結果が今に繋がっている。
失敗したくないと未来に繋がらない。
今失敗してもそれがのちのちの為になると思ったら何でもやってみたらいい。

お金が出せないお客さんには

Q.お金が出せなかったり社会的に弱い人の力になりたいが多分お金にならない。どうしたら?

お金の作り方って色々ある。
ボランティアも寄付のもとやってたり、クラウドファンディングなどはPRと実行が伴っている。
自分に応援の価値があるって感じてもらうとか、そこを考えることがビジネス。そうやってデザインするだけじゃなく、別のやり方でお金を得る方法も考える。
ただデザインするだけがマネタイズじゃないと思う。

目標の金額設定

Q.目標の金額設定は?

現状維持だと衰退する。
ちょっと無理して目標高くする時期が必要。

投資と浪費について

前田さん:
大阪ですごいオフィス作ってる企業がある。
そういう投資によってすごく跳ねてる会社を見てるから、自分もそうしたいと思っている。

川端さん:
でかい投資しちゃうと、それを是が非でも正解にするように動けるところがある。
そういう熱量があるのが投資だと思う。
それ以外が浪費。

お友達価格

Q.仲間内で安い値段で受けてしまった。関係が悪くならず値上げするやり方は?

前田さん:
自分はそういう場合はタダでもいいから自分の好き勝手やらせてくれというが、安くしてくれと言ってくる友だちは本当の友だちじゃないんじゃないか。

川端さん:
正直に安くは無理と言ってどういう反応するかで、今後の付き合いを考える形でいいのでは。

=== お話を聞いてみて ===

感想

無料のトークイベントなのに、延長してまでたくさん話してくださりありがとうございました!

今回のお金の話とはズレるかもしれませんが、私は頭の中にやりたいことがたくさんあり、でも時間が作れないしな〜と日々を過ごしていました。

腰があがらない原因は、いつもオフの時間で何かをやり始めると一度に力を注ぎすぎてしまい睡眠をとらなかったりもする為、それがしんどくて結局継続できず…で中途半端になることが多かったから。
その間にもまたやりたいことが浮かび、どんどん自分でタスクを溜めていってしまう始末。

今回「なんでもトライ&エラーでやるしかない。」「失敗したくないと未来に繋がらない。」というお話がストンと落ちてきてギャーンっとやる気が出たので、とりあえずnoteやってみるか!と背中を押され、始めてみました。

おまけ

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